東亰ザナドゥ(Tokyo Xanadu)のネタバレ解説・考察まとめ

「東亰ザナドゥ(Tokyo Xanadu)」とは、日本ファルコムより発売されたPlayStation Vita専用のアクションRPGである。主人公の高校生・時坂洸が、ヒロインの同級生・柊明日香と出会い、謎の世界「異界」に挑んでいく物語を描いている。日本ファルコムを代表とする人気ファンタジーRPG「イース」「空の軌跡」とは一風変わって、現代の日本を舞台にしたストーリーと世界観が大きな特徴となっており、ファルコムの新たな時代展開を象徴する一作として注目を集めている。

玖我山璃音(クガヤマ リオン)

CV:沼倉愛美

杜宮学園高等部2年生で、新進気鋭の5人組アイドルグループ「SPiKA(スピカ)」のメンバーのひとり。台詞表記は「リオン」で、薄紫の髪にリボンでくくったポニーテールが特徴的。

普段は気さくで明るくノリが軽いが、かなりの努力家で歌をこよなく愛しており、アイドルとしての自分磨きに余念がない。
ある時、レッスンに遅刻なりそうになったのに慌てるあまり、事務所のパスであるIDカードを落としてしまったところを洸に拾われ届けられたことで面識を得る。そこで感謝のお礼も兼ねて洸に売り込みをかけようとしたが、アイドルに興味も関心もなかったが為に「へー」程度で全く認知されていないことに凹まされる。しかし、この洸の認知のなさもアイドルとしての自分の努力不足だと前向きに受け取り、洸にもSPiKAのことを知ってもらおうと歌のデータが入った音楽メディアを強引に手渡した。

幼い頃、東亰震災で生死の境を彷徨うほどの重傷を負い、動かなくなった自分の手足を見て絶望し、生きることすら放棄しかけていた。そんな時、自分がいる病室のテレビに映し出された一生懸命に歌うアイドルたちの姿に勇気付けられたその瞬間、奇跡的な回復を遂げた。しかしその回復力の源は、「生きたい」という璃音自身の願いにより引き寄せられたグリムグリード「絶架ノ熾天使」に寄って異界の力と同化し、半分が怪異のような存在となった「天使憑き」という状態になったことによるものだった。その天使憑きに目をつけた御厨によって力を利用され、「生きたい」と願ったことを涙ながらに激しく後悔するも、洸や「SPiKA」のメンバーたちからの温かい言葉で立ち直る。そして、適格者として覚醒を果たし、人間としてアイドルとして生きることを改めて誓った。

こうした経緯の後にX.R.Cに参加するまではストーリーの中で洸の前に度々登場し、異性としてどこまで本気でいるのかわざと洸と腕を組んでわざとデートっぽくしようとしたり、変な噂を流したりと度々彼を振り回していた。しかし一方で璃音自身も、良くも悪くもジャストタイミングで度々現れる洸に感情を乱しがちとなっている。

佐伯吾郎(サエキ ゴロウ)

CV:森川智之

杜宮学園に英語担当の臨時教師として赴任してきた男性。台詞表記は「ゴロウ」。
温厚で爽やかな人柄で、ルックスも整っており眼鏡がよく似合う美男で、さらに公私の区別もしっかりとつけていて頼り甲斐もあることから、欠点らしい欠点のない人物。
そのため、よく女子生徒から熱い目線を受けており、英語の授業ではあちこちから(主に女子の)熱っぽい溜め息が聞こえ、指名されるのを待ち望んでいる女子たちが多いほどである。一方で男子生徒からは最初はやっかみがられていたが、男女分け隔てなく気さくに接したことから男子からも信頼を寄せられるようになる。

蓬莱町にあるマンションで一人暮らしをしていて、さらに酒と煙草を共に嗜んでおり、洸のアルバイト先のひとつであるカフェバー「N」が行きつけとなっている。
また、X.R.C発足前後、白装束の人物と何度も一緒にいる場面が描かれ、何らかの目的をもって暗躍する様子を見せ始める。さらにストーリーの終盤で杜宮市の各所で勃発した異変の現場に度々現れ、それにまつわるメモが自宅で発見されるなど不審な点が散見していった。

その正体は日本が第二次世界大戦後に結成した軍事組織「国防軍」の軍人で、適格者のみで構成された対異界特殊部隊「イージス」の指揮官であり、東亰震災の元凶の眷属である「夕闇ノ落し子」の居所の特定と討伐が目的だった。
さらにその東亰震災が起きた10年前、幼馴染で恋人のフタバと共に東亰の大学に合格し、新生活を夢見て東亰にやってきた。そして運悪く東亰震災に巻き込まれ、さらにエルダーグリードの襲撃を受け、目の前でフタバを失ってしまうという悲劇に見舞われる。その後、国防大学からのスカウトに応じて編入試験を受け、フタバのような悲劇を繰り返さないために軍人としての道を歩み始めた。

サブキャラクター

倉敷栞(クラシキ シオリ)

CV:茅野愛衣

洸のクラスメイトで、彼の家の隣に住む幼馴染の少女。台詞表記は「シオリ」。
杜宮学園で洸たちと普通の高校生活を送っていたが、ある日、突如として発生した異界化事件に巻き込まれ、これが洸が適格者として覚醒し、杜宮で頻発する異界化事件に洸が身を投じていく切っ掛けとなってしまった。

