殺戮の天使(殺天)のネタバレ解説・考察まとめ

『殺戮の天使』とは、星屑KRNKRN(真田まこと)が制作したフリーホラーゲームと、それを原作としたアニメ・漫画・小説作品。原作ゲームは実況動画やNintendo Switchへの移植を通して広まり、爆発的な人気を獲得した。演劇を意識した演出や、キャラクター同士の会話を重視した作劇が特徴だ。原作者はフリーホラーゲーム『霧雨が降る森』を手掛けた人物でもある。記憶を失くした少女レイチェルと、殺人鬼の青年ザックが閉じ込められているビルの各フロアに潜む殺人鬼をかいくぐり、脱出を目指すストーリー。

『殺戮の天使』の概要

『殺戮の天使』とは、星屑KRNKRN(真田まこと)が制作したフリーホラーゲームと、それを原作としたアニメ作品。原作ゲームは2015年8月から2016年2月まで、連載型ゲーム配信サイト「電ファミニコゲームマガジン」で連載された。実況動画やNintendo Switchへの移植を通して広まり、爆発的な人気を獲得した。演劇を意識した演出や、キャラクター同士の会話を重視した作劇が特徴だ。原作者はフリーホラーゲーム『霧雨が降る森』を手掛けた人物でもある。
記憶を失くした少女レイチェルと殺人鬼の青年ザックが、ビルの各フロアに潜む殺人鬼をかいくぐり、脱出を目指すストーリー。
KADOKAWAの『月刊コミックジーン』で2015年11月号から名束くだんによる漫画版が連載され、単行本もレーベル「MFCジーンシリーズ」から発売されている。また、漫画連載だけではなく、KADOKAWAのレーベル「エンターブレイン」からは木爾チレンの手掛けた小説全3巻が発売されている。
2018年7月にはテレビアニメ化され、全12話放送された。その後、2018年10月からは続編となる全4話をAmazonプライム・ビデオにて配信しており、全16話構成となっている。レイチェル役を千菅春香、ザック役を岡本信彦が担当した。

『殺戮の天使』のあらすじ・ストーリー

少女「レイチェル」と殺人鬼の青年「ザック」の出会い

とあるビルの地下の最下層で目を覚ました少女「レイチェル」。レイチェルは記憶を失っており、自分がなぜここにいるのか分からないでいた。とりあえず、地上へ出ようとビルを彷徨い、エレベーターに乗る。
すると「最下層の彼女は生贄となりました。皆様各フロアでご準備をお願いします」と放送が流れ、エレベーターは上のフロアに進んだ。エレベーターはフロアB6に止まる。レイチェルが彷徨っていると殺人鬼の青年「ザック」と出会う。ザックはレイチェルを殺そうと襲いかかる。レイチェルは間一髪逃げ切ることができ、エレベーターに乗って上の階に行く。
エレベーターがフロアB5に着くと、レイチェルの主治医だと主張する「ダニエル」と出会う。ダニエルはレイチェルに対しとても優しく接するが、レイチェルの空虚を纏ったなにも映さない孤独な眼を欲し、レイチェルに襲い掛かる。実はダニエルは生まれつき右目がなく、様々な眼を収集していた。彼は自分の母親が自殺した時の空虚な眼に最も魅力を感じており、それに似たレイチェルの眼に異様に執着していた。
そこへフロアB6にいたザックが現れ、「レイチェルの眼を欲して幸せそうな顔をしていたダニエルを殺したくなった」という理由でダニエルを背後から襲う。この行動でザックはビルのルールを破ったことになり、レイチェル同様生贄にされる。
一方、レイチェルはザックがダニエルを襲う様子を見て、「死にたい、殺されたい」と考えるようになる。レイチェルは出ていったザックを追いかけ、自分を殺してほしいとお願いする。するとザックは「このビルから出る手助けをしてくれ、そうしたらお前を殺してやる」と提案する。二人の奇妙な誓いが立てられた。

