カードファイト!! ヴァンガード(2018アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』はオー・エル・エムが製作するアニメ。ブシロードの人気トレーディングカードゲームをもとにした、2011年から続くアニメシリーズの1作である。従来のキャラクターが登場するが、これまでのシリーズとは時系列上のつながりのない作品となっている。気弱な少年、先導アイチがヴァンガードを通じて仲間と出会い成長していく物語。

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フーファイターの新城テツとファイトするアイチ。テツは「自分が勝ったら、『ヴァンガードは自分にとって何なのか』を聞かせてほしい」とアイチに要求する。
ファイトの結果はテツの勝利。アイチはテツの要求通り、「ヴァンガードは自分にとって何なのか」を答える。その答えがこのセリフである。

ヴァンガードと出会ったことで櫂と再会でき、カードキャピタルの仲間たちや、森川ら学校での友達、ヴォヤージュのファイターたち、さらにはフーファイターとも出会うことができた。学校で友達がおらず、いじめられていたアイチにとって、ヴァンガードはつながりそのものなのだ。
それを聞いたテツは「お前はレンに似ているな。櫂にも…」と返す。

家庭に居場所がなくヴァンガードが唯一の逃げ場だったレン、大人たちのウソに触れ続け、ヴァンガードファイトが唯一人の本音に触れられる場所だった櫂。
「ヴァンガードが唯一の居場所である」、この三人はこの点でとても似ている。

ちなみに、テツは「自分が勝ったら」という条件でアイチに答えるように迫ったが、たぶん、アイチはそんなことしなくても、普通に聞けば教えてくれたと思う。

櫂トシキ「カードを捨てろ、アイチ」

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フーファイターのアジトに乗り込んでいった櫂。そこで櫂はアイチがPSYクオリアを持っていることを知る。レンがPSYクオリアに目覚めてから敗者を見下すようになり、人格を歪めていったのを間近で見ている櫂は、アイチもそうなってしまうことを恐れる。アイチがこれ以上PSYクオリアの力に目覚めないようにするため、櫂はアイチにカードを捨て、ヴァンガードをやめるように迫る。だが、アイチは「カードを捨てたら、今までの無力な自分に戻ってしまう」と、櫂の要求を拒否する。

アイチがレンのようになってしまわないようにと、櫂はアイチを想ってカードを捨てるように迫る。だが、アイチにカードを渡し、ヴァンガードを教えたのはほかでもない櫂である。その櫂から、カードを捨て、ヴァンガードをやめるように言われたアイチの受けた衝撃は計り知れない。

櫂トシキ「悟れよ、レン!」

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レンとファイトをする櫂。
レンはPSYクオリアを駆使して、ファイトの展開を見通す。その結果、レンはまだダメージ2にもかかわらず、櫂はすでにダメージ5と追い詰められてしまう。
テツは、PSYクオリアを発動することにより、レンはヴァンガードと一体となり、内側からファイトを見ているのだと解説する。PSYクオリアを発現すると、カードの声が聞くことができ、ファイトの流れを見通すことができる。それは「山札の何枚目にクリティカルトリガーがあるか」という事もわかる能力であり、その「声」に従っていけば、勝利することができる。レンは一度PSYクオリアが発動すれば「あとは声に従って決まった手順でカードを出すだけ」だと語っている。
だが、そのPSYクオリアに対し櫂は、「カードの声に従ってカードを出しているだけ。それではカードと人間、どちらが先導者なのかわからない」と、レンが自分の意志で戦っているわけではないことを指摘する。その際のセリフがこの「悟れよ、レン」である。

このセリフは原作コミックのファンからも支持が高い。戦略性を重視する櫂にとって、「特殊な能力で先の展開がわかるから、あとはその展開に沿ってカードを出すだけ」というPSYクオリアは、勝利は得られても櫂の求める「本気のファイト」からは程遠いものだった。
第25話で櫂は一時的にPSYクオリアに目覚め、「貴重な体験だ」と感想を残すものの、「俺には必要ない力」だと断じる。勝利にこだわっていた櫂であったが、彼が本当にこだわっていたのは勝敗という結果ではなく、その過程にある「本気のファイト」なのだ。

