LISA RPG(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『LISA』とは、世界終末(ポストアポカリプス)系ロールプレイングゲームの三部作。
ディンガリング・プロダクションズが開発・販売を行い執筆・ゲームデザイン・作曲はオースティン・ジョーゲンセン。
1部と2・3部とでゲームスタイルや舞台としている世界が異なるが、全作品通してポップな絵柄とは裏腹に陰鬱とした狂気的な世界観は多くの支持を得た。

前作の主人公リサの兄であるブラッドが主人公。
オレイサと言う町を舞台に始まる。
前作から数年経ったこの世界では女性が絶滅、リサは自殺し故人となっていた。
ブラッド自身もリサの自殺をきっかけに心を病み、荒れ果てた世界に蔓延した麻薬『ジョイ』の中毒者となる。
物語は彼が女の子の赤ん坊を拾うところから始まる。
荒野に置き去りにされていた赤ん坊を見てブラッドは『どういうことなんだ…』と呟く。彼は戸惑いながらも赤ん坊を抱きかかえ家に連れていくことに。
家に着くと、三人の男たちが居た。
男たちの名はリック、スティッキー、チークス。ブラッドは幼馴染でもある彼らと身を寄せ合い暮らしていた。
話のさなか彼らは赤ん坊が女の子であること知り、この世界でも特に力を持っていたランドー軍に彼女を差し出すことを提案する。
ランドー軍はその日その日を生きるのに精一杯な彼らとは違い、豊富な食料を持っていた。
赤ん坊を軍に差し出せば自分たちも軍の一員になれると考えたのだ。
しかしブラッドは『この子は誰にも傷つけさせはしない』とそれを拒否、赤ん坊をバディと名付け育てることにする。
リックたちも彼らを放っておけず協力することにした。

それから数年の月日が経った。
ブラッドが家に帰ると家の周りには血だまりが出来ており、家の前には息も絶え絶えのチークスの姿があった。
チークスは『秘密がばれた、あの子が行ってしまった』と言い残し死んでしまった。
バディの存在がどこからか漏れ、ブラッドがいない間に家は襲撃を受けていたのだ。
家の中には見知らぬ男の死体が二人、そこにバディたちの姿はなかった。
ブラッドはバディを取り戻すため旅に出ることになる。

死体だらけの町

町へたどり着いたブラッドは、いたるところに張り出されたポスターにバディの顔が描かれているのを見つける。
バディの存在はこの少しの間に広まってしまっていた。
先へ進むブラッドは置き去りにされた一台のトラックと、橋が壊れ崖になっている場所へたどり着いた。
近くにいた男に話を聞くと、大勢の男が女の子を求めてここを通ったが二人の男が橋を切り落としてしまった、しかし三人の男がトラックの中に女の子を見つけたと言い出し、女の子と共に男たちを工場に招き入れたと話した。
工場にたどり着いたブラッドは三人組を見つけ話を聞こうとするが、彼らはブラッドがハゲていることを理由に襲ってくる。
三人組を倒し奥の部屋に進むブラッドだったが、そこにバディはおらず、ファーディという男が縛られていた。
ファーディは自分がトラックの運転手であること、バディがトラックから逃げていったこと、自分のトラックに壊れた橋を直す道具がある事を話した。

リックに問い詰めるブラッド

ファーディに橋を直してもらい、先に進むブラッドは道中で道端にしゃがみ込むリックを見つける。
ブラッドはリックが生きていたことを喜ぶが、彼はブラッドを突き飛ばし走り去っていく。
バディはこの世界に存在するたった一人の女性、リックは人類の未来のためにバディをランドー軍に差し渡そうとしていたのだ。
ブラッドはバディはどこだと問い詰めるが、リックは反応しない。
殴ってでも聞き出そうとするが口を割らないリックに、ついにブラッドは棍棒を手に取りリックの顔面に叩きつけた。
何度も棍棒で打つとバディはスティッキーとこの先の洞窟でランドーを待っていると言うが、最早彼の耳には届かない。
ブラッドはリックが動かなくなるまで棍棒を振り下ろし続けた。

