花よりも花の如く(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『花よりも花の如く』とは、2001年より白泉社の『月刊メロディ』にて連載の開始された、日本の伝統芸能『能』をテーマに描かれた成田美名子による漫画。
2006年より掲載誌が隔月刊誌『MELODY』にリニューアルした。
元々は同作家の連載『NATURAL』のスピンオフの読み切りから始まり、連載になった作品。
榊原憲人は幼い頃から祖父の元で能楽師として修行を積んでいた。憲人は様々な人物と出会いながら成長していく。
笛方。暁光会のメンバーで芳年の幼馴染で、仲が良い。
五十嵐市祐(いがらし いちすけ)
囃子方の重鎮。左右十郎の幼馴染でもある。
妻とは数年前に死別し、プレゼントの手袋を大切にしていたが、ニューヨークで失くしてしまい、森澤楽の能力で見つける。
楽の茶髪に「なんだ、その頭は。舞台に立つなら黒くしなさい」と言い、地毛であることを楽に告げられても「そんなことはお客様にわからないだろ。やるべきことをやってまわりに認めてもらうまで控えなさい。邪魔になる」など、厳しい言説が多い。それゆえか自身の言った言葉ではなくても、厳しい意見があると市祐先生かと憲人からも誤解を受けることがあった。
中澤隆生(なかざわ りゅうせい)
他派のシテ方だが、病気の為地謡に専念していた。
憲人の曽祖父とは友人同士で戦前からの付き合いがある。
鬚を生やしている為、海人からは「ゴッホ先生」と呼ばれ、現在妻と二人暮らし。
憲人のドラマ出演の際に「道成寺も披いていないのに賛成できん!」と反対していた。(憲人は市祐先生だと思っていた)
憲人が京都の骨董屋で見つけてきた若女の面を、曾祖父が道成寺の際に使っていた行方不明の面だと指摘する。
そのことからシテ方に一日のみ復活し、「井筒」にてその面を使用して演じる。
音楽が好きでレコードを沢山集め、家でもプレイヤーで聞いている。
葉月の祖父と仲が良かった為、葉月の演奏も聴きに行っていた。
憲人と葉月の進展しない間柄に気が付いていたのか、二人に内緒でお見合いを勧める。
その他登場人物
宮本葉月(みやもと はづき)
狂言師宮本芳年の妹で狂言師一家の娘。プロのジャズピアニストで女優。
兄同様、少々変わった物の見方、考え方をする。
以前交通事故に巻き込まれたことをきっかけに、ストーカー行為に遭い、5年間コンタクトがなくてほっとしていたものの、嫌がらせのメールが再開した為、憲人に相談する。
憲人と共に京都まで行き、ストーカーを探しあてるが、本人は病気で故人となっており、息子に対する無念の思いから、息子の携帯を使用して母親が葉月に嫌がらせのメールをしていたことがわかる。
女優よりはピアニストとしての思いが強い。
素直な性格ではない為、葉月の気持に寄り添おうとする憲人の気持ちを拒否したり、憲人の親切な性格から、弟子たちのトラブルに彼が巻き込まれることを、嫉妬心もあり嫌うが、何事にも強い意志とポリシーを持つ。
藤井琳(ふじい りん)
俳優。テレビドラマ「石に願いを」の主役として憲人と知り合う。
撮影中も食事に誘ったりと、憲人に対し気遣いと関心を寄せる。
撮影終了後、憲人に弟子入りし、能でも飲み込みの早さから才能を見せる。
気さくな性格で、憲人の能以外での友人でもある。妻子がいる。
麻生由規(あそう よしのり)
葉月の友人の兄。以前葉月がストーカーに遭った際に妹と共に相談に乗っていた。
憲人と葉月が春日大社に行った時に、二人が別れてから車で迎えに来た姿を憲人に見られていた為、憲人は二人の間柄を少々誤解していた所があるが、由規も葉月にひそかな思いを寄せている為、憲人の予感は外れてはいない。
大手の広告代理店をやめ、東京でNPO団体を立ち上げる。
憲人にも講師として協力を求める。
外交的でバランスの取れた性格。
武内望(たけうち のぞむ)
憲人が酔ってしまい、深夜高尾山で迷子になった際に助けてくれた盲目のマッサージ師。