洸の両親から世話を任されており、朝起こしに来たり食事や差し入れを作って届けてくれる世話女房みたいな存在となっている。そのため、洸と並んで「おしどり夫婦」と言われることが多いが、全く気にしていないらしく、照れる様子を見せたためしはない。
ちなみに駅前広場の本屋の店長を父に持っており、そのためか読書が趣味で、放課後は図書室で本をよく読みに来ている。

しかしその正体は10年前の東亰震災を引き起こした「夕闇ノ使徒」と融合して誕生したグリムグリード「冥禍ノ神姫」で、本物の倉敷栞は東亰震災で幼い洸の目の前で崩落する建物に押しつぶされて死亡している。その死の間際、洸の絶叫を聞いたことで彼の心が絶望で壊れることを恐れ、「これが全部嘘でありますように」という願いを偶然にも聞き入れた夕闇ノ使徒の因果を操る力を受け入れた。これにより、杜宮市限定で「栞が生きている」という情報に改竄されてしまい、本作で起きた全ての異界事件の元凶となってしまう。そして本作の物語が進んでいくにつれて、時空に影響を与えて異界化を頻発させるほど大きくなってしまった嘘を真実のものにするために、動き出していく。

伊吹遼太(イブキ リョウタ)

CV:阿部敦

洸のクラスメイトで、彼の中学時代からの悪友。台詞表記は「リョウタ」。
洸や栞とも幼馴染の関係にあたり、純も含めてクラス内でよく4人でつるんでいることが多い。また、剣道部に所属しておりそこそこ腕に覚えがあるが、あまり部活には参加していない幽霊部員で、実家の八百屋の手伝いをしている。

ノリが軽い女好きのお調子者で、青春を謳歌するために彼女を作ろうと奮闘中だが、結局空回りに終わることが多い。ちなみに「SPiKA」の熱狂的ファンのひとりで、ミニライブなどのイベントがあればすぐさま飛びついて行くほどである。

小日向純(コヒナタ ジュン)/ 白装束(シロショウゾク)

これが普段の純の姿。軌跡シリーズのヨシュア・ブライトにも負けないくらいの中性的な容貌で、遼太も含めた多くの男が女と勘違いして告白したりナンパしてきたりしたこともあった。

そしてこれが、刻印騎士としての純の姿。声が変わっていることも含めて最終話の学校での戦いまではその正体はわからず、彼が純であったというシーンを目の当たりにして驚いたプレイヤーは少なくないだろう。

CV:伊藤かな恵

洸のクラスメイトで、彼とも仲がいい友人。台詞表記は「ジュン」。
普段は大人しく穏やかだが、思ったことはハッキリと言う性格。女の子と見間違えるほどの中性的な外見を持つ美少年で、女子に人気があり、熱烈な好意を毎日のように向けられ、可愛がられている。
そのためか、遼太に女と間違えられて一目惚れされてしまったり、街中を歩いていると女性に間違われる災難に見舞われている。また、一方でアニメなどのカルチャーに興味があり、詳しいという一面もあり、そのオタクの友人とも親しげに付き合っていることで女子から残念がられていることもある。

しかしその正体は聖霊教会の実働部隊「刻印騎士団(クロノス=オルデン)」の一員である「刻印騎士(クロノス=リッター)」。洸たちの活動の陰で、智明に最初のグリムグリード事件の引き金となった童話を手渡したり、第二のグリムグリード事件の鍵である「天使憑き」こと璃音の抹殺を洸たちに仄めかすなど数々の暗躍を働いていた。
それらの正確な狙いは不明ではあるが、目的は東亰震災の元凶の眷属である「夕闇ノ落シ子」の居所の特定及び討滅であり、吾郎率いる国防軍の特戦部隊「イージス」と共闘していた。

九重永遠(ココノエ トワ)

CV:野中藍

洸の従姉で、数学と情報処理を担当する新任のクラス担任教師。台詞表記は「トワ」で、実家は神社で、休日は神社の巫女を務めている。
子供と間違えられるほど童顔で背が小さく、板書の際には踏台が必要なほどだが、実年齢は22歳とれっきとした大人である。しかし、着任早々教え子でもある洸を他の教え子たちの前で「コー君」という普段の呼び名で呼んでしまうなどどこか頼りない。

数学の他にも情報処理を担当していることからパソコンの扱いもかなりのもので、実際、研究室から何度もお呼びがかかるほどの才媛であるらしいが、そのお誘いをすべて断ってまで教師としての道を選んでいる。
また、神社の巫女の他にも、神社にある祖父・宗介の道場で九重流柔術の師範代を務めており、洸も一蹴できるほどのかなりの実力者である。

九重宗介(ココノエ ソウスケ)

CV:菅生隆之

九重神社の神主にして永遠の祖父で、洸にとっても母方の祖父にあたる人物。台詞表記は「ソウスケ」。
落ち着き払った性格で貫禄のある老人で、さらに武道の達人でもあり、老齢ながら洸と空が束になっても敵わないという常人離れの戦闘技術を有している。そして征十郎や梧桐など、非常に幅広い人脈を有した謎の人物でもある。

洸が中学生までは稽古をつけていたが、顔を出さなくなっているのが少し寂しい様子で、さらに彼が深夜営業のアルバイトにまで手を出しているという実態を嘆かわしく思っていた。そのため、孫娘の永遠を使って洸を早朝の道場に呼び出し、その性根を叩き直すことを目的で久しぶりの稽古をつけた。

雪村京香(ユキムラ キョウカ)

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@yuri_rryp5

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