櫂トシキ「アイチ、お前は…俺たちのヴァンガード(先導者)だ」

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アイチが中学校を卒業した日に、カードキャピタルでファイトをするアイチと櫂。ファイトはアイチが勝利した。しかし、アイチが泣いているのを見て櫂は、「なぜ勝者が泣く?」と尋ねる。アイチは「だって、櫂君が笑っているから……」と答え、櫂はそこで自分が笑みをこぼしていることに気付いた。その時に、心の中で櫂がつぶやいた言葉がこのセリフだ。

櫂が一番最初にアイチに出会ったときは、アイチは学校に友達がおらず、一人ぼっちだった。櫂は「周りが敵だらけだったかもしれない」と解釈している。
しかし、いまではアイチの周りは、ヴァンガードを通じて繋がった仲間たちが集まっていた。ただ集まっているだけでなく、笑顔で溢れている。そして、過酷な境遇の中でいつしかファイトを楽しむ余裕をなくしていった櫂も、アイチとのファイトの最中に笑顔を見せた。
その優しさをもって結びついた人々を笑顔にする力、それこそが、アイチの持つ力であり、人を笑顔に導くアイチこそが、櫂をはじめ仲間たちにとっての先導者なのだ。

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ネタ要素の多い次回予告

アニメ『カードファイト!! ヴァンガード 2018』では、次回予告で次回の映像と、オープニングテーマ「Legendary」のインストバージョンを流し、そこに各キャラクターによる、その週の放送分の内容を踏まえた会話劇を流している。

当初は割と普通の会話劇だったが、次第にネタとしての要素が増していった。

第8話の予告では、光永が本編と全く関係ない予告をしゃべり、タイトルも「超次元ロボダイユーシャ」に変わっていた。

第11話の予告では、「電話相談室」の設定で、アイチが「ブラスターブレードが『早く寝ろ』とか『ご飯はよく噛め』と話しかけてくる」と相談し、専門家の櫂(なんの専門家かは不明)が「それはブラスターブレードではない。お前の妹だ」と答えていた。

第13話の予告では、その週に登場したフーファイターのキャラクターたちによる、「フーファイターの歌」が披露された。この予告だけ「Legendary」は流れず、「フーファイターの歌」のみがアカペラで流されていた。

第15話の予告では、キョウがちゃんと名前で呼んでほしいという意味で、「少年と呼ばないでほしい」とレンに言ったところ、レンが「キョウは本当は女の子だから、『少年』と呼ばれるのを嫌がっている」と勘違いする。勘違いしたまま話が進み、キョウの「AL4やめよーかなー!」で予告は終わる。その後、本編の方でキョウは本当にフーファイターをやめていた。

第17話の予告では、ミサキが約束通り店を出ていけとアサカに迫るが、アサカはそんな約束していないとしらを切り、挙句の果てには「いつそんな約束した!? 何時何分何秒!?」と小学生のようなことを言い出す。だが、完璧な記憶力を持つミサキは「日本時間で午前10時35分12秒」と正確に答え、アサカは「この女…嫌い…」とつぶやく。

第18話の予告では、第17話にゲスト出演したプロレスラーの真壁刀義が登場している。

第22話の予告では、第21話でレンが鼻歌を披露したのにひっかけ、キョウが「夜中にレンのへったくそな鼻歌を聞いた」という話を、稲川淳二風に語る。

テレビ本編では見せない、キャラクターのコミアルな一面が描かれていてとても面白いが、面白すぎて肝心の次回予告の内容が全く頭に入ってこないのが難点だ。

フーファイター犬となった川並

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櫂とのファイトで、決着がつく前に逃亡するという醜態をさらした川並。以後、AL4から首輪をつけられ、犬のように扱われる。カードキャピタルの前に縄でつながれてアサカのファイトが終わるまで待たされた挙句、本人も足で顔をふく、通りがかりの犬にほえるなど、犬のような行動をとる。長身のレザージャケットを着た男が、犬のように首輪でつながれ、道路に寝そべっているという異様な光景から、最終的には通行人に撮影されまくってしまう。

第16話の予告では川並自ら「フーファイター犬」を名乗り、「最大の敵は保健所の保健員」と野良犬みたいなことを言っていた。

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Roselia『Legendary』

『BanG Dream!』に登場する5人組ガールズバンドRoseliaが歌うオープニング。

ED(エンディング):先導アイチ(CV:代永翼)&櫂トシキ(CV:佐藤拓也)『GIFT from THE FIGHT!!』(1話 - 12話)

作詞は南野Emily、作曲はDogP。

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