君の膵臓をたべたい(キミスイ)のネタバレ解説・考察まとめ

『君の膵臓をたべたい』とは、2018年に公開されたアニメーション映画。
住野よる著の2015年の同名小説を原作とした作品であり、2017年には実写映画版が公開されている。スタッフは本作が初監督となる牛嶋新一郎が監督・脚本を担当。制作会社はスタジオヴォルン。
孤高な主人公の少年「僕」と膵臓の病で余命わずかの快活な少女の青春模様や、キャラクターの葛藤・成長が描かれる。劇中の経過時間は約4ヶ月ほどで、独特なタイトルの本当の意味が劇中終盤でようやく明かされる。

序盤で桜良と「僕」がスイーツバイキングへ行くシーンがあるが、ここで登場する店舗は実在のデザートバイキングチェーン店「Sweets Paradise(スイーツパラダイス)」(原作では「デザートパラダイス」というパロディ名)。

コラボメニューや限定オリジナル特典の「名場面コースター」などが実施された。

実写版公開の際にもコラボ企画は行われた。

納涼花火高岡会場

2018年8月4日に開催された「第67回北日本新聞 納涼花火高岡会場」で本作とのコラボポスターが掲示された。
本作の部隊が富山県高岡市であることと、劇中でも花火のシーンが描かれたことから。

企画・製作

出典: www.pixiv.net

イラストレーターのloundrawによる原作小説の装丁イラスト。

本作の企画はアニプレックスと双葉社により2015年5月(原作の刊行の前月)に始まった。
アニメーション制作を担当したスタジオヴォルンは2014年に設立された新しいスタジオで、劇場アニメーション作品は本作が初。

監督の牛嶋新一郎も助監督や副監督の経験はあったが、監督は本作が初である。本作のプロデューサーにしてスタジオヴォルンの代表取締役の三田圭志により選ばれた。

牛嶋は本作の制作にあたって重視したことは原作小説のイラストを担当したイラストレーター・loundrawの絵柄や雰囲気を踏襲すること、リアルな作風に努め、変に奇をてらった作りにはしないことだったと語っている。キャストに関しては主役の2人の対比を強調することを重視したと語っている(例として、主人公の春樹は原作ではセリフが多いが、本作ではかなり少なくなっている)。

『父と追憶の誰かに』

本作の映画入場者特典として、原作者の住野よるによる本編のその後を描いた書下ろし小説『父と追憶の誰かに』が配布された。

本作の後日談が描かれる。

『君の膵臓をたべたい』の興行成績

9月1日~2日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)では10位からスタート。全国173スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員数8万7206人・興行収入1億699万円を記録。

公開6週間で、興行収入は約2億2000万円となっている。

『君の膵臓をたべたい』の主題歌・挿入歌

オープニング、主題歌、挿入歌はすべてロックバンドsumikaが担当。
住野よるは以前からsumikaのファンだったため、起用の知らせを受け取った際にはとても嬉しかったと語っている。

主題歌:sumika『春夏秋冬』

本作の主題歌にして、エンドロールで歌詞の字幕付きで流れる曲。
作詞:片岡健太、作曲:sumika。sumikaの楽曲において、バンドメンバー全員で作曲したのはこの曲が初。

以下は歌詞の一部の引用。

ご飯の味 花の色 加工のない甘い香り
人肌を数字じゃなく 触覚に刻んでくれた
鼓膜にはAh 特別なAh 五感の全てを別物に変えてくれた

出典: www.oricon.co.jp

「僕」が桜良と出会ったことでどれだけ救われたかが表現されている。
「人肌」という歌詞については、劇中 病室で2人が抱き合うシーンで桜良が語っているように人のぬくもりを互いに与えあっていたことが示唆され、それをはじめとした、共に過ごした様々な時間が「僕」の五感を変えてくれたのだろう。

また、曲の終盤では春樹が桜良の死を乗り越え、前へ進んでいく心情が表現されている。住野は「終盤からラストまでは作品全体のテーマと本当に重なる」と語っている。

オープニング:sumika『ファンファーレ』

オープニング曲。作詞・作曲:片岡健太。

「幕開け感を出したい」と考え製作されたという。また、本作の主人公は高校生だが、片岡がバンド活動を始めたのもその頃からだったため、当時の気持ちを取り戻した楽曲になったと語っている。
住野は「毒の混ざった歌詞を、キャッチ―な曲調で歌う」というsumikaの魅力が表現された曲と評している。
牛嶋は「サビへ向かって助走をつけて一気に爆発するような、エネルギッシュな曲」と評しており、「曲が映像にのったとき、とても美しい化学変化を起こせたと思っています」と語っている。

kazuya2004m3
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@kazuya2004m3

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