花よりも花の如く(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『花よりも花の如く』とは、2001年より白泉社の『月刊メロディ』にて連載の開始された、日本の伝統芸能『能』をテーマに描かれた成田美名子による漫画。
2006年より掲載誌が隔月刊誌『MELODY』にリニューアルした。
元々は同作家の連載『NATURAL』のスピンオフの読み切りから始まり、連載になった作品。
榊原憲人は幼い頃から祖父の元で能楽師として修行を積んでいた。憲人は様々な人物と出会いながら成長していく。
『花よりも花の如く』の概要
『花よりも花の如く』とは、成田美名子による能を題材とした漫画作品である。
2001年より白泉社の『月刊メロディ』にて連載の開始され、2006年より掲載誌が隔月刊誌『MELODY』に移行した。
元々は同作家の連載『NATURAL』のスピンオフの読み切りから始まり、連載になった作品。
前作『NATURAL』完結後外伝として「花よりも花の如く」「天の響」の2作が描かれた後、正式に連載が開始された。
父方は神主、母方は能楽師という家系の榊原憲人は、成田美名子の漫画『NATURAL』に登場するペルー人でありながらバスケットボールと弓道に勤しむ主人公・山王丸ミゲールの先輩で、ミゲールの数々の危険を助けアドバイスした榊原西門の兄。
母方の祖父である能楽師の六世相葉左右十郎の下で修行の身であり、子方から始まり内弟子になり、一人前のシテ方能楽師として成長していく。
自身の能楽師としてのスキルを、日々成長させつつも、同じ能楽師の仲間と切磋琢磨していく様子、出演したテレビドラマから能以外の表現の世界を知り仲間を得ていく様子、父方実家に神主になる為に養子に出た弟との心の葛藤などを描いたものになっている。
『花よりも花の如く』のあらすじ・ストーリー
能の世界
榊原憲人(さかきばらのりと)は、能楽師で祖父の相葉左右十郎(あいばそうじゅうろう)こと相葉尋人(あいばひろと)の元で、20年程前より内弟子として修行を重ねていた。
憲人は他の内弟子のように住み込みでは無く、自宅から通っていた。そんなある日、稽古に通う為に乗った電車内で、憲人は痴漢に間違えられてしまう。
弁護士からアドバイスを受けた憲人は、示談金を払わず謹慎を覚悟しながら捜査の結果を待つ事にする。相手の女性を調べた結果、彼女は勤めていた会社で虚言癖があると言われていた人物だという事が分かった。
翌日、電車でその女性に会った憲人は、彼女に舞台のチケットを渡す。虚言癖があると囁かれる彼女に同情したからだ。
その日の舞台で客席にその女性の姿を見つけた憲人だったが、心を研ぎ澄ませ演技に集中する。その真剣に演技に取り組む憲人の姿勢に心を打たれた女性は、彼への起訴を取り下げた。
これでまた能に集中出来ると喜ぶ憲人だった。
創風会(そうふうかい)に新しい内弟子候補がやって来た。
父親が能楽師であるという森澤楽(もりさわがく)という男で、彼は根気強く厳しい稽古にも耐える事が出来て周りの人間への配慮も出来るのだが、問題は髪が茶髪である事だ。
生まれつきだとはいえ、楽の髪色は日本芸能に相応しくないと感じていた創風会の面々だったが、真面目に稽古に打ち込む楽の姿を見て考えを改めるようになった。
そんなある日、能の演目である「一角仙人(いっかくせんにん)」で一角仙人を演じる事が決まった楽。
初めて面を付けて演じる舞台だったが、楽は見事に一角仙人を演じた。
ニューヨークで行われる海外公演で、憲人は能の演目である「恋の重荷(こいのおもに)」のヒロイン役である女御(にょうご)を演じることになった。
難しい演目にプレッシャーを感じていた憲人だったが、自身が感じる想いと女御の役柄を重ねながら見事に演じきり、ニューヨーク公演は成功に終わった。
その後、日本に戻ってきた憲人は京都の骨董店で「若女(わかおんな)」という名前の能面を見つける。次の演目にぴったりだと思って、少々高価ではあったが憲人はその能面を購入する。
結局、憲人はその能面を使用しなかったが、ベテランの中澤隆生(なかざわりゅうせい)の復帰演目「井筒(いづつ)」で使われる事になった。
京都で憲人が手にしたこの能面は、実は憲人の曽祖父が戦後の混乱期に紛失してしまっていた物だと、後に分かった。
