東亰ザナドゥ(Tokyo Xanadu)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「東亰ザナドゥ(Tokyo Xanadu)」とは、日本ファルコムより発売されたPlayStation Vita専用のアクションRPGである。主人公の高校生・時坂洸が、ヒロインの同級生・柊明日香と出会い、謎の世界「異界」に挑んでいく物語を描いている。日本ファルコムを代表とする人気ファンタジーRPG「イース」「空の軌跡」とは一風変わって、現代の日本を舞台にしたストーリーと世界観が大きな特徴となっており、ファルコムの新たな時代展開を象徴する一作として注目を集めている。

フリーダンジョンや、再探索時のメインストーリーの迷宮の最奥部にゲートの代わりとして設置された物体。攻撃すると回転が始まり、もう一度攻撃することで止めることができ、この時に止まった目にある星の数が多いほど多くの素材を入手することができる。

ミニゲーム

杜宮市の各所でプレイすることができる、ストーリーとは関与しないおまけ要素で、クリアすることでマスターコアなどの強力なアイテムがもらえたりする。

ゲートオブアヴァロン:蓬莱町のゲームセンターで「メダル」と呼ばれる特殊な硬貨を払うことで遊べるメダルゲームのひとつで、閃の軌跡に登場したカードゲーム「ブレード」がそっくりそのままプレイできる。閃の軌跡と同じように数字が描かれた5種類のカードを、相手の数字の総和を上回るように交互に出していき、相手の手札を先に全て出せなくした方が勝利となる。

爆釣遊戯with魔界皇子リィン:蓬莱町のゲームセンターで遊べるメダルゲームのひとつ。閃の軌跡の主人公であるリィン・シュバルツァーに準えたキャラクター「魔界皇子リィン」を操作して、軌跡シリーズにも登場した釣りゲームに挑戦するのが主な内容となっている。

みっしぃパニックwith魔法少女まじかるアリサ:蓬莱町のゲームセンターで遊べるメダルゲームのひとつ。閃の軌跡のヒロインのひとりであるアリサ・ラインフォルトに準えたキャラクター「魔法少女まじかるアリサ」を操作してモグラ叩きゲームに挑戦するのが主な内容となっている。

スケートボード:杜宮記念公園にあるスケート場でプレイできる、スコアアタック型のレースゲーム。コース内の各所に出現した◎マークに合わせてジャンプボタンを押して加速やトリックを決め、同じくコース内に配置された旗を回収していくのが主なルールとなっている。そして、指定されたタイム以内に、指定された条件のトリックと旗を達成できれば装備品などの強力なアイテムを入手することができる。

水泳勝負:閃の軌跡にも登場した主人公とキャラクターの泳ぎの対決で、こちらはストーリーやクエストなどでプレイすることになり、任意に実行することはできない。基本的な操作は閃の軌跡と同じL・Rボタンを押しての加速で、L・Rボタンがそれぞれ割り当てられた縁に赤い輪が交互に収束し、タイミングを合わせてボタンを押すことで加速する。また、成功するごとに収束速度が少しずつ速くなってきて、そのタイミングを掴んでいくことがコツとなる。

宝くじ:ストーリーの各章ごとに駅前広場で1回だけ買うことができる宝くじで、次の章に進むと当選しているかどうかが判定される。1等は10000円、2等は1000円、3等は100円と当たった等賞によってお金がもらえ、完全に運要素が強いものとなっている。また、九重神社で引くことができるおみくじで大吉・中吉・小吉を出していると、1等や2等への当選確率が上昇する。

『東亰ザナドゥ』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

時坂洸(トキサカ コウ)

CV:浅沼晋太郎

本作の主人公で、杜宮学園高等部2年生。セリフ表記は「コウ」。
両親が海外出張に出かけているため一軒家の一人暮らしの身で、帰宅部で学業よりもアルバイト優先であったが、後に「X.R.C」の部長となる。

少々口が悪く、態度も表情もいつもぶっきらぼうで素っ気ないイメージがあるが、困った人を見捨てることができない世話焼きでお人好しな一面を持ち、その困った人を見かけると後先考えずに首を突っ込む無謀さも持ち合わせている。
ちなみにルックスとクールな態度で下級生を中心に女子の人気はそこそこあるが、朴念仁で恋愛には興味も関心もなく、栞や明日香への感情についてもまるで無自覚である。
そして中学までは九重神社で武道の稽古を受けていたが、3年ほど前に道場に行くのをやめており、多少の武術の心得はあるが、流派の看板を背負う天才の空や実戦経験ありの志緒には劣る。また、レンガ小路のアンティークショップの女主人であるユキノからさまざまなバイトを斡旋してもらっているが、生活費は十分もらっており、小遣い分を除けば特に使う予定があるわけでもなく貯金に回されている。

