Maroon 5(マルーン5)の徹底解説まとめ
Maroon 5(マルーン5)とは、2001年にロサンゼルスで結成された7人組ロックバンド。Billboard Hot 100やBillboard 200で1位を獲得する等、出す曲が次々にヒットし、グラミー賞でも数多くの賞を受賞していることから「世界で最も売れたアーティスト集団」とも言われている。音楽のトレンドを上手く読み取り、自分たちの音楽に取り込む事で幅広い年齢層から愛されるグループである。
Maroon 5の概要
Maroon 5とは、2001年にアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで結成された7人組バンド。1994年にAdam Levine(アダム・レヴィーン)、Jesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)、Michael Madden(ミッキー・マデン)、Ryan Dusick(ライアン・デューシック)の4名が「Kara's Flowers(カーラズ・フラワーズ)」というバンド名で活動を開始する。2001年にメンバーの友人であったJames Valentine(ジェームス・ヴァレンタイン)が加入し、バンド名を「Maroon 5」に改名し活動を始める。2002年6月にリリースしたアルバム『Songs About Jane』は当初あまり注目されていなかったが、小さなライブハウスで地道に活動を続け、2004年9月にビルボードチャートで6位を獲得するロングヒットアルバムとなった。また、このアルバムで第47回グラミー賞の最優秀新人賞など数々の賞を受賞し、一躍有名となった。日本でもこのアルバムから2曲がCMに使われ、彼らの名が知れ渡った。
2007年3月にアルバム『It Won't Be Soon Before Long』からの1stシングル『Makes Me Wonder』をアメリカでリリースすると瞬く間にBillboard Hot 100で1位を獲得し、第50回グラミー賞最優秀ポップ・パフォーマンス賞をも受賞した。更にこのアルバムは、Billboard 200で初登場1位を獲得し、Maroon 5は世界的なバンドとなった。
自分達のサウンドに捉われず、時代の流れを読みつつ最近の流行りの音楽を俊敏に取り入れるバンドスタイルが長年続く彼らの人気の秘訣である。
Maroon 5の活動経歴
1994年〜1999年:Kara's Flowers(カーラズ・フラワーズ)時代
1994年、ロサンゼルスのブレントウッド・スクールに通う、Adam Levine(アダム・レヴィーン)、Jesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)、Michael Madden(ミッキー・マデン)、Ryan Dusick(ライアン・デューシック)の4人がバンド「Kara's Flowers」を結成する。当時はパワー・ポップ志向の音楽性だった。
1995年9月にロサンゼルスの伝統的なライブハウスに出演した事をきっかけにライブ活動が地元で評判を呼ぶようになる。あるライブでRob Cavallo(ロブ・カヴァロ)(Green Day(グリーン・デイ)のメジャー・デビュー後のアルバムを手掛けたプロデューサー)と出会う。ロブの後押しで、ワーナー・ミュージック・グループのリプリーズ・レコードと契約を交わす。1997年7月にロブのプロデュースで、1stシングル『Soap Disco』をリリースする。続けてアルバム『The Fourth World』を8月にリリースしたり、ドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』にバンドとして出演も果たしたが人気になる事はなかった。商業的な成功は得られず、アルバムは僅か半年で廃盤となる。ヒットを生み出せない事から1999年には所属レコード会社を去ることとなる。
1999年~2001年:James Valentine(ジェームス・ヴァレンタイン)が加入し「Maroon 5」の誕生
バンド活動が停滞してしまった彼らは、それぞれ大学へ進学する。Michael Madden(ミッキー・マデン)とRyan Dusick(ライアン・デューシック)はカリフォルニア大学ロサンゼルス校へ、Adam Levine(アダム・レヴィーン)とJesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)はニューヨーク州ロング・アイランドにあるファイブ・タウンズ・カレッジへ通った。ファイブ・タウンズ・カレッジの学生の大半が黒人で占められていたこの大学で、Adam Levine(アダム・レヴィーン)はブラック・ミュージックに出会い、大きく音楽的な影響を受ける。ベースとしていたポップスにR&Bを融合させたオリジナル・サウンドを見出し、自分の音楽を追求していった。その後、Adam Levine(アダム・レヴィーン)とJesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)は大学を中退して西海岸へ戻り、Michael Madden(ミッキー・マデン)やRyan Dusick(ライアン・デューシック)と共に再びバンド活動を再開させた。作成したデモ・テープが、当時ニューヨークを拠点に新たに設立されたレコードレーベル、オクトーン・レコードに注目され、2001年4月に契約を結ぶことに成功した(彼らが契約第1号となった)。その直後、友人であるJames Valentine(ジェームス・ヴァレンタイン)が加入し、バンド名を「Maroon 5」と改名した。
