中二病でも恋がしたい!(中二恋)のネタバレ解説・考察まとめ

『中二病でも恋がしたい!』とは、KSエスマ文庫第一弾として刊行された虎虎のライトノベルおよびそれを原作としたアニメ作品である。ジャンルはラブコメディー。
元中二病の主人公富樫勇太と現役中二病のヒロイン小鳥遊六花を中心に展開される愉快な日常や恋模様を描く。
中二病を活かした本作ならではのコメディパートや中二病モードと素の性格とのギャップを見せる魅力的なキャラクター、中二病による妄想世界と現実世界との折り合いがつけられず葛藤する六花とそこから展開される感動的なストーリーが本作の主な魅力である。

『中二病でも恋がしたい!』の概要

『中二病でも恋がしたい!(中二恋)』とは、KSエスマ文庫第一弾として刊行された虎虎のライトノベル、およびそれを原作としたアニメ作品である。略称名は『中二恋』、『中二病』、『中恋』など。ジャンルはラブコメディー。原作小説は全4巻あり、第1巻は第1回京都アニメーション大賞奨励賞を受賞した。2012年10月から12月にかけてテレビアニメ第1期(全12話/1話30分枠)が放送され、2013年9月14日にはヒロインの小鳥遊六花の視点から第1期の内容を再構成した劇場映画『小鳥遊六花・改 〜劇場版 中二病でも恋がしたい!〜』が公開された。2014年1月から3月までテレビアニメ第2期(全12話/1話30分枠)が放送され、2018年1月6日に完全オリジナルの劇場映画『中二病でも恋がしたい! ‐Take On Me-』が公開された。またそれらとは別に公式サイトで短編エピソード(全6話)が1期2期それぞれに『中二病でも恋がしたい!Lite』、『中二病でも恋がしたい!戀 Lite』として配信された。
高校生になった富樫勇太は中二病だった過去を捨てて普通の男子高校生として生活することを決心するが、高校で自分の過去を知る現役の中二病である小鳥遊六花と出会うことでその計画は狂わされることになる。同じマンションに住んでいるということもあって一緒に過ごす時間が増えていく二人が次第に惹かれあう様を描いている。その中で交わされる二人の微笑ましいやり取りだけではなく、中二病による妄想世界での作画に気合の入った戦闘シーンや中二病と恋心、そして現実の厳しい状況と向き合う中で葛藤する登場人物たちの繊細な心理描写も魅力である。
原作小説とアニメ版にはストーリー展開や登場キャラクターにかなりの違いがあり、アニメオリジナルキャラクターである五月七日くみんが主要キャラクターとして配置されている他、六花の中二病のルーツや六花と勇太が恋人になる経緯が違っていたりする。

『中二病でも恋がしたい!』のあらすじ・ストーリー

第1期

カラコンの右眼を晒して「契約完了」と呟く六花。

元中二病という恥ずかしい過去を持つ主人公の富樫勇太は高校入学の前日、住んでいるマンションの上の階からロープで降りてきた眼帯の少女と出会う。そして翌日、勇太は同級生の丹生谷森夏や一色誠と知り合い普通の高校生活を夢想するのであったが、そこで昨晩出会った眼帯の少女小鳥遊六花と再会する。彼女は自らを「邪王真眼」と名乗る現役の中二病であり、勇太は中学で「ダークフレイムマスター」と名乗っていた彼の中二病時代を知っている六花と関わりあうことになってしまうのだった。
ある日、捨て猫を拾ってきた六花。そこで勇太と六花が二人で飼い主を探したところ、飼い猫を探しているという勇太たちより一学年上の先輩である五月七日くみんと出会う。六花が「キメラ」と名付けたその猫が本当に自分の猫かを確かめるため、くみんは勇太とともに六花の部屋を訪れる。くみんがキメラは自分の猫ではないと確かめたところで六花の姉である小鳥遊十花が部屋へと乗り込んでくるのだった。
十花は猫アレルギーであるため、小鳥遊家でキメラを飼うことはできない。そこで十花は勇太を中二病時代の音声データを利用して脅し、半強制的に富樫家にキメラを引き取らせるのだった。

