カードファイト!! ヴァンガード(2018アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』はオー・エル・エムが製作するアニメ。ブシロードの人気トレーディングカードゲームをもとにした、2011年から続くアニメシリーズの1作である。従来のキャラクターが登場するが、これまでのシリーズとは時系列上のつながりのない作品となっている。気弱な少年、先導アイチがヴァンガードを通じて仲間と出会い成長していく物語。

アイチたちが住む町にある学校。初等部・中等部・高等部がある。ミサキが高等部に、エミが初等部に通っているほか、アイチが初等部の卒業である。

アイチは宮地学園初等部に通っていたときにいじめを受けていたので、中学校は中等部ではなく後江中学校に進学した。だが、高校進学にあたり、かつて通っていた宮地学園の高等部に進学することを決める。ミサキやエミは、小学校の頃のいじめっ子たちと再会してしまうのではないかと危惧するが、アイチは自分の過去に向き合うため、あえて宮地学園への進学を決める。

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

櫂トシキ「いいか、イメージしろ! そいつみたいに強くなった自分を!」

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幼少時代、偶然出会った少年・アイチが学校でいじめられていることに気づいた櫂はアイチにヴァンガードを教える。その別れ際、アイチにレアカード「ブラスターブレード」を渡した時に言ったセリフである。それ以降、「ブラスターブレード」のカードはアイチにとって単なるカードではなく、強さへの憧れの象徴となる。

「イメージが力となる」というのは本作のキーワードであり、「イメージ」というワードは作中に度々登場する。その一番最初に使われたのがこのシーンである。

戸倉ミサキ「クズ!クズ!ドクズ!」

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カードキャピタルでカムイのカードが対戦相手にネコババされるという事件が発生するが、相手の青年は、このカードは最初から自分のものだったとしらを切る。だが、ミサキは特殊な記憶能力によって店内で行われたすべてのファイトと使われたカードを覚えており、青年がそのカードを使ったことは一度もないと断言。しらを切り通そうとする青年に対して「クズ!」と罵声を浴びせ、店から追い出した。

「お客様は神様です」という言葉が拡大解釈され、店員に対して横柄な態度をとる客が増え、店側も客を丁重い扱いすぎる結果強く出れないということが問題化している昨今、客であろうとルールを守れない人間に対しては容赦なく罵り、出入り禁止にするミサキの姿はとてもかっこよかった。

先導アイチ「森川君は、僕の恩人なんだ」

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アイチのCF研究部入部をかけてアイチは森川とファイトをし、勝利を収める。
もう一つ、アイチはもし自分が勝ったら、森川に一つだけ頼みを聞いてほしい、と条件を出していた。条件通り、森川はアイチの頼みを聞くことに。それは、アイチと一緒にカードキャピタルへ行くことだった。櫂に負けて以来、プライドが邪魔してカードキャピタルに行けなくなっていた森川に、キャピタルに戻るきっかけを作るアイチ。森川は、アイチを殴ってカードを奪った自分にどうしてそこまで優しくするのかと尋ね、それに対する答えがこのセリフである。

アイチは森川を追いかけてカードキャピタルに行ったことで、櫂と再会し、ヴァンガードを始めることができた。だから、森川はアイチにとって恩人なのだ、と。
さらにアイチは、その時の森川は「強いカードを手に入れて強くなりたかったんだよね」と、森川に理解まで示す。アイチの優しさに触れた森川はアイチに謝罪しようとするが、アイチはカムイとしゃべっていて森川の謝罪に気づいていなかった。
どうやら、アイチは森川に謝罪してほしいとは全く思っていなかったようだ。アイチの懐の大きさを感じさせるシーンである。

蒼龍レオン「風を感じたことは?」

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ヴァンガードのアジアチャンピオンである蒼龍レオンは物事を「風」で表現することを好み、この「風を感じたことは?」というセリフは、第6話に限らず、たびたびレオンが口にする。初対面の人間、初めてファイトする人間に向かって言うことが多い。言われた方は大抵が何のことかわからず、怪訝な顔をするのだが、実はこの「風」というのは一部のファイターに発現する、ファイトの流れを読む力「PSYクオリア」のことを指している。

レオンはまだヴァンガード初心者のアイチになぜか関心を示し、ショップ対抗戦でも対戦相手にアイチを指名する。なぜ、レオンがアイチにそこまで興味を示すのか、劇中で具体的な理由は明かされていないが、レオンはアイチにも「風を感じたことは?」という質問をぶつけており、自身もPSYクオリアを使えるレオンは、アイチにPSYクオリアの才覚があることを直感的に感じていたのかもしれない。

櫂トシキ「イメージしろ。惑星クレイに無残に散る、自分の姿をな…」

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カードキャピタルを襲撃したフーファイター・川並とファイトをする櫂。最初は川並が森川にこのセリフを言っていた。櫂とのファイトでは当初、川並が優勢だったが、櫂が「ドラゴニック・オーバーロード」の連続攻撃を活かせる状況を時間をかけて築き上げたことで状況は逆転、川並はダメージ5まで追い込まれる。この時に櫂が言ったセリフ。櫂に気圧され、VFグローブの激痛を恐れた川並は決着がつく前に逃げ出してしまう。

櫂は川並とのファイトで激痛を覚悟でノーガードを選択してきた。激痛に苦しみながらも櫂はノーガードを選択することで手札を温存して、「ドラゴニック・オーバーロード」の連続攻撃ができる状況に盤面を整え、一気に川並を追い詰めた。戦略のために苦痛を覚悟でカードを温存する櫂の姿がとにかくカッコ良い。

先導アイチ「このカードを拾うのは君じゃない。君が拾うんだ!」

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カムイは宿敵であるキョウにファイトを挑むが、敗れてしまう。敗者を軽視するキョウはカムイのデッキを手に取ると、あざ笑うように床にぶちまける。ナギサは泣きながらカムイのカードを拾うが、アイチがナギサの肩に手を置いてこのセリフを言う。セリフの中の「君」に具体的な名前を入れると、「このカードを拾うのはナギサちゃんじゃない。キョウ君が拾うんだ!」となる。

「ブラスター・ブレード」のカードをお守りとして大事にしてきたアイチにとって、敗者を軽視し、他人のカードをぞんざいに扱うキョウの行動は許せるものではなかった。怒りをあらわにするアイチだったが、決して声を荒げることなく、静かに、それでいて強い言葉で怒りを表現する様は実にアイチらしい。

戸倉ミサキ「予想の範囲内ならば、これくらいの痛みなんでもない」

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フーファイターからカードキャピタルを守るため、AL4の一人・鳴海アサカとファイトするミサキ。この時、ミサキは初めてVFグローブの撃つを体感するが、悲鳴を上げることはなかった。その理由がこのセリフ。ミサキはこの前日から、VFグローブを使ったバトルを3回見ている。そのためどの程度の苦痛を感じるかは予想がつき、予想さえしていれば痛みはこらえられるという。
だが、そばで観戦していた三和は、それがミサキの嘘であることを悟る。三和もVFグローブの苦痛を体感しており、予想していたからと言って耐えられるようなものではないことを知っている。店を守るため、アサカに弱みを見せまいと、ミサキは必死で激痛に耐えていたのだ。

ちなみに、その後、アサカもミサキの真似をして、VFグローブの激痛を予想して備えるが耐えられず、「予想したけど痛かったじゃない!」とミサキに文句を言っている。

先導アイチ「僕にとってのヴァンガードは、つながりなんです」

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