君に届け(君届)のネタバレ解説・考察まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂が別冊マーガレットで2006年1月号から連載していた少女漫画である。全30巻。
見た目が暗く周りからも「貞子」と呼ばれる女子高生の黒沼爽子。高校一年生の爽子が友情や恋愛などを通して成長し、高校を卒業して新たな生活を始めるまでの青春を描いた作品。
32回講談社漫画賞少女部門を受賞したほか、2度のアニメ化や実写映画化がされている。

声:平野綾 / 演:桐谷美玲

好きな言葉は「用意周到」で、あだ名はくるみ。
本名である梅にコンプレックスを抱いている。そのため、読んだ人の名前を書き連ねたノートまである。
趣味は世論操作。爽子の噂話を流したことからも、得意なようだ。
学校一かわいいとの声もあるほど人気が高いが、それも努力の結果。
受験勉強でもその努力家な面は伺え、最初は敵視していた爽子とは親友と言えるほどの関係になった。
計算高い一方で悪者になり切れない性格。

三浦 健人(みうら けんと)

声:宮野真守

好きな言葉は「博愛精神」で、いつも多くの女の子に囲まれている。風早とはまた違う意味での人気者。
あだ名はケント。爽子だけは師匠と呼び、頼りにしている。
爽子にかまっていたように、女の子の世話を焼くことが趣味のようだ。
ちゃらちゃらしているように見えてきちんと人のことを見ている。

『君に届け』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

風早と爽子が初めてきちんと向き合って話した場面

爽子は、風早が伝えたことをそのまままっすぐに受け止めてくれたことに衝撃を受ける。
それだけでなく、本名をためらいもなく言ってくれた。
この時を境に、爽子はこれまであきらめていた自分の気持ちをきちんと人に伝えるように努力し始める。

『ピュアホワイト』

爽子が純粋すぎることに対して、ちづが思わずつぶやいた言葉。
噂の出所を確かめるために聞いたあやねとちづに対して、爽子が見せた反応が明らかに彼女ではないという意味での白と、噂の意味が分かっていないという純粋な意味での真っ白がかかっていると考えられる。
爽子の素直な性格とちづの情に脆いことがよくわかる一言。

『友達って気づいたらもうなってんの!』

噂話のせいでぎくしゃくしていた爽子、やのちん、ちづの三人が仲直りし、以前よりも絆がぐっと深まった。
そして、クラスメイトの2人の女生徒と話していた爽子にちづ達がかけた言葉。
友達に憧れて、まだ友達というにはおこがましいとさえ思っていた爽子に響いたはず。

『風早がすきになってくれなきゃ意味がないじゃん!!』

かわいいと爽子に言われてそう答えたくるみ。
くるみは、ただかわいいのではなく、努力をしてその位置を作り上げていた。
だからこそ、爽子が風早に何のアプローチもせずにかまってもらえていることに腹を立て、無神経にそう言われたことで本音が出た。
不特定多数の意見よりも、好きな相手に同じように好かれたいと思う恋する女の子の主張。

ちづが爽子に喝を入れる場面

風早が爽子のことを好きなのではないかと噂がで、彼からも告白のようなことをされる。
しかし、彼女はこれまでの経験から素直にその言葉を受け入れられず、すれ違うようになってしまう。
そんな状態に、ちづは我慢できなくなり、爽子に目を覚ますように『鈍さに慣れるな!!』と訴えかける。
一緒に過ごしてきた時間までも否定されているように感じてしまったからだ。
この言葉に背中を押され、爽子は風早に自分の気持ちを伝える決心をする。

自分の進む道に悩むあやねにピンが教師らしく声をかける場面

爽子やちづが見ているこっちが恥ずかしくなるような純粋な恋愛をしていることに、眩しく感じていた。
また、ケントからもわかりやすく大事にされていることを伝えられ、進路に対してもそれでいいのかと聞かれるたびにむしゃくしゃしていたあやね。
そんなもやもやした感情にどう向き合えばいいのかわからず、ケントに八つ当たりをしてしまう自分にいら立っていた。
その時、いつもはおちゃらけていて教師らしくないと思っていたピンから、きちんとその悩みと向き合えと言葉をかけられる。
彼の言葉や爽子たちがそれぞれに進路に向けて頑張る姿から、自分の進む道をどうするのか逃げずにあやねは考え、行動する。

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