様々な部活を見学したうえで六花は新たに「極東魔術結社」という部活を新たに設立することを決める。しかし勧誘しても他の生徒たちは煙たがって近寄ろうとしない。そこで六花は中等部にいる後輩の凸守早苗や昼寝部を作ろうとしていたくみんも加え、六花たちの部は「極東魔術昼寝結社」という名でまずは同好会として活動し始めることになる。
勇太は目的不明なその同好会に加入することを拒むのだったが、クラス1の美少女であり勇太が気になっていた女の子である丹生谷森夏が同好会に加入するということを勇太に告げてきた。また、このことによって丹生谷森夏の「夏」の字を取って同好会の名前が「極東魔術昼寝結社の夏」に変わっている。

丹生谷が「極東魔術昼寝結社の夏」に入る意図がわからず動揺する勇太。そんな彼に丹生谷は休日勇太の家に行きたいと申し出る。彼女の目的は勇太が凸守から預かっていた『マビノギオン』を回収し、完全に消すことだった。彼女の正体は凸守が崇拝するかつての「モリサマー」であり、『マビノギオン』は「モリサマー」を名乗っていた時の彼女の言行を記録したものであった。つまり彼女も勇太と同じく元中二病として、その痕跡を消し去ろうとしていたのである。
丹生谷は勇太が持っていた『マビノギオン』を処分することはできたものの、凸守がいくつもコピーを取っていたことが発覚。丹生谷を本物の「モリサマー」と認めない凸守から『マビノギオン』を奪い、完全に処分するまで丹生谷は同好会に所属することになるのだった。

勇太の友人である一色誠のもとにある日ラブレターが届く。どうしていいかわからず勇太に相談する一色だったが勇太と別れた帰り道で手帳を落とし、それを同じクラスの女子に拾われてしまう。そこには一色が開いたクラス男子たちのアンケートをもとにした「カワイ子ちゃん選手権」のランキングが記されているのだった。
翌日女子から責め立てられるクラスの男子たち。一色はそこで一人罪を被り、頭を丸めることでその場を収めようとした。結局もらったラブレターで指定されていた場所には女の子は来なかったがクラス男子たちの信望を得ることになった。
この後、一色は坊主頭を触りたがる五月七日くみんに一目惚れし、「極東魔術昼寝結社の夏」に入り浸るようになるのだった。

夏休み、十花からの要望を受けて六花の祖父母の家へと赴く同好会メンバーたち。なんとなく元気が無く、祖父母や十花から逃げ続ける六花に対し勇太は違和感を覚えていた。そんな勇太に十花は小鳥遊家の事情を伝える。十花が六花を祖父母の家まで来させたのは3年前に亡くした父の墓参りに来させるためだった。一家の中で六花だけが父の病気について知らされていなかったために、父の死は六花にとってあまりにも突然だった。それが原因で六花はいまだに父の死を受け入れらず、中二病の妄想世界に逃げ込んでいるのだという。
勇太は六花の身の上話を聞かされてもどうしても六花の中二病を責めることができず、六花が亡き父に会うための「不可視境界線」の探索を六花に持ち掛ける。「不可視境界線」とは、父が死んだ夜に六花が見たもののことである。その先に六花は亡き父の姿を見ており、以降六花は父に別れを告げるため、「不可視境界線」を探し求めてきた。六花は勇太とともに「不可視境界線の集積地」と呼ぶかつて両親や十花と暮らしていた家へと向かうが、そこはすでに売地となってしまっていた。
現実が受け入れられず妄想世界に逃げ込む六花を厳しく咎める十花。それでも勇太は六花をかばい、逃げ出した六花と一緒に一足早く家に帰ってしまった。