その後韓国での公演が決まった創風会だったが、抗日運動の激しい地区の為、石が飛んでくるなどのアクシデントもあり得るという。
緊張感の高まるなか舞台が始まるも、思いのほか大盛況で観客たちは能を楽しんだ様子だった。
次々訪れる出会い
能楽師である宮本芳年(みやもとほうねん)の紹介で、憲人にTVドラマ出演の話がやってくる。
サスペンスドラマの準主役にあたる重要な役を演じる事になった憲人は、能とは全く違う世界に戸惑いつつも役作りに集中する。
共演者の宮本葉月(みやもとはづき)は、芳年の妹でジャズピアニストとしても活躍しているという。撮影をこなしながら、葉月を始めとした共演者たちと親しくなっていく憲人。
ドラマの撮影が終わると、主人公を演じていた藤井琳(ふじいりん)が憲人に弟子入りしたいと申し出る。
弟子になった琳の指導をしながら、能の稽古に励む憲人。そんな中、憲人は左右十郎の薦めで能役者として節目となる「道成寺(どうじょうじ)」に挑戦する事になった。
「道成寺」を視野に入れながら、憲人は難しい演目である「春日龍神(かすがりゅうじん)」の稽古に励む。
そして迎えた本番の日、会場に来ていた中澤隆生と彼の自宅で話をする約束を取り付けた憲人。中澤隆生は憲人の曾祖父の同輩で、憲人は一度彼の考えを聞かせてもらいたいと思っており、話の場を設けてもらったのだ。
後日中澤の家を訪れた憲人は、先日京都で発見した若女の能面を「道成寺」の舞台で使いたいと話す。
その後、憲人は麻生由規(あそうよしのり)が立ち上げたNPO法人で講師を務めることになった。さらに同じ頃、相葉左右十郎こと尋人が息子の匠人(たくと)に名前を譲る事になり、匠人の襲名公演が行われた。
その襲名公演の演目「安宅(あたか)」の中で、鬼気迫る演技を披露した匠人。そして匠人は相葉左右十郎となり、父の尋人は相葉泰一(あいばたいいつ)と名乗る事になった。
次の舞台で盲目の役を演じる事になった憲人だったが、自分自身の能力に自信を持てないでいた。そんな中、藤井琳と飲みに行った憲人は酔っ払った挙句、高尾山の中に迷い込んでしまう。
なぜ自分がここにいるのか全く思い出せないまま立ち尽くす憲人だったが、たまたま通りかかった盲目の青年に助けられる。
青年の名は武内望(たけうちのぞむ)といい、マッサージ師として高尾山の麓にある治療院で働いていた。望の迷いの無い生き方は憲人の役作りに活かされ、憲人は盲目の役である「蝉丸(せみまる)」を演じきる事が出来た。
その後、望が趣味でやっているというヴァイオリンの演奏を聴く事になった憲人。望の演奏は思いのほか技術力が高く、憲人は望に音楽活動をしてみるように勧める。
それでもなかなか行動に移せない望の為に、憲人はピアニストである葉月とのセッションの場を設ける事にした。初めて他のプレイヤーと演奏する望だったが、伸び伸びと自由に葉月とのセッションを楽しんでいた。
思わぬ新弟子
憲人は青森での野外公演の為、父方の実家である神社に泊まる事になった。
憲人が泊まっている神社で深夜に丑の刻参りをする女性を見かけた彼は、それが昼間に行った舞台をゴスロリファッションで観に来ていた観客だと分かる。
その女性が深夜にお参りをしているという事が噂になっていたが、何か事情があるのだと感じた憲人は咄嗟に彼女をかばう。偶然その場を目撃していたその女性は、憲人に好意を持ち彼のもとに弟子入りする事を決める。
思わぬ人から弟子入りの申し出を受け戸惑う憲人だったが、周りからの後押しもありその女性を弟子として迎え入れる事にした。
女性の名は小野寺花梨(おのでかりん)で、憲人の妹の彩紀(さいき)と同じ大学に通う学生だった。彩紀の話によると校内で花梨は噂になっており、それによると花梨は大学の講師と付き合っていたが、彼には既に妻がいたとのこと。追い詰められた花梨は丑の刻参りで過去の自分の写真を呪いのワラ人形に入れ、木に打ちつけたという。
そんな話をしているとそこへ花梨が通りかかり、憲人はその後を追う。タクシーに乗った花梨は海にたどり着き、全てのストレスを振り払うように海に向かって思い切り叫ぶ。
今まで大きな声を出せずにいた花梨だったが、思い切り叫んだ事でスッキリしたようだ。
葉月との関係
その後、連続テレビドラマに出演する事になった憲人だったが、お互いの忙しさから葉月と会えない日々が続いていた。
