マニアックな惡の華の裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

『惡の華』とは、『別冊少年マガジン』2009年10月号から連載が開始された押見修造による漫画、およびそれを原作としたアニメ、実写映画作品である。『惡の華』といえば、子どもたちには読ませたくないような過激な内容が多いことで有名だが、実は単なる変態漫画というだけではない深い意味が込められている。作品の中に隠された裏設定や都市伝説、豆知識、トリビアなどを知っておけば、また違った目線で本作を楽しめるだろう。

「クソムシ」=「外面を取り繕ってまともぶった奴ら」

出典: ameblo.jp

「クソムシ」=「外面を取り繕ってまともぶった奴ら」

一方で「クソムシ」とは何を意味するのか。「変態」の対極にあるので答えは簡単だ。
「クソムシ」とはドロドロした内面を隠し、外面ではまともぶってる奴らである。

心の中はドロドロなのに、それをまるで存在しないかのように振る舞う「普通の人」。
そんな「普通の人」同士が内面を隠したままお互いにまともぶって会話している白々しさ。
仲村には退屈で下らない茶番に見えているのだろう。

挿絵から読み取れる主役3人の「惡の華」との関係性

漫画『惡の華』の挿絵には主役3人が悪の華を手にしているものがある。
これが3人と「惡の華」との関係性を象徴していると解釈できる。
「惡の華」とはつまりドロドロした内面、欲望といった物の象徴であることに注意。

仲村は惡の華を頭上に掲げている。惡の華を崇拝し希望を見出しているのだろうか。
春日は背後に隠すように持っている。後ろめたさを持ったまま隠すことしかできない。
佐伯は手を繋ぐように自然に持っている。崇拝も卑下もせずにあるがままを受け入れている。

この関係性を見ると、一番中学生らしいのが春日。一番大人っぽい佐伯だと言える。
自分のドロドロした内面を素直に出せず、社会から批判されると思い込む中学生。ドロドロした内面を、誰でも持っている事に気付き、飾ることも隠すこともしない大人。
この心理的な成長の流れはとても自然であると言える。

しかし仲村だけは、このドロドロした内面を過剰にさらけ出している。反抗期という言葉では収まらない激情。
仲村は一体どこへ向かっていくのだろうか。

連載のきっかけは押見の過去作品『スイートプールサイド』

『スイートプールサイド 』は2004年に『週刊ヤングマガジン』で連載された青春漫画である。毛が生えないことを悩む水泳部の男子中学生に、同じ水泳部の毛深い女子に毛を剃ってくれるように頼むというストーリー。本作は2014年に実写映画化されている。この作品がきっかけに、『惡の華』の執筆依頼につながったという。

アニメ化の手法はロトスコープ

2013年に放送されたアニメ『惡の華』では、モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする「ロトスコープ」という手法が採用された。日本のテレビアニメでは、本作が史上初の全編ロトスコープを用いた作品となった。
そのため、原作とアニメでは登場人物の顔が大きく異なっている。これは監督の長濱が実写の撮影をしている途中に「もうキャラでも役者でもない人になっていく、言ってしまえばモーションキャプチャーに近い形になっていく、自分達のやりたいのはモーションキャプチャーかな?そうじゃない」と思うようになったことがきっかけである。原作者の押見は「原作の絵に近付けたりした方がいいですか?」と聞かれたところ、「全く違う物の方がいいです。役者さんの顔に寄せて下さい、役者さんの顔でやって下さい」と答えたそうである。

アニメは春日が仲村に契約しようと誘う場面まで

アニメのストーリーは、原作冒頭から春日が仲村に契約しようと誘う場面まで描かれている。また、最終回終盤に春日と仲村が夏祭りの櫓で包丁を手に「クソムシどもッ」と叫ぶ場面までをダイジェストで挿入するという形をとっており、原作をただなぞる展開ではない。

仲村佐和演じる玉城ティナに恋した押見

実写映画の『惡の華』では、玉城ティナが仲村佐和を演じた。
映画を観た原作者の押見は、その直後に監督である井口に「仲村さんバッチリです!」と言ったという。
舞台挨拶でも、登壇した押見は「一観客として映画を観てしまって仲村さんを好きとしか言いようがない、恋をした気持ちになりました。」と語った。それに対して井口が「今度、玉城ティナさんとお会いしたら?」と尋ねると、「もうそういうふうにしか見れない。目が見れない」と押見は照れながら答えた。

井口による映画化は原作者である押見のオファー

実写映画の監督を井口にとオファーしたのは原作者の押見である。実は過去にまだ連載中だった原作漫画を読んで衝撃を受けた井口が、知り合いの編集者経由で押見に会ったことがあったのだ。
『惡の華』に感情移入したことを熱く語る井口と押見はそれ以来メル友になり、連絡を取り合ううちに、押見からも是非井口に監督をお願いしますという話になったそうだ。

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