六花が家の鍵を忘れてしまったために勇太と六花は一つ屋根の下で一晩を過ごすことになった。そこで二人は互いを異性として強く意識し、次第に恋心が芽生えていく。六花はその気持ちに気付かず、なんとなく勇太との関係がぎくしゃくしてしまうが丹生谷への相談を経てはじめてその気持ちが恋であることを知る。
文化祭の準備などを通じて互いへの気持ちを深めあう二人。やがて二人は互いへの恋心を打ち明けあい、「恋人の契約」を結ぶのだった。

文化祭が近付き、準備もかなり忙しくなってきた時期に勇太は十花から呼び出しを受ける。そこで勇太は十花が海外に転勤すること、六花の母が十花に代わって六花と一緒に住むことを告げられ、十花が安心して日本から発てるように六花を中二病から卒業させてほしいという頼みを受ける。
どうすればいいかわからないまま迎えた文化祭当日、勇太は六花の母親と対面する。母親の六花に対する思いやりを知った勇太はこのまま六花の中二病を認めるのは無責任だと感じ、六花に中二病を卒業するように促す。六花は抵抗したものの、文化祭の最後には自ら六花の中二病の象徴ともいえる眼帯とカラーコンタクトを外すのであった。

中二病を卒業してから約3週間。十花を見送った後、六花は勇太や丹生谷のサポートを受けながら普通の高校生としての生活を送っていた。
ある日母親から父の墓参りに一緒に行こうと誘われた六花はこのことを勇太に相談する。勇太は戸惑いつつも、六花を実家へと送り出すことに決めた。この対応に凸守は、六花は勇太に中二病を肯定し、一緒に「不可視境界線」を探してほしいのだと激しく抗議するが、勇太は凸守の前で中二病を完全に否定してしまう。

六花が祖父母の家へと向かってからしばらく経ったが、六花からの連絡は一向になかった。本当に六花の中二病を否定し、送り出してよかったのかと自問しながら学校生活を送る中、六花の部屋に引っ越し業者が来ていたことを勇太は知る。
勇太は急いで六花の祖父母の家へと向かおうとするが勇太と決別することを暗に意味したメールを六花から受け取り、一時は諦めようとする。しかし中二病時代の自分が中二病を卒業した現在の自分宛へ書いた手紙を読み、すべてを諦めて目の前の現実を受け入れている情けない自分を再び奮い立たせ、六花のもとへと向かう。その道中で六花から「邪王真眼」を継承したくみんと出会い、六花の中二病のルーツが勇太であったこと、勇太の自分をさらけ出している姿が自分を押し殺していた当時の六花にとっての憧れであったことを知らされる。勇太は六花の祖父母の家に到着すると六花を部屋から連れ出し、妄想世界を展開することによって「不可視境界線」を作りだしたことで六花は亡き父との離別を成し遂げることができた。
二人はこれからも自分を押し殺さず、ありのままの自分で生きることを選ぶのだった。

第2期(『中二病でも恋がしたい!戀』)

二年生に進級した勇太たち。六花の母親の仕事の都合により、家に引き取ろうとする祖父母を勇太が必死に説得したものの、六花の祖父が誤って六花の部屋を解約してしまい、新居が見つかるまでの間勇太の部屋に住むことになった。勇太の家族は父親の仕事の都合でジャカルタにおり、二人は事実上の同棲生活を送っていた。
同棲生活のことは当然周囲の人間には秘密であったが当然隠し通すことは出来ず、同好会のメンバーや日本に帰国していた十花にまで知られてしまう。十花はこれを認めず、六花を自身の働くイタリアまで連れて行こうとするが、そこへ勇太の妹の樟葉が通学のためジャカルタから帰国。3人暮らしならということで十花からの許可を得た。

