スキャナーズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『スキャナーズ』とは、デヴィッド・クローネンバーグ脚本・監督による、思考するだけで人間の心や行動をコントロールできる超能力者(スキャナー)達の戦いを描いたサイキック・アクション・ホラー。社会を崩壊させようと企てる邪悪なスキャナーと彼を倒そうとするスキャナーの対決を、特殊メイクを駆使して描写。中でも頭部を内側から破裂させる衝撃的なシーンが有名。1981年・カナダ製作。

ブレードン・ケラー(演:ローレンス・デイン、日本テレビ版吹替:家弓家正)

コンセック社の警備主任。裏でレボックに協力し、スキャナー達に関する資料を彼に渡している。
ベイルがライプ計画のことを調べようと外部の公衆電話から電話線を通してコンピュータをスキャンしたとき、コンピュータの自動破壊システムを作動させてデータを消滅させるが、それに気付いたベイルがコンピュータを爆破させ、機械の下敷きとなって絶命する。

ベンジャミン・ピアース(演:ロバート・シルヴァーマン)

人里離れた古い家屋に住んでいる、スキャナーである造形作家。10歳のときに家族を殺そうとしたことがあり、刑務所や精神療養所で過ごした過去がある。
彼も頭の中に他人の様々な声が聞こえ悩まされることがあるが、芸術活動をすることで正気を保とうとしている。
突然、レボックの部下の急襲を受け瀕死の重傷を負い、死ぬ間際にベイルにスキャナーの一人、キム・オブレストの名を伝える。

『スキャナーズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「コンピュータをスキャンするんだ、あたかも人間のように」

ベイルからライプ計画の話を聞いたルース博士が、コンピュータにアクセスして計画データをスキャンしてくれと彼に頼んだときのセリフ。
IDやパスワードを知らなくても、外部からコンピュータ内部に侵入し内部データを「人間の心の声を聞くように読み取れるのがスキャナーだ」とルース博士がベイルに言う。
生命のない機械であるコンピュータを、あたかも人間のようにスキャンするなんて少々荒唐無稽な気がしないでもないが、妙に印象に残るセリフだ。

「僕たちは勝った」

ベイルがレボックの脳内から彼の意識を追い払い、自分の意識に取って代わったとき、オブレストに投げかけた言葉。
「僕だよ、ベイルだ。僕たちは勝った」と彼女に言うが、映画はレボックの顔のアップでフェードアウトし、本当にベイルが勝ったのか、それともレボックが彼女を騙そうとしているのか、疑問の余地を残しながらエンディングを迎える。
レボックの眉間に会った穴を開けた傷跡が消えているのが人格が変わった証しとも見て取れるが、レボックとベイルのスキャナー・バトルが始まるときにレボックが「兄弟が仲良く一つになるんだ」と言っているだけに、レボックの意識がまだ残っている可能性もあり、「勝った」という言葉を素直に受け取っていいのか見ている側も迷わされてしまう、何とも気になるセリフだ。

レボックがコンセック社の公開実験でスキャナーの男の頭部を木っ端みじんにする

映画が始まって10数分後に登場する、レボックが公開実験でスキャナーの男の頭部を破壊するショッキングなシーン。
実にリアルで生々しく、公開実験の参加者同様、映画を見ている観客側も度肝を抜かれるほどインパクトは強烈だった。
当初、このシーンは映画の冒頭に置かれていたそうだが、テスト試写などであまりのショックに失神者が出てしまい、少し後にずらしたらしい。

頭部破壊シーンの映像

ベイルがスキャン能力でアクセスしたコンピュータを破壊する

ベイルが、非常破壊システムがオンになったコンピュータを、電話線を通してスキャンし破壊する場面。
電柱の上にかけられた電話線が火花を上げ、コンピュータが次々と爆発し、オペレーターが爆風で次々と吹き飛ばされ、ケラーは飛んできたコンピュータ部品の下敷きになり命を落とす、なかなか派手なシーンだ。
ベイルが耳に当てていた受話器を電話機に戻すと、受話器がドロドロと溶け出していくなど、描写もなかなか細かい。

ベイルとレボックの最後のスキャナー・バトル

レボックとベイルが互いのスキャン能力を極限にまで発揮しまくる超能力バトル・シーン。
ベイルの腕の血管が浮き上がって血がドロドロと流れだし、彼やレボックの頬や額に太い血管の筋が腫物のように醜く浮かぶ、グロテスクで何ともおぞましい場面だ。
レボックを演じるマイケル・アイアンサイドのアクの強い演技が気味悪さに拍車をかけている。

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