無謀なまで行為に出るほどの世話焼きでお人好しな性格が災いし、ある時、不良に絡まれている明日香を後先考えずに助けようとしたことで異界化に巻き込まれる。さらに幼馴染の栞までもが巻き込まれたことがきっかけとなって、適格者として覚醒し、その後は渋る明日香をよそに異変の鎮圧に積極的に乗り出していくようになる。
また、彼自身がここまで無謀になる理由には、彼の心の中にぽっかりと空いた穴のような「空虚さ」にある。その空虚さを埋めようとするために自分にとって関係のないことでも、人助けであるということを理由に首を突っ込んでの世話焼きや人助けをしていた。そして作中で明日香にその空虚さを見抜かれることになり、本格的な異界調査を乗り出すに当たって「戦う決意と覚悟を裏付ける理由がない」と指摘され、一時はメンバーを外されそうになる。しかしその後の栞との会話で吹っ切れ、組織の垣根を越えて異界の調査と事件の解決を行う部活・X.R.Cの部長として活動していくことになる。

柊明日香(ヒイラギ アスカ)

CV:嶋村侑

本作のヒロインで、洸のクラスメイトで委員長を務める米国からの帰国子女。台詞表記は「アスカ」。
表向きは才色兼備の美少女で交友関係も広く人望もあるが、それはあくまでビジネスライクな本性を隠すための偽装であり、本性は自分に与えられた任務などの使命に託けて独り善がりで突っ走るクールかつドライな性格。また、生徒会長の美月など一部の人間に対しては厳しい態度をとることがあり、これは自分が所属する組織とやや対立関係に近いゾディアックの一員であることが理由となっている。

正体は異界に関与する秘密結社「ネメシス」の若きエースであり、異界調査のために杜宮学園に転校してきて、放課後は単身で特異点捜索活動を行っていた。そしてその肩書きは伊達ではなく、洸、空、祐騎、志緒が4人がかりで苦戦するグリードをたった一人で圧倒するほどの実力を持つ。
本作のプロローグの場面では不良に絡まれそうになっていたのは、特異点が発生する予測地点で待機していただけで、その後の異界化で洸は不良共々明日香に助けられる形となった。

当初は誰とも分け隔てなく接するが、任務上という立場もあって暗に壁を作っており、さらにネメシスの人間としての責任感もあってのこそから洸たち協力者にも必要以上の情報提供は渋っていた。そして、強大な力を持つグリムグリード出現という事態にコウを結界で足止めして単独行動に走り、結果捕らえられてしまう。救出後もなお使命と責任感を理由に洸たちに対して開き直るが、洸に「仲間だろ」と一喝されたことで本心で接するようになり、美月とも共同戦線という形で共闘するようになる。

郁島空(イクシマ ソラ)

CV:加隈亜衣

杜宮学園高等部1年生で、玖州を拠点とする古流空手「郁島流」の師範である父を持つ小柄な少女。台詞表記は「ソラ」。
全体的に細身だが高い身体能力を持っており、所属する空手部でも1年生ながら期待の星と呼ばれるほど有望視されていた。そして洸とは3〜4年前までは妹弟子の関係にあたるが、洸が道場に顔を出さなくなったために疎遠となっており、空は覚えていたが、洸には顔をすっかり忘れられてしまっていた。ちなみに当時は少年のようだったのか「ソラ坊」と呼ばれていた。

誰に対しても分け隔てなく丁寧に接する裏表のない性格と、その桁外れの才能に加えて高い向上心を持っているのが原因で、当初、入部して間もない頃から親身になって稽古をつけてくれた先輩の千秋に嫉妬される。そうして起きてしまった彼女との人間関係のいざこざに深く悩まされたのをきっかけに異界化に巻き込まれ、慌てた洸が明日香と共に救出に向かった際は素手でグリードに挑んでいた。
その後、深い自己嫌悪に陥るあまり、退部届を残して失踪した千秋を捜索中、千秋が異界化に巻き込まれたタイミングにちょうど駆けつけたことで適格者として覚醒する。その後、乗り込んだ迷宮の最奥で千秋と再会し、助けに駆け寄ろうとするも「あたしにそんな価値ない」と千秋に拒絶される。しかし空は涙ながらに千秋への思いをぶつけ、彼女を捕らえていたグリードを激闘の末に打ち倒した後に彼女と和解。元の通りに、先輩後輩の間柄に戻った。

ちなみに祐騎とは、彼の姉である葵から友達になるように頼まれたのと、学園が同じなのもあって暇さえあれば度々行動している。「ユウキ君」と呼ぶたびに止めるよう口を酸っぱくして言われているが、一向に止める気配がない。また、異性としての意識があるかどうかは定かではないが、噂になるから別クラスからわざわざ話しかけに来ないように言われても「噂なんて気にしなければいいだけの話」と、何処吹く風として止める気はない様子。

四宮祐騎(シノミヤ ユウキ)

CV:山下大輝

杜宮学園高等部1年生で、「神様のいうとおり」をはじめとするアプリ開発や株取引でなした財によって高級マンションで一人暮らししている天才少年。台詞表記は「ユウキ」。常に装着したヘッドフォンが特徴的。
学園には高校卒業に必要な単位を得るために在籍しているためあまり顔を出さず、校内ではその存在自体あまり知られていない。むしろ「一体何が面白いんだか」と、登校すること自体を軽んじている。その上普段は高慢で自分の才能を鼻にかけた振る舞いが多く、人を人とも思わない独善的な性格で、年上の相手でもその振る舞いは決して崩さない。しかしその一方で情誼にも厚い面があり、自分のことを何かと心配してくれたり、嬉しくなるとすぐに抱きついてくる実姉・葵のブラコンぶりに辟易しているが、彼女のことを大切に思っている様子がある。