恋人としての進展は全くなかった勇太と六花。二人は恋人として相手とどのように向き合えばいいのか悩むのだったが二人で話し合った結果、一般的な恋人の概念に捉われずに二人なりの関係を構築していけばよいという結論を出す。
そんな二人の前に、七宮智音という少女が現れる。彼女は勇太の中二病の起源となった人物であり、師弟のような関係にあった。親し気な二人の様子に嫉妬を隠せない六花。そんな六花の様子を見かねた勇太は、六花以外の女子には近付かないことを約束するのだった。
勇太たちの通う銀杏学園では部室が足りておらず、部室を得て部活動に昇格することを望む同好会が多くあった。活動実態がほぼなく、毎日遊んでいるだけの「極東魔術昼寝結社の夏」は部室を失う危機に直面する。
そこで勇太たちは昼寝部の強豪校に試合を申し込んで勝利し、「昼寝部」としての実績をあげることでこの危機を乗り越えようとする。くみんを除いて勇太たちは昼寝に関して素人同然であったため前日に睡眠をとらず試合に臨むという策をとるが、結局全員寝てしまったことで絶体絶命のピンチに陥る。そこでくみんが全国大会レベルの実力を発揮、くみん以外は全員途中で目が覚めてしまい、失格となった。こうして勇太たちはくみんの活躍で部室を守り抜くことができた。

修学旅行に出かけることになった勇太たち。勇太と六花はいつものごとく親子のようなやり取りを繰り広げるのだったが、同級生に茶化されて互いを恋人として意識するとどうしてもぎこちなくなってしまうのだった。
互いに恋人として歩み寄ろうとする勇太と六花は、班の自由行動の時間に抜け出して二人で行動することに。ところがそこで偶然道に迷った七宮と遭遇。またもや親密な様子を見せる勇太と七宮の様子を見て嫉妬の感情を隠せない六花は、その場から逃げ出してしまう。
一人で物思いに耽る六花のところへ、七宮が現れる。そこで六花は七宮からかつて七宮が勇太に恋をし、その結果中二病を忘れそうになっていたこと、そして今は中二病でいるために勇太に恋をするつもりはないことを聞かされる。その話から六花は中二病のままでいるか、それとも勇太と恋人としての道を歩むのかという厳しい選択を迫られるのだった。

修学旅行から帰った勇太たちは、凸守の格好に驚く。凸守が「モリサマー」の格好をしていたのだ。勇太たちが修学旅行に行っている間に「本物のモリサマー」に会ったのだという。そのモリサマーを自称する女性、十九川菜摘は自分が想いを寄せる凸守に取り入るため、当時の丹生谷の姿をまねていたのであった。
丹生谷は中二病の過去を掘り返されたことに怒り、偽物の正体を暴こうとするがあっさり騙されてしまった凸守の姿を見て、一度は諦めてしまう。しかし同好会のメンバーや七宮に後押しされて丹生谷は十九川との対決を決心する。
中二病当時の姿で対決に臨む丹生谷であったが、十九川のあまりにも強い凸守への愛に対し丹生谷は妄想世界で防戦一方となってしまう。しかし丹生谷を痛めつけようとする十九川を見て凸守は十九川が偽物だと看破し、十九川に勝利することができた。
とはいえ凸守も丹生谷を本物だと認めたわけではないため、普段の憎まれ口を叩きあう関係性へと戻ることになったのであった。

勇太のことを好きになり、恋人として意識していくうちに中二病世界での自分を見失いつつあることに気付く六花。七宮はそんな六花に過去の自分の姿を重ね、中二病か恋人かという選択を再び六花に迫る。六花はこれに頭を悩ませるが、勇太の自分たちなりの関係を作っていけばいいという言葉を思い出し、中二病も勇太も両方諦めないことを決意する。
一方そんな六花の様子を見た七宮は、胸の底にしまいこんでいた勇太への好意を次第に募らせていく。