バッゾーと部下たち

洞窟へと進むとブラッドは仮面を着けた男たちに囲まれていた。
仮面の集団のボス・バッゾーはブラッドたちを拘束し、道中で仲間になるキャラクターの中から一人選んで『彼が好きか?』とブラッドに問う。
そして『証明してみろ、お前の腕か仲間の命どちらかを差し出せ』と言い放った。
プレイヤーはこの二択を迫られ、仲間か腕を失うことになる。
選択を終えるとバッゾーは居なくなっていた。
洞窟を越えると血まみれの男がいた。
男は『俺はもう死ぬが傍らにあるバイクはあの世には連れていけない』とバイクをブラッドに渡し絶命する。
ブラッドはバイクに乗り道を急ぐが、仮面の大男にぶつかり吹き飛ばされてしまう。
ブラッドがぶつかった仮面の大男はランドーだった。
彼はお詫びの品として我々の食糧を全て渡すと手下を介して言うと、その場を去っていった。

遂にバディを見つけたブラッド

ブラッドが先へ進むと、荒野に生えた一本の木に仮面が引っかかっているのを見つけた。
その仮面は昔ブラッドが外に出たいと泣くバディに、性別がばれない様にと作った仮面だった。
バディは少し先の洞窟の中にいた。
バディはブラッドに『どこにいたんだ?スティッキーやリックはどこだ?』と聞くが、ブラッドはどもるように『分からない、それよりここを出なくては』と言った。
バディは拒否する、ブラッドと暮らすのはもう嫌だと。
さらにこれから『自分の身に何が起こるか知ってる、スティッキーが教えてくれた』と続けた。
性知識のなかったバディにスティッキーはそれが何たるかを教えていた。
スティッキーがバディに手を出したと思ったブラッドは彼女を怒鳴り、バディを連れ洞窟を出るが仮面の男に殴られ気を失ってしまう。

ブラッドが目を覚ますと目の前にはバッゾーが居た。
彼はバディを人質に取るとジョイを飲むことを強要し、拒否すればバディを傷つけた。
そうしていくつものジョイを飲まされたブラッドは気絶してしまう。

傷だらけのスティッキー

目が覚めたブラッドの近くには仮面の男の死体と、傷を負ったランドー軍の兵士がいた。
兵士は仮面の男たちはランドー軍が封鎖している道へ向かったと言う。
ブラッドがそこへ向かうと、傷だらけのスティッキーが倒れこんでいた。
スティッキーはブラッドに『お前には謝罪を言う資格すらない、俺は世界が救われるのをしかと見届けた』と言う。
とどめを刺そうとするブラッドだが、そこにリックが割り込んでくる。
『スティッキーを傷つけないでくれ』と頼むリック。
プレイヤーは彼らを生かすか焼き殺すかの選択を迫られる。
選択を終えると彼らはブラッドの前から居なくなっていた。

先へ進むブラッドは仮面の男に襲われバッゾーが現れる、彼の傍らにはバディの姿が。
バッゾーは三人の仲間の命か、バディの乳首を切り落とすか選べと言い放った。
プレイヤーが選択を終えるとバッゾーと手下たちは姿を消していた。

道を進むとバッゾーが佇んでおり、ブラッドは彼からバディに逃げられたと聞かされる。
そしてバッゾーはブラッドに『君の腕か君の所有物全てを自分にくれ』と言い、プレイヤーはまたも大きな選択をすることになる。
選択を終えるとバッゾーは居なくなっていた。