そして葉月が過去にストーカー被害を受けていた事を憲人は知る。そこへ葉月から憲人に「尾けられている気がする」と連絡が入り、ストーカー行為を繰り返していると思われる七条(しちじょう)という男を探す事にした憲人。
七条を知る周りの人間の話では、彼は自己中心的でキレやすい性格だという。出身は関西で京都の大学に通っていたという情報を得た憲人と葉月は、七条の通っていた大学に辿り着く。
大学の受付で事情を話したところ、七条と知り合いだという職員の女性である上田(うえだ)が、彼の家に案内してくれる事になった。
七条の実家で会った彼の母親から、七条は既に交通事故で亡くなっているという話を聞いた憲人と葉月。母親の話によれば最近の葉月へのストーカー行為は全て母親がやったものだという。
七条が生前ストーカー行為を行なっている事が分かった母親は、謝罪のため葉月のもとを訪れた。その時の葉月の対応が気に入らず、嫌がらせをしてしまったのだという母親は改めて葉月に謝罪をする。
東京に戻り、能の稽古に励んでいた憲人。そんな彼のもとに七条の家まで案内してくれた上田が訪ねてくる。
上田が七条の母親の代わりに四国にお遍路巡りをすると聞いた憲人は、ホームページを作って毎日母親にお遍路巡りの様子を見てもらうのはどうかと提案する。
自身が立ち上げた会「榊の会(さかきのかい)」の演目を「清経(きよつね)」に決めた憲人は、その準備で忙しくしていた。
その結果、葉月に気をかける事が出来ず2人の間に再び亀裂が生じてしまう。なんとか葉月と連絡を取ろうとする憲人だったが、葉月もまた女優としての仕事が忙しく電話が繋がらない状態だった。
そんな中、上田のホームページではお遍路巡りの様子が公開されており、憲人はその姿を見ながら上田を応援していた。そのホームページの中に七条について書いた文を見つける憲人。
そこには「七条が辛そうだったので『帰ってきたら?』と伝えたら、車で地元に帰って来る途中で事故を起こし死んでしまった」と書かれていた。
その文章を読んだ憲人は、結願の日に立ち合わせてもらえないかと上田に伝える。
結願の日の当日、憲人は長尾寺の近くで上田を待ち、一緒に最後の山を越える事にする。すると最後の寺に葉月と七条の母親の姿があった。
無事八十八ヶ所巡りを終えた上田だったが、これからお礼参りのため高野山に向かうという。
帰路に着いた憲人と葉月はその道中、お互いの話をして誤解を解く事が出来た。
弟子が増えたので、憲人は新しく自宅を稽古場にする事にした。
その弟子の中に杉浦(すぎうら)という女性がおり、彼女の家がゴミ屋敷のようになっていると聞いた憲人は杉浦の家の掃除を手伝う事にする。
現在、杉浦は夫と別居しており病気の父親の介護をしながら一緒に生活をしていた。
その父親は家にある物を捨てる事が出来ず、現在のゴミ屋敷のような足の踏み場も無い家になってしまったようだ。
物を捨てられない杉浦の父親は、娘に未来ばかりでなく過去を大事にして欲しかったのだと気付く憲人。そんな中、杉浦の父親が家の中で猫の鳴き声が聞こえると気づく。
その猫は親子で杉浦家に入り込んでしまったようで、猫の親子を杉浦家で保護する事になった。
その猫の親子の影響もあり、杉浦の父親もゴミを処分する気持ちになってくれた。そして今まで閉め切っていた窓を開けるようになった。
窓の外のパン屋から流れて来る香りを感じながら、父親が過去だけでなく、現在や未来にも目を向けてくれている事を杉浦は嬉しく思った。
杉浦を含めた弟子たちの発表会の日、会場には葉月の姿もあり憲人は嬉しく思った。そんな中、杉浦の父親が彼女の夫を連れて会場に来たと聞いた杉浦が突然トイレに駆け込んでしまう。
トイレまで付き添っていた憲人と憲人の母親は、杉浦の様子から彼女が妊娠しているのではと考えた。
「清経」の舞台の後、父の泰一が楽の事を褒めているのを聞いた憲人は動揺していた。自分の出来はどうだっただろうと思った憲人は、葉月に感想を聞く。
すると返ってきた答えは「良かったと思うけど、ベストな演技では無かった」というものだった。もしかしたら集中出来ていないところがあったかもと、落ち込む憲人。
そんな話から、先日の杉浦家のゴミ掃除をした時の話を始める憲人だったが、葉月から「誰にでも優しいのね」と冷たく返されてしまう。