七宮は勇太への気持ちを必死に押し殺そうとするが、勇太への好意に気付いた丹生谷の後押しもあって自分の気持ちと向き合い、けじめをつけることを決意する。
一方勇太は風邪をひいてしまった六花がたびたび勇太に内緒で出かけていることを気にしていた。勇太は自分に隠し事をされていることに対し不快感を抱くが、ふと見つけた中学時代の日記を見て六花が何のためにたびたび外出していたのかを知る。六花は中学時代の勇太が未来の契約者に向けて書いた手紙を読んだ。そこにはブルームーンの夜に勇太の中に眠る暗炎龍を蘇らせて中二病時代の勇太を呼び起こしてほしいということと、暗炎龍を蘇らせる手順が書かれていた。六花はこの手紙を読んで以降、暗炎龍復活の鍵となるコインを探していたのだった。
勇太はかすかな記憶を頼りにコインを見つけ出し、六花とともに暗炎龍を復活させる。その場にいた七宮は勇太への恋心に決着をつけるため、勇太の承認を得て暗炎龍と戦うのだった。

暗炎龍を復活させた後も勇太との関係がなにも進展しないことに対し焦りを覚える六花は、勇太と上級契約を結ぼうと考える。上級契約とはすなわちキスのことである。
同好会メンバーと七宮の協力を得て決行に臨む六花だったが、勇太本人を前にするとどうしても恥ずかしくなってしまい、うまくいかない。勇太はそんな六花の気持ちを受け止め、また自分も六花に対する素直な気持ちを伝える。二人はそのままキスしそうになるが、そこでタイミング悪く樟葉からキメラの子どもが生まれたという電話が入る。結果的には失敗に終わったものの、六花と勇太は改めて自分たちなりのペースで進んでいこうと決意するのだった。

劇場版(『中二病でも恋がしたい! -Take On Me-』)

2年生の3学期を終え、春休みに入った勇太たち。六花の留年の危機を力を合わせてなんとか回避した勇太と六花、生徒会長になった凸守と副会長になった丹生谷、大学進学の準備を済ませたくみん。それぞれが春からの新生活に向けて動き出していた。上級契約失敗(第2期最終回)から約半年、勇太と六花は恋人として進展するわけでもなく、さらに六花はいまだに中二病のままであった。
そんな勇太たちのところへ突然現れた十花。彼女は六花の母が十花の働くイタリアに住むというので、一緒に六花もつれていくと言うのだ。
どうすればいいのか分からず頭を抱える勇太。そこで丹生谷たちが二人で駆け落ちすることを提案。勇太と六花はその提案に乗り、翌朝行くあてもなく出発する。一方丹生谷たちは六花を迎えに来た十花に「六花と勇太が駆け落ちした」ということを伝えるが、丹生谷と凸守が事故でキスをしてしまった時の写真で脅され、二人は勇太と六花の追っ手に回ってしまう。

勇太と六花は丹生谷と凸守からの追跡を躱しつつ、旅行気分を楽しむ。そんな中で勇太は六花の母親に会いに行くことを思い立ち、六花の母が住む北海道へと移動する。北海道に到着した二人。そこで勇太はこっそり買っておいた指輪を六花に渡す。六花は大いに喜んだが、同時に中二病の力が失われていく不思議な感覚に襲われるのだった。
六花の母を訪ねたが留守だったので電話を掛けたところ、今は青森に居るとのことだった。勇太と六花はすぐに電車で移動するが、勇太が眠っている間に六花は貰った指輪を残して勇太に何も言わず姿を消していた。勇太は懸命に六花を探すが見つからず、六花の母親に六花を見失ってしまったことを謝罪する。しかし六花の母によると、六花は勇太より一足早く彼女のもとに来ていたのだという。

六花は中二病か勇太との恋人関係かという問題に再び悩まされていた。六花にとって「邪王真眼」は勇太との絆そのものであり、「邪王真眼」の力を失うことで今の自分でなくなってしまったら勇太は自分のことを好きではなくなってしまうのではないかということを懸念していたのだ。
六花から相談を受けた七宮とくみんは青森に訪れる。七宮は「邪王真眼」の力を捨てて勇太を選ぶことを提言するが、どうしても六花は「邪王真眼」を捨てることができないのだった。そこにくみんが割り込み、その問題は七宮と六花ではなく、勇太と六花で決めるべき問題だということを指摘する。六花はこれに納得し、くみんたちが用意してくれたペアのクルーズ船チケットを受け取り、勇太に会いに行くのだった。