父親との再会

先へ進むブラッドは、バディにゴムボートを奪われたターディという男に出会った。
ゴムボートを建造できた暁には、彼女の元へ連れて行ってくれると言う。
各地からゴムボートの部品を集めたブラッドは完成したボートにターディのみを乗せ、仲間たちには内緒で出発させた。
島に着いたブラッドはバディに手を出させないようターディを殺した。
洞窟の中に入っていくと、中にはバディとブラッドの父親マーティがいた。
マーティは幼少期に自分や妹リサを虐待し、リサが自殺するきっかけを作った張本人。
怒りを抑えきれないブラッドはバディの制止を振り切り、マーティを殺そうとする。
ブラッドに傷つけられ、息も絶え絶えのマーティは『俺は変わった。リサ、そしてお前も…すまなかった』と呟く。
この言葉がきっかけでジョイの禁断症状に飲まれたブラッドは彼を殺害し、そのまま気絶した。
ブラッドが目を覚ますとバディはゴムボートを使い場を離れた後だった。
ブラッドはターディの死体をボート代わりにして彼女の後を追う。

ランドー軍を皆殺しにするブラッド

ブラッドはたどり着いた島でバディが男に捕まっているのを目撃する。
男はスティッキーの父親だった。
彼はバディの顔に傷をつけると、『これで彼女は自分のものだ』と言う。
ブラッドはスティッキーの父親を殺し、バディに着ていたポンチョを渡した。
バディは『自分にとっては出会ったばかりのマーティのほうがいい父親だった』と言い、ブラッドの元から走り去っていく。
後を追うと彼女はランドー軍に囲まれていた。
ブラッドはバディに帰ろうと言うが、バディは彼の元を去っていった。
さらに仲間たちが現れブラッドの前に立ちふさがる。
ブラッドはかつての仲間たちとランドー軍を凄惨な戦闘の末に皆殺しにすると、最後にランドーと対峙する。
ランドーは彼女は未来の希望だ、こんなことはしなくてもいいはずだと言うが、最早ブラッドに声は届かない。
ブラッドに負けたランドーは貴方が一番の師だ、と言い倒れる。
彼はブラッドの義理の息子だった。

二人の結末

ブラッドはゆっくりとバディの元へ歩み寄ると、最後に抱きしめてくれないかとバディに懇願した。
プレイヤーは彼の願いを受け入れ、二人を『家族』として終わらせるか否かを選択する。

選択を終えるとブラッドは膝から崩れ落ちてしまった。
ふり絞るように『これでよかったんだろうか?』と呟くと、ついに彼は動かなくなった。

LISA: the Joyful

ボロとその部下たち

物語はLISA: the Painful のエンディング後の話。
異形の怪物になったブラッドが寝ているバディを襲うところから始まる。
しばらくブラッドと戦闘を続けるとバッゾーが現れ彼を止める。
バッゾーはお前のした選択は間違いだったと言い残し、ブラッドを連れてどこかへ去っていった。

歩みを進めるバディの前に、ボロという男が手下と共に彼女を襲う。
そこに満身創痍のランドーが現れ彼らを制止、同時に現れた怪物がボロたちを襲いだし、バディたちはその隙に逃亡する。
逃げ込んだ洞窟で、バディは世界を再生するために助けになりたいとランドーから聞かされ、彼を仲間に受け入れた。

『リスト』

バディは道中で何人もの名前が書かれた石板を目の当たりにする。
それはリストと呼ばれており、上から順にオレイサで強い権力を持った人物が記載された物だった。

先へ進む二人だったが洞窟内で襲われ気絶させられてしまう。
ランドーが目を覚ますと彼の仲間たちが居た。
彼らはあまりにも手に負えないバディを縛った事、彼らの仲間の一人がバディを襲ってしまい、これからバディに弁明をしに行こうとしている事を話した。
あまりにも血を流しすぎたランドーは再度気絶する。
彼が再び目を覚ました時にはランドーの仲間三人の内二人はバディに殺されていた。
バディは彼らのことを知っていたのかとランドーに問うが、ランドーは知らないと答える。

ファーディ・ヘルナンデスとの邂逅

それからしばらくの時が過ぎた。
バディはランドーに以前見たリストの一番上に自分の名前を刻みたいと伝える。
戸惑うランドーだったが、彼女に協力することにした。
二人は権力者の一人ファーディ・ヘルナンデスの所へ行き、彼を殺した。
ファーディはオレイサの半分の部分に物資を供給し、多くの人のためにその身を犠牲にしていた。

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