他にも小野寺を助けたりと人助けをした話をすると、葉月に「それやめて」と怒られてしまう憲人だった。
子供の気遣いから学ぶこと
子供たちが「土蜘蛛(つちぐも)」を披露する発表会が迫っており、本番に向けての通し稽古が始まっていた。
そんな子供たちに一度舞台を見せたいと思った憲人は、子供能の後見を務める山口渚(やまぐちなぎさ)とその友達の泉(いずみ)を連れて薪能に連れていく。
本番の前日、一度も稽古の付添に来た事が無い渚の母親に本番は観に来られるか確認の連絡をする憲人だったが、本番を観に行くのも難しそうだと返されてしまう。
その事を葉月に相談するも「あなたが気にする事じゃない」と言われてしまう。それでも気になってしまった憲人は泉の母親に相談し、渚の母親と直接話したいと伝える。
そんな大人たちの会話を聞いてしまった渚が「お母さん本当に大変なんだと思うんです。先生が直接話をしてしまったら、お母さん無理をしてしまうと思う」と憲人に伝える。
そんな渚の言葉に落ち込む憲人は、渚の母親に何も言えなくなってしまった。
そんな中、葉月の兄である芳年から電話がかかってくるも、途中で電話が切れてしまった。不思議に思った憲人は翌日、芳年に事情を聞いてみた。
すると、葉月が憲人に連絡しようかどうか迷っていたので、芳年が自分の携帯で連絡をしてみる事にしたが、途中で葉月に電話を奪われてしまったのだという。
どうやら「道成寺」の本番が迫っていたので、憲人に連絡しようか迷っていたらしい。
子供能の本番準備の日。いよいよ本番を目前にした子供たちの気持ちは盛り上がってきていた。
そんな中、会場に渚の姿が見えない事に気づいた憲人は彼女を探しに外へ出る。
すると会場の外で泣いている渚を見つけた憲人。その時憲人は気づいてしまったのだ。母親を気遣い、憲人に「無理に本番を観に来るように言わなくてもいい」と言って強がってはみたものの、渚は本当は寂しかったのだ。
自分の母親が本番を観に来ない事が寂しくないわけが無いのだ。
今までそんな事に気づいていなかった自分に憤りを感じた憲人は、もう一度渚の母親を説得する事にした。思い切って渚の母親に連絡を取り、舞台を観に来て欲しいと頼むと意外にもあっさりと了承してくれた。
ただとても忙しそうにしており、電話口から聞こえる音はとても騒々しい。不思議に思った憲人だったが、何気なく点けていたテレビから流れるニュース番組を観て驚いた。
ニュース番組では通り魔事件の犯人が逮捕されたと報道されており、そこに映っている担当の警察官こそが渚の母親だったのだ。
渚の母親は公務員だとは聞いてはいたが、まさか警察官だとは思っていなかった憲人。
渚の稽古に来られなかったり本番に来られるか分からないと言っていたのはこの事件が原因で、急に本番に来られるようになったのは事件が解決したからかと憲人は納得した。
ようやく渚の舞台を観てもらえると分かった憲人は、本当に嬉しく思った。
子供能の本番当日、渚を始めとした子供たちは見事に役を演じ切り舞台は無事に終了した。客席には渚の母親の姿もあり、改めてほっとした憲人だった。
子供能の本番の前日に、憲人はなかなか葉月に会えないという話を彼女の兄である芳年にしており、そこで誕生日を聞いていた。
葉月との仲を修復させる為にも、この日に葉月に会いに行こうと決めていた憲人。そして誕生日当日、憲人は大きな花束を持って葉月の家にやって来た。
出迎えてくれた葉月は嬉しそうに大きな花束を受け取り、憲人にお礼を言って花束を兄の芳年に渡した。不思議に思った憲人が葉月に尋ねると、今日は芳年の誕生日だったのだ。
憲人が葉月の誕生日を聞こうとして、芳年に「誕生日は?」と聞いた時、彼が答えたのは自分の誕生日だったのだ。
それを知った憲人は残念に思ったが、お世話になっている芳年の誕生日を祝えるのも嬉しい事だと思い良しとした。
『花よりも花の如く』の登場人物・キャラクター
相葉家の能楽師たち
榊原憲人(さかきばら のりと)
主人公。本名は「のりと」だが家族も含め周囲からは「けんと」と呼ばれている。
幼少時から能楽師の母方祖父の下、修行を続け、22歳で6世相葉左右十郎の内弟子となる。
初シテは「経正」。
幼少時に父方の伯父の家に、神主の後継として養子にいった弟の西門とは、表面化はしないもののお互いに心を開いて話せないようなわだかまりがある。仲は良い。
