新世界より(From the New World)のネタバレ解説・考察まとめ

『新世界より』は2012年10月からテレビ朝日系列で放送されたSFアニメである。全25話。原作は貴志祐介の同名の小説であり、テレビアニメの内容は原作をほぼ忠実に再現している。
舞台は人類が「呪力」と呼ばれる超能力を身につけた1000年後の世界。12歳の少女・渡辺早季が同級生と共に禁断の知識に触れたことで少しずつ平和が歪んでいく様子が描かれる。物語は早季たちが12歳・14歳・26歳の時期の3部で構成されている。

伊東 守(いとう まもる)

声 - 工藤晴香(12歳)、高城元気(14歳)
繊細な心故に儚げな精神の持ち主。友愛園出身。呪力を用いた絵画の名人であり、これによって真理亜への恋心を表現していた。

青沼 瞬(あおぬま しゅん)

声 - 藤堂真衣(12歳)、村瀬歩(14歳)
早季の幼馴染。非常に聡明で大人びている、面倒見の良い少年。物語開始以前から早季に好意を持っている。
14歳の時、急に恋人だった覚と別れ、仲の良かった一班の生徒を避けはじめる。

スクィーラ / 野狐丸(やこまる)

「塩屋虻コロニー」の奏上役を務めているバケネズミ。人間に対する態度は極めて卑屈。後に人間から「野狐丸」という漢字名を授けられる。弁が立ち非常に頭が切れるが、目的のためには手段を選ばない狡猾さが目立ち、早季や覚に不信感を抱かれている。
何らかの野心を秘めているらしく、早季たちを利用し塩屋虻のトップに立ってから旧弊的な体制や風習を次々と改革し、コロニー間の融合を推し進めることにより勢力を拡大していく。

奇狼丸(きろうまる)

声 - 平田広明
「大雀蜂コロニー」の総司令官であるバケネズミ。他のハゲネズミたちとは容姿が異なり、人間に近い大柄で逞しい体格に鬣を生やしている。勇猛で戦士としても指揮官としても優れた力を有しているが、保守的な価値観のために野狐丸と敵対するようになる。

悪鬼(あっき)

バケネズミに育てられた人間。かなり知能が低く、幼い。人間を敵対視している。真理愛と守の子供と推測される。

『新世界より』の用語

呪力

人間なら生まれながらにして誰しもに備わっている超能力。脳内のイメージを具現化することができ、そのエネルギーには原則としてリミットはない。しかし、実行には脳内で明確なイメージを描く必要があるため、「誰もが常にどんな現象でも起こせる」というわけではない。呪力の発現は、おおむね12歳を迎える頃で、"祝霊(しゅくれい)"と呼ばれるポルターガイスト現象が契機となる。

愧死機構(きしきこう)

人間の遺伝子に組み込まれた強制的かつ強力な攻撃抑制機能。サイコキネシスを持った人間が、集団で社会生活を営むために必要不可欠なものとされている。同種である人間への攻撃を企てていると脳が認識すると、無意識にサイコキネシスが発動。腎臓および副甲状腺の機能を停止させる。これによって不安、動悸、発汗などの警告発作が起き、なおも攻撃を続行した場合、低カルシウム血しょうによる発作で窒息死するか、カリウム濃度の急増により心停止に至る。

悪鬼(あっき)

呪力を持った者の中で、同族である人間に危害を加える可能性のある存在。150年前から伝えられている説話として繰り返し学校で教えられているが、それは単なる作り話ではない。実例として、これまで全世界で30近い症例が記録されていて、そのうち2例を除いてすべてが男子であるという。最大の特徴は、人間すべてに備わっているはずの攻撃抑制と愧死機構がないということ。そして、相手から反撃を受けるかも知れないという恐怖から、周囲の人間を皆殺しにするまで先制攻撃をかけ続けるという。また、脳内で分泌される快楽物質のため、酩酊したような状態となり、大量殺人を止められなくなるという説もある。

業魔(ごうま)

呪力を持ちながら、己の業(ごう)から“人間ではないもの”へと変化した存在。漏れ出した呪力が周囲の生き物や環境にまで影響を及ぼすといわれる。

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