スペースバグ(第11話『潜入!漂流ステーション/ネズミたちのオモテナシ』)のあらすじと感想・考察まとめ

漂流していた宇宙ステーションで、ハツカネズミたちと出会ったミッジたち。リーダーのベータは、農場で採れたフルーツでもてなした。彼らは、いなくなった人間の実験をずっと続けていて、しかもそれは自主的なものだった。そんなハツカネズミと思想の違いで対立するミッジの前に、人質にされたハカセ、マルボ、エレンが運ばれてくる。
今回は「スペースバグ」第11話『潜入!漂流ステーション/ネズミたちのオモテナシ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「スペースバグ」第11話『潜入!漂流ステーション/ネズミたちのオモテナシ』のあらすじ・ストーリー

宇宙船ストークのブリッジで、ワンが空中に浮かんでいる。
エレン「これなら、ワン老師も自由に動けるわね」
貨物室にあった反重力石に乗ることで、体の小さいワンでも早く移動できるようにしたのだ。他にも、寝床や食料の提供でもてなすミッジたちに、ワンは泣きながら感謝した。
ワン「長年ブラックホールで、ひとりぼっちだったからねえ。話し相手がいるということが、こんなにも幸せなことだとは」
突然、警報が鳴り響く。航路上に障害物があるのだ。それは原因不明の事故により乗組員が脱出し、可動停止で漂流している宇宙ステーションESSQ3だった。

漂流している宇宙ステーションESSQ3

ハカセ「我々がいた宇宙ステーションと同じように、人間たちが引き上げて、無人になってしまったようだな……」
ミッジ「となると、オレたちのように取り残された虫たちがいるかもしれないってことだよな?」
オペレーションボットに乗ったミッジ、ハカセ、マルボ、エレン、ワンが、宇宙ステーションに入る。ストークを追跡していたゲロッパたちは、その様子を目撃していた。

ミッジたちのオペレーションボットと宇宙船ストーク(左奥)

生物飼育庫にたどり着いたミッジたち。しかし、そこには誰もいない。突如、上空から透明のケースが落ちてきたかと思うと、ミッジたちをすっぽりと囲った。
ゲロッパ「ついに捕まえたぞ。ずいぶんとてこずらせやがって」
カエルたちが待ち伏せしていたのだ。さっそくゲロッパが誰から食べようかと考えはじめる。
ワン「おい、クソガエル。こやつらを食うなら、ワシを食え。その代わり、この若者たちの命は助けてやってくれ」
ケースの隙間から手を入れたゲロッパは、ワンを掴むとあっさり飲み込んだ。
ゲロッパ「さて、次は誰にしようかな?」
ゲロッパがハカセを掴んで口に入れようとした瞬間、ビームがゲロッパをかすめる。驚いてハカセを放すゲロッパ。振り向いた先には、武器を持ったハツカネズミが立っていた。カエルに向かって次々とビームを放つハツカネズミ。ゲロッパたちがその場を離れると、ハツカネズミはケースからミッジたちを逃がし、一緒に生物飼育庫を出て通路を走り出した。追いかけるゲロッパたち。
ハツカネズミが壁にあるボタンを押すと、ゲロッパたちの前後で透明のシャッターが下りて、カエルたちは通路の一角に閉じ込められる。
ハツカネズミが別のボタンを押すと、天井から白い霧のようなものが噴射され、ゲロッパたちは瞬時に固まってしまった。
ハツカネズミ「よし、これでオッケー。冷凍カエルのできあがり」

(左から)ワンを掴むゲロッパ、ハカセ、イトー、ミッジ、エレン、マルボ

そのハツカネズミの名前はアルファ。この宇宙ステーションの生き残り、つまり実験用の生物である。アルファがミッジたちをボスのベータとその部下のシグマに紹介すると、ベータはミッジたちを新鮮なフルーツでもてなした。フルーツは宇宙ステーションの農場で採れたもの。人間がいなくなった後、この宇宙ステーションはハツカネズミたちが管理運営していた。ミッジたちに、泊まっていってはどうかと提案するベータ。
ベータ「明日はちょうど流星群が乙女座の方向に見える日だ。宇宙で観る流れ星は美しいものですよ。それに、フルーツが採れすぎて困っていたところです。皆で食べながら流れ星鑑賞というのはいかがです?」
ミッジ、マルボ、エレンは大喜び。だがなぜか、ハカセは浮かない顔をしていた。とにかく彼らは提案を受けることにする。ベータはアルファにミッジたちを寝床へと案内させた。フルーツが余っていて毎日たくさん食べられることをうらやましがるミッジに、アルファは言う。
アルファ「余るほどなんか無いよ。ボクたちなんて、口にしたことないもん」
寝床は透明の小部屋で、ベッドも用意されていた。アルファが立ち去ると、ハカセがうなる。
ミッジ「どした、ハカセ?」
ハカセ「あのネズミたち、なにかうさん臭いと思わないか?ベータが言っていたことがおかしいんだ」
流れ星は地球の成層圏に小天体の粒子がぶつかって見えるもの。宇宙空間では見ることができない。
エレン「じゃあ彼の言ってたことがウソだってこと?」
マルボ「なんのためにウソをつくのさ?」
ハカセ「それが分からん」
ミッジ「たしかに言われてみれば怪しいな。フルーツは余ってるって言ってたのに、アルファは逆のことを言っていたし」
ハカセ「いったい彼らの正体はなんなんだろう?」
ミッジ「よし、ちょっくら偵察に行ってくる」

ミッジたちをもてなすハツカネズミのベータ(中央)とシグマ(右)

天井の通気口を入ったミッジは別の部屋を見付ける。そこでは、五匹のハツカネズミが回し車を回していた。それは宇宙での細胞活動のデータを取るための運動、つまり人間の実験のためだ。
ミッジ「人間たちはもういないぜ」
ハツカネズミ「いないからって、それがなにか?」
ミッジ「もう自由にしたっていいはずだろう?」
ハツカネズミ「ボクたちハツカネズミってのは、実験のための動物じゃないか。実験のために生きて、実験のために死ぬ。それがハツカネズミというものだ。実験のためだったら喜んで体を差し出すよ」
ミッジ「それは違うぞ!誰かに従うために命が存在するなんて、そんなバカな考えあるもんか!」
ハツカネズミ「バカげてなんかいない!それが実験用動物の生き方だ!」
ミッジ「違うよ!オレも実験用として宇宙に連れてこられたけど、そうは思ってない。オレには帰る場所があるし、なにより自分の力で生きていきたいっていう気持ちがある!」
ハツカネズミ「さっきから聞いていれば、ずいぶんとおかしなことを発言するな!君の考えは実験用動物としてあるまじき思想だぞ!」
ミッジ「目を覚ませ!君たちは、だまされてる!」
ハツカネズミ「だまされてなんかいない!これがボクたちの生き方なんだ。邪魔しないでくれ!」

寝床でミッジの帰りを待つハカセ、マルボ、エレン。小部屋のドアが唐突に閉まり、カギがロックされる。中からは開かない。シグマがやってきて、小部屋ごと押しはじめた。
ミッジのいる部屋にベータがやってくる。ベータの意見は、たとえ人間たちがいなくなったとしても、コンピュータは活きている。中止と命令されるまではデータを取り続けなければならない。ミッジの前にハカセたちの小部屋が運ばれてきた。
ベータ「あなたがたも実験用として、使用させていただきます」

「スペースバグ」第11話『潜入!漂流ステーション/ネズミたちのオモテナシ』の感想・考察

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