お姉ちゃんが来た(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『お姉ちゃんが来た』とは安西理晃による漫画作品。2014年にはアニメ化もされている。父親の再婚によって新しく出来た姉の過剰な愛情に振り回される主人公、水原朋也の日常を描いた作品である。日本ではまだ理解の浅いステップファミリー(子連れ再婚家庭)が題材となっており、新しい家族と壁を作っていた朋也が徐々に心を許し打ち解けていく反面、これまで見ず知らずの他人だった人間と「家族」になる難しさも描いており、テーマの深さも垣間見える作品となっている。

藤咲美奈(ふじさきみな / CV:木戸衣吹)

朋也のクラスメイト。
学年一の美少女で、朋也は彼女に片思いをしている。

朋也が弁当を忘れたため教室まで届けに来た一香にクラスの人気を奪われた事で敵対意識を持ち、一香が大好きな朋也に近付いて自分に気を向かせるよう仕向けるなど一香に対して嫌がらせを行うようになる。
なお、その行動が一香にとって彼女は朋也に好意を抱いていると誤解される結果になり、一香からは「朋くんを好きな女子」の略称で「好子ちゃん」と呼ばれている。

かつて同級生に外見を理由に拒絶された過去があり、外見を磨く事で人気者となった。

自身の水着姿を自慢するため男子を引き連れてプールに現れるなど、異性に対して「いい顔」を見せているが、基本的に自分がチヤホヤされたいという欲求を満たす事にしか興味がないため、男子には心を許していない(朋也、美鶴、孝喜は数少ない例外である)。
一方、男子からの人気を得る事にしか興味のない態度や振る舞いによって女子からは嫌われており、サンタへのクリスマスプレゼントのお願いとして「同性からの支持が欲しい」と密かに願うなど、心の奥では孤独感を抱えている。

学校やプールと自分のいるところに現れては男子の人気を奪う「邪魔」しかしない一香に対して怒りを爆発させるが、普段見せないような自分の表情や態度を見ても朋也が態度を変えなかった事で、彼へに対する態度を改め「水原にはもっと優しくしてあげようかな」と、本当の友達になることを目指している。
朋也経由で知り合った美鶴に関して、自分に一切興味を示さない(美鶴は年上好きで同年代の女子に興味がない)事にイラつきながらも、それなりに親しい付き合いをしている。
早坂孝喜の事が好きであり、朋也と友人になった彼に近付くため朋也達と行動を共にする事が増えている。

肝心の孝喜からは「朋也の友人」程度にしか認識されていないものの、これまで友達らしい友達が一切いなかった事もあって朋也達と一緒に遊ぶ時は嬉しそうにしている。

早坂ルリ(はやさかルリ / CV:南央美)

一香の友人で、孝喜の姉。あだ名好きの一香に命名されたあだ名の「ルリルリ」で普段は呼ばれている。

大人しそうな外見だが、弟の孝喜に対して殴る蹴るの暴行を加えるなど完全に武闘派で正義感も強い。

孝喜が姉(ルリ)に対する愛情を隠さない、いわゆるシスコンであるように、彼女もそれなりにブラコンであり、買い物のため帰りにコンビニなどに立ち寄った際はお互いに姉(弟)のためにお土産を買って帰るなどお互いに世話を焼いている。

名前の由来は、アニメ『機動戦艦ナデシコ』の登場人物のホシノ・ルリであり、声優もホシノ・ルリと同じ南央美が担当している。

望月マリナ(もちづきマリナ / CV:井上麻里奈)

一香の友人で、あだ名好きの一香に命名されたあだ名の「マリナっち」で普段は呼ばれている。

胸が大きく、何気ない会話や男子の視線など本人が悪くないところでマリナの胸に嫉妬した一香やルリに胸を引っ叩かれる(通称「乳ビンタ」)など、理不尽な扱いを受ける事が多い。

容姿端麗な金髪だが、ロシア人とのクォーターであり、再従兄弟(はとこ)の総一郎に恋をしている。

なお、その総一郎はアニメの世界に生きる事を公言する重度のオタクであり、いわゆる「残念なイケメン」だったため、マリナから総一郎を紹介された朋也と一香は、総一郎がイケメンである事を認めつつも「マリナっち(さん)趣味悪」と、マリナにも総一郎にも若干失礼な印象を抱いていた。

花園美鶴(はなぞのみつる / CV:小林ゆう)

朋也の隣の家に住む幼馴染で、朋也とはお互いに親友と呼び合う関係。

クリスマスには親のいない朋也を自分の家のパーティに誘うなど付き合いはかなり前からあるようで、朋也は母親を亡くして泣いていた自分の心の支えになってくれた事を強く感謝している。

お世辞にもイケメンとは言えず、むしろ地味な外見で一香からは普通だから「ふつ男くん(仮)」と命名されている。最初は仮称だったが、すぐに(仮)は消え、一香が美鶴を呼ぶ際のあだ名として「ふつ男くん」が定着するようになった。
なお、彼の母親は見た目が若く、全く美鶴に似ていないが、彼の母方の祖母はかなり美鶴に似ており、親を飛ばして祖父母から外見が遺伝した、いわゆる隔世遺伝である。