クルーズでの船旅を楽しむ六花と勇太。そこで二人はずっとお互いのそばに居続けるということを改めて決意し、半年前に失敗した上級契約を交わす。
その後、同好会メンバー全員でイタリアに赴く。彼らは直前まで知らされていなかったことだが、十花が結婚することになり、その結婚式に招かれたのだ。ウエディングブーケを六花に向かって投げる十花。そこには六花が日本で一人暮らしをするための新居の鍵が入っていた。
六花の新居は七宮の部屋の真上の部屋、つまり勇太の部屋の二階上の部屋だった。二人が初めて出会った時のように上からロープを伝って降りてくる六花を支えながら、勇太は改めて六花が好きだという気持ちを確認するのだった。

『中二病でも恋がしたい!』の登場人物・キャラクター

主な登場人物

富樫 勇太(とがし ゆうた)

CV:福山 潤
本作の主人公。7月7日生まれ。身長170cm、体重60kg。血液型はA型。妹が2人いる。
勉強は出来ないわけではないらしいが本編中で出た点数はどれも微妙であり、勉強が苦手な六花に点数で負けるときもある。
中学で「ダークフレイムマスター」と名乗っていた中二病の過去を持つ。高校に入ってからは中二病は卒業済みであり、中学時代のことを思い出す度あまりの恥ずかしさに悶えているが高校進学以降もモデルガンを見て目を輝かせたり痛いデザインのTシャツをかっこいいと思うなど、中二病の後遺症を引きずっている様子。
妹がいることからか面倒見がよく、また中二病への理解もあることからメインヒロインである六花の面倒をよく見ている。やがて恋人となった後もその関係は付き合う前とあまり変わらず、丹生谷からは「親子」、「おじいちゃんと孫」などと言われている。

小鳥遊 六花(たかなし りっか)

CV:内田 真礼
本作のメインヒロイン。6月12日生まれ。身長150cm、体重47kg。血液型はA型。苦手なものはトマト。父親を亡くしており、母親が仕事の都合で別の場所で暮らしているため、当初は姉の十花と2人暮らしだった。
容姿は良いほうらしく、一色が勝手に開いた「クラスのカワイ子ちゃん選手権」では4位に入り、勇太の母からも「姉妹揃って美人さん」と言われている。勉強はかなり苦手。特に数学は大の苦手で、勇太や下級生の凸守から教えてもらうほど。
「邪王真眼」を名乗る現役中二病の少女だが、勇太と出会う前までは周囲を困らせないように自分の気持ちを押し殺すような大人しい少女であった。中二病の痛い設定と本人の人見知りが相まって当初はクラスの中でかなり浮いていたが、後にクラスでも勇太や丹生谷以外の友達ができるようになる。また物語序盤は無口で無表情な面が目立っていたが勇太との距離を縮めるにつれ、少しずつ様々な感情を露わにするようになっている。

丹生谷 森夏(にぶたに しんか)

CV:赤崎 千夏
本作のサブヒロインの1人。勇太と同じく中二病だった過去を持つ。8月30日生まれ。身長165cm、体重57kg。血液型B型。
容姿端麗で「カワイ子ちゃん選手権」において堂々の1位を獲得している。学業は優秀だが六花と同じく数学だけは苦手な様子。部活は原作ではダンス部に所属していたが、アニメ版ではチアリーディング部から演劇部へと変更されている。
普段は猫を被っており落ち着いた性格であることから当初は勇太も丹生谷のことを異性として意識しており、クラスでも「2人が付き合っている」という噂が流れていたほどだったが、高圧的な本性と中二病の過去を勇太に見られてからは互いにそういう描写は全く無くなっている。
勇太と六花の恋の予兆に最もはやく気付くなど、他人の恋愛心理に関しては非常に鋭い。ちなみに本人の恋愛経験はゼロである。

五月七日 くみん(つゆり くみん)

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