2001年~2005年:『Songs About Jane』のロングヒット
オクトーン・レコードと契約を果たした2001年から、プロデューサーのMatt Wallace(マット・ウォレス)とロサンゼルスでレコーディングを開始し、ロックにヒップホップのエッセンスを融合させた『Songs About Jane』を完成させた。
アルバムはアメリカで2002年6月にリリースしたが、発売当初はほとんど注目されなかった。Kara's Flowers時代で失敗した経験があるため、デビューアルバムが注目されない事に関してメンバーは不安を感じていたが、アルバム収録曲『Sweetest Goodbye』が映画『ラブ・アクチュアリー』の劇中歌として使用され、次第に人気になっていった。他にも、人気のアーティストであるMichelle Branch(ミシェル・ブランチ)やJohn Mayer(ジョン・メイヤー)、などの前座を務めるようになり、全世界にバンド名が知れ渡るようになっていった。アルバムの中でも最初のヒットシングルとなった『This Love』は中毒性のあるリズムで人気となり、アメリカのBillboard Hot 100で最高5位を記録した。第2のヒットシングルとなった『She Will Be Loved』は彼女に対して愛を捧げる彼の言動に関して歌った曲であり、Billboardチャートで5位を記録した。曲以外でも「ガールフレンドの母親と恋に堕ちてしまう」という強烈な内容のMVも話題となりMTV ASIA AIDSで最優秀ビデオ賞を受賞した。
アルバムは、最終的には2004年9月のBillboardチャートで6位となり、発売から2年以上経てのTOP10入りは音楽セールスの集計史上、最も長い時間をかけてランキング入りをしたアルバムとなった。
日本でも2004年9月から10月にかけて初来日公演が行われたり、CMソングに起用された事で日本での知名度を上げていった。9月には来日記念盤として『1.22.03.ACOUSTIC』をリリースした。
ロングヒットとなった『Songs About Jane』はトータル・セールス1,000万枚を記録し、バンドは「第47回グラミー賞」最優秀新人賞などを受賞した。なお彼らは翌年もベスト・パフォーマンス・グループ賞を受賞し、2年連続でグラミー賞を受賞した。アルバム発売当初に抱いていた不安が払拭されたデビューアルバムの評価となった。
2006年:Ryan Dusick(ライアン・デューシック)の脱退
ドラム担当のRyan Dusick(ライアン・デューシック)は少年時代に野球で腕に怪我を負ったことがあり、2003年後半からツアーが続く生活の中で腕に痛みが生じるようになった。その事が原因で2004年早期にライブ活動から離脱する事となった。バンドはサポート・ドラマーを雇う形でツアーを続行した。Ryan Dusick(ライアン・デューシック)はコーラスに参加するなどしてツアーには同行していた。しかし腕の痛みは治まらず、バンドに支障をきたすと思ったRyan Dusick(ライアン・デューシック)は2006年9月に脱退を表明する。そこでサポート・ドラマーだったMatt Flynn(マット・フリン)が正規メンバーとなり新体制となる。
2005年~2009年:『It Won't Be Soon Before Long』 で全世界に知れ渡るバンドへ
『It Won't Be Soon Before Long』は前作のゆったりしたサウンドと対照的な曲を多く使用した。 Billboard 200初登場1位を獲得し、アメリカのiTunes Storeでは2007年の年間ダウンロード・アルバム・チャート1位になった。アルバム収録曲の中の『Goodnight Goodnight』は、アメリカのTVドラマ『CSI:ニューヨーク』の第5シーズンでメンバーが出演した際にドラマの中で披露し知名度が上がり人気となった。2007年3月にアルバムからの1stシングル『Makes Me Wonder』をアメリカでリリースした。『Makes Me Wonder』はBillboard Hot 100で初登場84位だったが、4週目には1位を獲得し、バンド初の全米No.1獲得シングルとなった。特にダウンロード配信では約10万2000件ものダウンロード記録を作り、その記録が示すように米国iTunesの2007年最多配信アルバムとなった。2007年6月には2度目の日本公演を東京と大阪で開催した。2007年8月からはアルバム収録曲の『Won't Go Home Without You』がトヨタ自動車「ヴィッツ」CMソングに起用され、日本での彼らの知名度が上がっていった。2008年3月には再び日本公演を開催し、日本武道館の追加公演を含む5公演を行った。彼らは全世界で着実に有名なバンドとなっていった。