イケメンとは程遠いルックスにも関わらず、自分のことを美少年と呼ぶなどキザな性格で、当然ながら周囲の女子からは相手にもされていないが、成績優秀(学年20位以内)で、運動もそれなりに得意という文武両道の人間である。
また、気難しい性格の孝喜や藤咲とも馴染んでおり、コミュニケーション力も高いなど、顔は地味だが相当に高いスペックを持っている。

誰とでも仲良く出来るコミュニケーション力の高さからどんなキャラクターとも絡ませられるだけでなく、文武両道というスペックの高さからどんな場面で出しても活躍してくれる万能キャラであるため、作者の目線で見れば非常に使い勝手がいいキャラクターである。
そのため、美鶴を登場させる事で話を動かしやすくなり出番も多い。

早坂孝喜(はやさかこうき / CV:富樫美鈴)

ルリの弟で、成績優秀なイケメン。

バレンタインには大量のチョコを貰う人気者だが、彼自身は姉のルリ以外の異性に興味はなくバレンタインのチョコも差出人が特定出来る範囲で返している。

自身は認めていないが、それなりに重いシスコン(口コミで聞いた姉が攻略対象の恋愛ゲームをプレイした結果見事にはまり、朋也に対してゲームと姉の魅力を熱く語り、朋也にも姉の魅力を分かって貰うためゲームを貸そうとしたが、姉への熱意が強すぎる余り朋也から引かれ「もぉいいです」と断られるレベル)である。
また、殴る蹴るなどの暴行(彼らにとってのコミュニケーションの一部)をルリから日常的に受けた結果マゾになり、色々な意味で危険な姉との関係を朋也から心配されているが、暴行も姉とのスキンシップと捉えており、全く気にしていない。
他者に対しても、喧嘩をしている=仲がいいと認識しているため顔を合わせては喧嘩をする一香と藤咲を仲がいいと思っており、公共の場で周囲の人間に迷惑が掛からない限り二人の喧嘩を止めようとしない。

自分と姉の関係を理想の姉弟関係と思っているため、姉から暴行を受ける事なく甘やかされている朋也に対していい感情を持っておらず、仲良くしてあげてというルリのお願い(命令)で仕方なく朋也や美鶴と友達になるが、彼らと一緒に遊ぶうちに打ち解け、良好な友人関係を築いている。

水原夕子(みずはらゆうこ / CV:森沢芙美)

一香の実母で、正也と再婚した事により朋也の新しい母親となる。

常に笑顔で温和な雰囲気の女性だが、怒ると恐く、明らかに普段とは雰囲気が変わる。

ニンジンが嫌いで頑なに食べようとしなかった一香と朋也に意地でもニンジンを食べさせるため、ルリにお願いしてニンジン入りクッキーを作って差し入れに持って来て貰い二人に食べさせるなど、彼女を怒らせると恐いエピソードも少なくない。

正也とすぐに打ち解けた一香とは対照的に、未だに敬語で接するなど自分との間に壁を作っている朋也との接し方に悩んでいる。

水原正也(みずはらまさや / CV:浜田賢二)

朋也の実父で、美容院の店長をしている。

仕事柄帰りが遅く、朋也は一人で食事をしたり、美鶴の家にお世話になったりするなど父親が側におらず淋しい思いをしており、正也自身朋也に対して申し訳ないとも思っていた。

人望はあるようで、クリスマスでは家族と過ごして欲しいというスタッフの強い希望から早く帰らせて貰い、久し振りに家族と過ごすクリスマスを楽しんでいた。

藤総一郎(ふじそういちろう / CV:髙橋孝治)

マリナが恋している再従兄の青年。

ロシア人と日本人のハーフで金髪のイケメン。
マリナから話を聞いていた友人の一香を街で見掛け英語で話し掛けた事で接点を持つが、流暢な英語で返す一香と違い英語は苦手で、自分がハーフである事を明かしてからは日本語で普通に話している。

優しい性格のイケメンで異性の注目を一身に浴びる(今日こそ告白しようと狙っている女子が多数いる)が、2次元に生きる重度のオタクで、総一郎が友人とのアニメトークで盛り上がる様子を見た瞬間に告白しようとしていた女子は引いて彼から去っていく。

また、一香に興味を持ったきっかけは、彼女が『アイドルプリンセス(通称アイプリ)』というゲームに登場する「みのり」というキャラクターに似ていたからで、一香に対してみのりのコスプレをして欲しいとお願いするも即答で拒否された。

オタクになったきっかけは、ハーフで目立つ外見故に「外人」といじめられ、その逃げ場として心の拠り所としたのがアニメだったためである。
その結果重度なアニメオタクとなり、アニメの魅力を根気強く周囲に語り続けた結果、朋也もアイプリにはまり、総一郎とコアなアニメトークに興じるなど「布教」に成功している。

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