自身が開発した「神様のいうとおり」で異界事件が発生した際、その正体を探りに来た洸たちの説明を一切信じなかったが、自分の実姉・葵がその事件に巻き込まれたと知るや一転して協力的になる。その調査の途中、自分を凌駕するレベルのプログラミングスキルを誇る永遠の存在を知り、さらに自分の能力が姉救出には何の役にも立たないことに落ち込んでいた所で適格者に覚醒した。これ以降、洸や志緒といった同性で尊敬できる先輩と会い、親しくなったことで徐々に性格が変わっていく。

「神様のいうとおり」の事件の後、空と行動を共にすることが多くなったが、見た感じからして空が押しかけている形で若干迷惑そうにしている。しかし一方で、葵と同じように自分を何かと気にかけてくれる彼女を無碍にできず、むしろ満更でもない様子。また、呼び方や周囲の目線の件で空に苦言を呈するも、空には一切聞き入られていない様子で、半ば諦めかけている。

北都美月(ホクト ミツキ)

CV:山崎はるか

杜宮学園生徒会長にして高等部3年生で、日本有数の大企業・北都グループの令嬢。父亡き後、祖父の征十郎から後継者候補として見込まれている。台詞表記は「ミツキ」。
常に穏やかな物腰で落ち着き払った性格で、一人で常人の10倍近い書類を処理したり、会社の仕事を手伝ったりと見事な才媛っぷりを見せる。しかし、料理は苦手らしく、料理をやらせると若干緊張した声を出したり、おまけに女性キャラでは一番の巨乳で、スタイルのいい明日香も若干嫉妬の眼差しを向けているが、本人は無自覚である。

ゾディアックの一員であり、異界やグリードについて豊富な知識を持ち合わせている。そして当初はゾディアックとネメシスの組織間の確執もあって洸たちには情報程度の協力しかしなく、明日香がグリムグリードに捕らえられた際も組織の動向を伝えただけで傍観するつもりであったが、ゾディアックではなく生徒会長として協力してほしいと洸に頼まれたことで協力者となることを決意する。

また、実は組織や実家の跡目争いなどでいろいろと心労が重なっているらしく、特にそういった要素と接点のない洸にはそういった愚痴を言ったり、目の前で転寝したりと隙を見せることが多く、こちらについても本人は一切の無自覚である。そして、ゾディアックの一員で重要なポストという立場もあって普段は自由に動けないようだが、一転自由になればその穏やかで落ち着いた雰囲気からは想像できない行動力と度胸をこれでもかとばかりに見せつけてくる。

高幡志緒(タカハタ シオ)

CV:鳥海浩輔

杜宮学園高等部3年生で、かつて杜宮で勇名を轟かせた不良チーム「BLAZE」の元リーダーを務めていた長身の青年。商店街にある蕎麦屋を下宿先としている。台詞表記は「シオ」。
寡黙で口数が少ない男で、馴れ合うことを好まない一匹狼のイメージがあり、学力も相応にあるが伝説の不良として恐れられている。しかし、必要以上の争いや外出は控えるようにしたり、曲がったことは認めないなど芯が通り、仁義に厚い人物でもある。

元は孤児でとある孤児院で暮らしていたが、その孤児院の院長からのえげつない虐待を他の孤児たち共々受け続けていた。これに耐えかねた志緒は、親友の「竜崎一馬」と共に院長を叩きのめし、虐待事件を明らかにして孤児院を飛び出した。その後は自分や一馬と同じ境遇を持ち、力を持て余した少年たちを集めて「BLAZE」を立ち上げ、揉め事の仲裁など男気溢れる行いを毎日のように続けた。しかし、関東で部下最大として悪名を轟かせるチーム「CHAOS」から一方的に吹っかけられた抗争で一馬が命を落としてしまったことで失意になり、BLAZEを解散させてしまう。

その後、「新生BLAZE」とチームを騙って各地で蛮行を働く者たちの存在を耳にした志緒は、学校をサボってまで調査に乗り出した。その弟分でBLAZEの特攻隊長と名を馳せていた彰宏がリーダーとなり、他のメンバー共々異界の力を得て暴れまわっていた。そして自身も彰宏によって異界に落とされてしまい、自分の力ではどうにもならない事態であると理解しながらも、失意に陥ったとはいえ一方的にチームを解散させた自分がけじめをつけなければならないと洸たちの協力を拒んだ。
しかし、洸に檄を飛ばされたことで折れて、洸たちの協力を得て再び彰宏の元へ向かうが、彰宏は力を暴走させて異界に落ちてしまう。その時、彰宏を追って異界に向かった洸たちを追って無理やり異界に突入し、さすがに無理だと説得されていた所で適格者に目覚めた。そうして仲間となった後は、どっしりと構えた頼れる一行の兄貴分として活躍している。

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