2009年~2011年:『Hands All Over』 の製作がターニングポイントとなる
2009年頃からスイスで3rdアルバムのレコーディング開始する。2010年6月にアルバムからの先行シングル『Misery』を配信リリースし、Billboard Hot 100最高14位にチャートインした。既に日本でも人気があり、メンバーはアルバム発売に先駆けて来日し、日本のメディアに数多く出演して日本のファンを喜ばせた。そしてアルバム『Hands All Over』を9月15日(アメリカでは9月21日)にリリースし、日本独自企画のCDシングル『コンパクト・ベスト マルーン5』も同時リリースした。シングル収録曲の『Won't Go Home Without You』はアサヒビール「アサヒスタイルフリー」のCMソングに起用された。CMで流れる事により、幅広い世代から愛される曲となった。アルバムはオリコンアルバムチャート初登場3位、Billboard 200初登場2位を記録した。また、全国のCDショップ店員の投票で選ばれる「第3回CDショップ大賞」洋楽賞を受賞した。様々な賞を獲った今作はアメリカ、イギリス、日本でゴールドレコードに認定された。 2011年6月に、タレントオーディション番組『ザ・ヴォイス』で、Adam Levine(アダム・レヴィーン)がChristina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ)と番組の審査員として共演し、そこで披露したコラボレーション曲の『Moves Like Jagger』が大ヒットした。Billboard Hot 100初登場8位を記録し、2007年発表の『Makes Me Wonder』以来のチャートTOP10入りとなった。その後、リリースから3ヵ月後の9月にBillboard Hot 100で1位となり、18ヶ国でチャート1位を獲得した。この大ヒットが彼らにとって別の才能と融合する事へのターニングポイントなった。
2011年~2013年:『Overexposed』 で外部との音楽の融合に確信する
2011年から4thアルバムの制作に取り掛かっていたが、2012年3月にキーボードのJesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)が音楽的追求と休暇に時間を費やすため、バンドから一時離脱した。臨時メンバーとしてPJ Morton(PJ・モートン)を加えてアルバム制作を続行する事にした。2012年4月、Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)をフィーチャーしたアルバムからの先行シングル『Payphone feat. Wiz Khalifa』を配信リリースした。『Moves Like Jagger』で初めて他のアーティストと仕事をした事をきっかけに、他のサウンドと自分達の音楽の融合に更に挑戦してみたいという気持ちから制作に至った。その結果、Billboard Hot 100で最高2位を記録した。全英シングルチャートでは、バンド初の全英No.1獲得曲となった。
同年6月に彼らのアルバムの中で今までの作品に比べると多様性がある『Overexposed』を発表した。オリコンアルバムチャート最高5位を記録し、Billboard 200と全英アルバムチャートでは共に初登場2位を記録した。また、国際レコード・ビデオ製作者連盟(IFPI)が発表した「2012年の世界的ベストセラーアルバム」第10位となり、「iTunes Best of 2012」Pop ベストアルバム部門も受賞した。2012年10月には、日本武道館で一夜限りの日本公演を開催した。
2013年~2016年:『V(ファイヴ)』で音に多様性を取り入れていく
2013年4月、5枚目となるアルバム制作に取り掛かっていることを発表した。2014年5月、レコードレーベルをインタースコープ・レコードへ移籍し、5thアルバム『V(ファイヴ)』を9月に発売することを発表した。今作ではMax Martin(マックス・マーティン)やBenny Blanco(ベニー・ブランコ)といった複数のプロデューサーを起用しており、多様性のあるアルバムとなった。また、前作制作中にバンドから一時離れたJesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)が本作から復帰した。6月には先行シングル『Maps』を配信リリースした。5thアルバム『V(ファイヴ)』のリリースで、メンバーはプロモーション活動のため来日し、2015年9月に横浜アリーナで日本公演を開催した。9月にはキャリア初となるベスト・アルバム『Singles』をリリースした。