B4のエディ

レイチェルとザックはエレベーターに乗り、フロアB4に到着する。フロアB4はこのビルで死んだ人の墓を作っているエディという少年が担当しており、フロア内には一面墓が立てられていた。
エディはレイチェルに一目惚れをしており、自分がレイチェルを殺したいと願い、レイチェルだけの特別な墓を作って二人を待ち受けていた。エディはレイチェルに対し、「ザックではなく自分こそがレイチェルの殺してほしいという願いを叶えてあげられるし、理想の墓も作ってあげられる」と伝える。その言葉に揺らぐレイチェルだったが、ザックからの「絶対に俺が殺してやる!神に誓って、な!」という言葉を受けて、ザックに殺されたいと意思を強くし、エディの提案を断る。
エディはザックの存在に苛立ち、ザックに攻撃するも返り討ちにされ、殺された。

B3のキャシー

フロアB3に着くと、真っ白な壁と鉄格子に囲まれた牢獄のような空間が広がっていた。B3は自らを「断罪人」と称する女看守の「キャシー」が担当するフロアだ。
キャシーは陽気にふるまいながらも、処刑用の電気椅子、毒ガス、危険な薬の投与など、残虐な懲罰を仕掛けてくる。レイチェルとザックは苦戦しながらこれらの仕掛けを乗り越えていく。
最後の部屋でキャシーはレイチェルに銃を与え、薬物に犯されたザックと殺しあわせようとする。ザックは薬で朦朧としながらも、持っていた鎌で自分を切り裂いてレイチェルを守る。レイチェルはキャシーに与えられた銃を捨て、ずっと提げていたポシェットから銃を取り出してキャシーを撃った。キャシーはザックに斬られて力尽きる。

B2のグレイ

キャシーを倒した二人は次なるフロアに向かうため、エレベーターに乗る。フロアB2に着くが、ザックは自分を切り付けた怪我が原因で倒れてしまう。そこでレイチェルはひとりでフロアB2を進み、薬を探すことにする。
フロアB2は教会のような風景で、レイチェルは進んでいくうちに何か違和感を感じた。すると不思議な空間に迷い込み、そこで自らを神父と名乗る「グレイ」に出会う。グレイはレイチェルを見極めようとしているという。レイチェルが血を止められるもの探していることを聞いたグレイは、「ここにはないがダニエルのフロアにはある」と答えた。グレイとであればフロアを降りることができるが、そのためにはレイチェルが「試練」を受けなければならないという。レイチェルはそれを承諾し、グレイと共にフロアを降りる。
レイチェルは一度ザックの元に戻り、下のフロアに降りることを伝えると、ザックから「自分がいたフロアにあるナイフを持ってこい」と頼まれる。レイチェルは了承し、グレイと共に下のフロアに降りていった。
レイチェルはそれぞれのフロアで試練をくぐり抜け、ダニエルのフロアに着くが、薬が見つからない。ザックに斬られたはずのダニエルの死体もなかった。ダニエルが薬を持ち去ったものと考えられた。仕方なくレイチェルはザックのフロアからナイフを回収し、フロアB2に戻ることにした。

ダニエル

一方、フロアB2で休んでいるザックの元に、ザックにやられたはずのダニエルが現れる。レイチェルに執着するダニエルはザックと激しい言い合いをし、どこかへ立ち去る。ザックは体を引きずるようにしてその後を追った。
エレベーターでB2に戻る最中、グレイはレイチェルに、ダニエルの様子がおかしいという話をし、その原因がレイチェルではないかと問い詰める。レイチェルは心当たりがない。
B2に戻ってきたレイチェルはザックからダニエルが現れたことを聞き、薬を手に入れるためその後を追いかけることにする。レイチェルが回収してきたザックのナイフを「持っていけ」と渡され、レイチェルは出発した。