顔の造作は悪くないものの、イケメンではない。ドラマ出演まではメガネを掛けていた為家族からは「のび太」と呼ばれている。
ドラマで共演した能楽師の宮本芳年の妹・葉月とは趣味のジャズを通じて仲良くなり、様々な意思の食い違いもありながら、付き合っていくことになる。
付き合い始めてからも、互いの気持ちの擦れ違いが多い。
能一筋だった憲人だったが、2時間ドラマ「石に願いを」に能楽師役の準主役として出演し、共演者や周囲との交流から、能以外の表現の世界も知っていくことになる。
このドラマが縁となり、主演俳優の藤井琳が弟子になる。
コミックス9巻の辞典で匠人のお礼参りに道成寺に同行。左右十郎の発言がきっかけとなり、30歳になった時に「道成寺」のシテを初めて演じることが決まっている。
相葉尋人(あいば ひろと)
能楽師。観世流と思われる創風会の責任者であり、6世相葉左右十郎(あいばそうじゅうろう)。
コミックス11巻にて名跡を長男の相葉匠人に譲り、自身は相葉泰一(あいばたいいつ)を名乗る。
シテ方。稽古は厳しく時には手も出るほどだが、それは能に対しての真摯な態度の表れであり、憲人を初めとする弟子たちの悩みには、丁寧に相談に乗る。
自身の後継者を憲人にするか西門にするか悩んだこともある。
相葉匠人(あいば たくと)
七世相葉左右十郎。創風会のシテ方の能楽師。芸風は豪快だけれども繊細さも兼ねている。
憲人の母方の伯父で、海人の父親。
「お父さん、女の人になってる時は怖くない」と移動中の列車の中で言われてしまい、社内販売の乗務員に誤解を受ける。
創風会所属の能楽師たち
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目次 - Contents
- 『花よりも花の如く』の概要
- 『花よりも花の如く』のあらすじ・ストーリー
- 能の世界
- 次々訪れる出会い
- 思わぬ新弟子
- 葉月との関係
- 子供の気遣いから学ぶこと
- 『花よりも花の如く』の登場人物・キャラクター
- 相葉家の能楽師たち
- 榊原憲人(さかきばら のりと)
- 相葉尋人(あいば ひろと)
- 相葉匠人(あいば たくと)
- 創風会所属の能楽師たち
- 森澤楽(もりさわ がく)
- 相葉海人(あいば かいと)
- 渡会直継(わたらい なおつぐ)
- 渡会直角(わたらい なおずみ)
- 五十嵐陽一(いがらし よういち)
- 石井安貴(いしい やすたか)
- 岩村栗太郎(いわむら くりたろう)
- その他の能楽師たち
- 宮本芳年(みやもと ほうねん)
- 坂元宏哉(さかもと ひろや)
- 白石航(しろいし こう)
- 五十嵐市祐(いがらし いちすけ)
- 中澤隆生(なかざわ りゅうせい)
- その他登場人物
- 宮本葉月(みやもと はづき)
- 藤井琳(ふじい りん)
- 麻生由規(あそう よしのり)
- 武内望(たけうち のぞむ)
- 榊原家の家族
- 榊原西門(さかきばら さいもん)
- 榊原高則(さかきばら たかのり)
- 榊原彩紀(さかきばら さいき)
- 榊原高志(さかきばら たかし)
- 榊原冴子(さかきばら さえこ)
- 榊原涼音(さかきばら すずね)
- 『花よりも花の如く』の用語
- 能
- シテ方
- 地謡
- 後見
- 狂言方
- ワキ方
- 連雀
- 若女(わかおんな)
- 直面(ひためん)
- 道成寺
- 『花よりも花の如く』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「本当に僕はやっていないので、こういうのも変ですけどどういう結果に終わっても、ずっとあなたを信じて認める人がいるように祈ってます」
- 「もう染めません」
- 「一度やるとくせになるぞ。キモチいいよー」
- 「なんと私の方が彼を知らなかったのです。『天晴れな敵』ではないか!
- 「木霊する囃子の音とか、暮れていく空とか、地平線、星も見え始めて、すべてがカンペキだ!止めたくない!と思っちまったのよ」
- 『花よりも花の如く』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 電子書籍版の1巻にはスピンオフが収録されている
- 「石に願いを」の漫画がある