2017年~2020年:『Red Pill Blues』でR&Bを取り入れた新しいサウンドを披露する
この年代のアメリカの音楽シーンは、ヒップホップ、R&B系アーティストたちの楽曲がチャート上位にひしめき合っている状態になっていた。しっかりとした芯がありつつ、いろんなものを組み込んでいきたいという指向があった彼らは、ジャンルを越えてコラボレーションをしていった。自分たちのサウンドに吸収し、柔軟に対応して完成させたのが2017年11月に発売した6thアルバム『Red Pill Blues』である。メンバー曰く「本作のサウンドは、現在のヒップホップやR&Bから影響を受けている」とのこと。今作のR&Bの要素とは、大学時代にAdam Levine(アダム・レヴィーン)とJesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)が出会った「ブラック・コンテンポラリー」と言われていた黒人音楽のR&Bではなく、「コンテンポラリーR&B」と言われるボーカルアレンジメントや電子的な音楽の影響を受けているR&Bを取り入れたのものである。その結果本作は、アメリカの総合アルバムチャートで初登場2位を記録するなど、大ヒットした。
Maroon 5のメンバー
現メンバー
Adam Levine(アダム・レヴィーン)
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目次 - Contents
- Maroon 5の概要
- Maroon 5の活動経歴
- 1994年〜1999年:Kara's Flowers(カーラズ・フラワーズ)時代
- 1999年~2001年:James Valentine(ジェームス・ヴァレンタイン)が加入し「Maroon 5」の誕生
- 2001年~2005年:『Songs About Jane』のロングヒット
- 2006年:Ryan Dusick(ライアン・デューシック)の脱退
- 2005年~2009年:『It Won't Be Soon Before Long』 で全世界に知れ渡るバンドへ
- 2009年~2011年:『Hands All Over』 の製作がターニングポイントとなる
- 2011年~2013年:『Overexposed』 で外部との音楽の融合に確信する
- 2013年~2016年:『V(ファイヴ)』で音に多様性を取り入れていく
- 2017年~2020年:『Red Pill Blues』でR&Bを取り入れた新しいサウンドを披露する
- Maroon 5のメンバー
- 現メンバー
- Adam Levine(アダム・レヴィーン)
- James Valentine(ジェームス・ヴァレンタイン)
- Jesse Carmichael(ジェシー・カーマイケル)
- Michael Madden(ミッキー・マデン)
- Matt Flynn(マット・フリン)
- PJ Morton(PJ・モートン)
- サム・ファーラー(Sam Farrar)
- 元メンバー
- Ryan Dusick(ライアン・デューシック)
- Maroon 5のディスコグラフィー
- スタジオ・アルバム
- Songs About Jane
- It Won't Be Soon Before Long
- Hands All Over
- Overexposed
- V(ファイヴ)
- Red Pill Blues
- ライヴ・アルバム
- 1.22.03.ACOUSTIC
- マルーン5 ライヴ!(Live – Friday the 13th)
- コンピレーション・アルバム
- Singles
- リミックス・アルバム
- Call And Response: The Remix Album
- Maroon 5の代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- Sunday Morning
- Won't Go Home Without You
- She Will Be Loved
- This Love
- Moves Like Jagger
- Sugar
- Don't Wanna Know
- What Lovers Do
- Maroon 5の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- Maroon 5のバンド名の由来はトップシークレット
- ヨガをリラックス方法として取り入れているAdam Levine(アダム・レヴィーン)
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