ダニエルを追う道中、レイチェルは再び不思議な空間に迷い込む。そこでレイチェルを観察していたグレイから「レイチェルは魔女である」と断定され、魔女裁判にかけられる。裁判では今まで対峙してきた殺人鬼が現れ、レイチェルの冷酷な本性を暴いていく。魔女と断定され火炙りの刑を宣告されたレイチェルは「私は魔女じゃない!」と主張を続け、ただザックに殺されることを一途に願い続ける。その様子を見たグレイはレイチェルという魔女の考えを理解し、ダニエルが持っている薬の在りかを教えた。
薬を手に入れたレイチェルはすぐさまザックの元に向かい、治療を行う。
治療が終わり、動けるようになったザックと共にレイチェルは次なるフロアB1に向かう。

レイチェルの真実

次なるフロアB1はごく普通の住宅に見える風景であった。ザックとレイチェルはフロアを進んでいき、リビングのような部屋に入ると、突如レイチェルは錯乱し、ザックに「殺して」と迫る。その最中にダニエルが現れ、ザックを部屋から締め出し「きみが『すべて』を知ることができたら、ここを開けてあげるよ」と伝える。
仕方なくひとりでフロアを探索したザックは、レイチェルこそがフロアB1の殺人鬼であるという真実を知る。
ザックはレイチェルとダニエルがいる部屋に戻り、ダニエルからレイチェルの正体を聞かされる。レイチェルはダニエルが神父グレイに頼んでフロアB1に在中するようになったが、あるとき聖書を読んでから心が壊れてしまったのだ。
すべてを知られてしまったレイチェルはザックに銃を発砲し、フロアに仕掛けられた罠をザックに向けながら逃げ回る。ザックは罠も銃も意に介さずレイチェルに迫った。レイチェルは聖書の影響でザックを神に見立てるようになっていた。ザックはレイチェルの認識を真っ向から否定し、「今お前の目の前にいるのは神ではなく俺だ」とレイチェルを叱咤し、レイチェルは目を覚ました。
二人は地上へ出るためさらに固い絆を結び、地上へ出るための階段を見つけ、上っていく。

決死行の果て

地上に出るための長い階段を上っている最中、ビルが崩れはじめ、レイチェルとザックは先を急ぐ。長い階段を上りきると、そこにはダニエルがいた。ダニエルはザックと共に逃げようとするレイチェルに憤りを感じ、銃でレイチェルを撃ってしまう。レイチェルは倒れて意識を失った。ザックはレイチェルを抱えてビルを出ようとする。ザックを阻もうとしたダニエルはグレイに矢で撃たれた。グレイはザックに「レイチェルはまだ生きている」「外に出れば助かるだろう」と伝えて二人を逃がした。
ビルの外には騒ぎを聞きつけた警察と救急隊が待機しており、ザックはレイチェルを助けるために警察に捕まった。レイチェルは救急隊に保護され、一命をとりとめた。
精神に異常が見られたレイチェルは殺人事件の生き残りとして医療施設に保護された。静かな日々を過ごしながらも、レイチェルはザックのことを忘れられずにいた。ザックに渡されたナイフを心のよりどころにしていたある日、ザックに死刑判決が下されたと聞かされる。
愕然とするレイチェルが夜、部屋で一人になると、なんと警察から逃げてきたザックが窓を破壊して現れた。レイチェルはザックの手を取り、ふたたび「私を殺して」と願う。
施設の職員が駆けつけた部屋には誰もおらず、開け放された窓の前にナイフが落ちているだけだった。

『殺戮の天使』の登場人物・キャラクター

レイチェル・ガードナー/レイ

CV:千菅春香
誕生日:6/10
身長:156㎝
血液型:AB型

本作の主人公で、13歳の少女。通称「レイ」。頭がよく、冷静沈着な性格の持ち主でどんなことにもさほど表情は変えない。
人間らしい感情を失っている。頭の良さを買われ、殺人鬼の青年「ザック」と行動を共にすることになる。
フロアB5でザックがダニエルを切りつけている様子を見たのがきっかけで、ザックに自分を殺してほしいと考えるようになる。

アイザック・フォスター/ザック

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