王子様と呼ばれるような綺麗な顔立ちをしており、趣味でヴァイオリンも弾いている。
マッサージもヴァイオリンも腕前は素晴らしく、以降能の演目を終える度に体を調整する為、憲人は望の治療院に通い様々な相談をする。
ヴァイオリンを演奏している動画を、ネットにアップした処大きな反響があり、CM出演するまでになる。
冷静で理性的な人柄。
榊原家の家族
榊原西門(さかきばら さいもん)
前作『NATURAL』で活躍していた。憲人の弟。5歳の頃に青森の父方の伯父の下に神主の後継ぎとして引き取られており、ずっと憲人たちとは一緒に住んでいなかったが、自身が神社の神職として携わった結婚式で花嫁に「ひどいわ、西門。私がお嫁に行っても平気なのね?!」と抱きつかれてしまい、父より仕送りを止められ、実家に住むことになる。
男女共に人を魅きつける魅力があるが、本人は割と真面目な性格の為、損をしてしまうことがある。
弓道の腕も高いが現在は神職と兼ねて出来るように、美容師の専門学校に通学中。
幼少期に実の家族と離されてしまったことから、内心わだかまりがあり憲人とも中は良いが感情の全てを見せられる間柄ではない。
自身では幼少期に分かれた母親への気持ちが、わだかまりの素ではないかと感じている模様。
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目次 - Contents
- 『花よりも花の如く』の概要
- 『花よりも花の如く』のあらすじ・ストーリー
- 能の世界
- 次々訪れる出会い
- 思わぬ新弟子
- 葉月との関係
- 子供の気遣いから学ぶこと
- 『花よりも花の如く』の登場人物・キャラクター
- 相葉家の能楽師たち
- 榊原憲人(さかきばら のりと)
- 相葉尋人(あいば ひろと)
- 相葉匠人(あいば たくと)
- 創風会所属の能楽師たち
- 森澤楽(もりさわ がく)
- 相葉海人(あいば かいと)
- 渡会直継(わたらい なおつぐ)
- 渡会直角(わたらい なおずみ)
- 五十嵐陽一(いがらし よういち)
- 石井安貴(いしい やすたか)
- 岩村栗太郎(いわむら くりたろう)
- その他の能楽師たち
- 宮本芳年(みやもと ほうねん)
- 坂元宏哉(さかもと ひろや)
- 白石航(しろいし こう)
- 五十嵐市祐(いがらし いちすけ)
- 中澤隆生(なかざわ りゅうせい)
- その他登場人物
- 宮本葉月(みやもと はづき)
- 藤井琳(ふじい りん)
- 麻生由規(あそう よしのり)
- 武内望(たけうち のぞむ)
- 榊原家の家族
- 榊原西門(さかきばら さいもん)
- 榊原高則(さかきばら たかのり)
- 榊原彩紀(さかきばら さいき)
- 榊原高志(さかきばら たかし)
- 榊原冴子(さかきばら さえこ)
- 榊原涼音(さかきばら すずね)
- 『花よりも花の如く』の用語
- 能
- シテ方
- 地謡
- 後見
- 狂言方
- ワキ方
- 連雀
- 若女(わかおんな)
- 直面(ひためん)
- 道成寺
- 『花よりも花の如く』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「本当に僕はやっていないので、こういうのも変ですけどどういう結果に終わっても、ずっとあなたを信じて認める人がいるように祈ってます」
- 「もう染めません」
- 「一度やるとくせになるぞ。キモチいいよー」
- 「なんと私の方が彼を知らなかったのです。『天晴れな敵』ではないか!
- 「木霊する囃子の音とか、暮れていく空とか、地平線、星も見え始めて、すべてがカンペキだ!止めたくない!と思っちまったのよ」
- 『花よりも花の如く』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 電子書籍版の1巻にはスピンオフが収録されている
- 「石に願いを」の漫画がある