新世界より / From the New World

『新世界より』は、2012年10月から2013年3月までテレビ朝日系列で放送されたSFアニメ作品。原作は、映像化不可能と言われた貴志祐介の同名小説で、日本SF大賞を受賞した壮大なストーリーとなっている。物語は、主人公の渡辺早季と同級生たちの12歳・14歳・26歳を描いた3部構成となっており、大人になった早季が語り手として手記を読む形で進んでいく。舞台は、人類が「呪力」と呼ばれる念動力を持つ、1000年後の日本。自然豊かな町で育った早季は12歳で呪力が発現し、呪力を学習するための「全人学級」に入学する。平和な日々を過ごしていた早季だったが、同級生5人と行った夏季キャンプで、大人によって隠されてきた禁断の歴史に触れてしまう。そして、人類と共存してきたはずのバケネズミと呼ばれる異類による大規模な抗争が勃発する。人類と異類との争いに巻き込まれながらも、真実と向き合い未来に立ち向かっていく早季の強い姿が描かれている。

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新世界より / From the New Worldのレビュー・評価・感想

New Review
新世界より / From the New World
7

人を選ぶが考えさせられる

「新世界より」の元となった小説は読んだことがあるのですが、小説でも何と言うか、胸がモヤモヤさせられる部分がたくさんありました。モヤモヤはするけれどもとても考えさせられる…現実を生きる私達にも何か共通していて、完全なるフィクションとは思えない、そんな内容に感じていました。
映像の「新世界より」はキャラクターがとても可愛い。あと声優さんが歌う歌も綺麗で好みでした。でも内容は小説の時以上にモヤモヤしたものを私の中に残しました。特にスクィーラです、さすが浪川さん…と思いました。話し方の独特さがまた恐ろしい何かを感じさせました。実力者揃いの声優さんばかりだったので、絵は可愛いし映像は綺麗なのに観ているものを不安にさせるんです。音楽も不気味な雰囲気出していました。
ネズミ達の反乱の場面はとにかく怖くて、救いのない気持ちになりました。ファンタジーであり得ない話なのに、なぜか自分の身にこんなことが起きたら恐ろしいな、なんて感情移入してしまったりもして。最後まで見てもスッキリできない内容でした。自分と同じ人間の姿をしてはいる主人公達よりも、私はネズミ達に感情移入してしまうと言うか…。覚の最後の言葉もぞくっとしました。