カルト的な人気を誇る「ソウ(SAW)」とは

カルト的な人気を誇る不朽の名作、「ソウ(SAW)」シリーズ。
流行しているゲーム「Dead by Daylight」のマップと追加キャラクターの元となった映画の、独特の世界観を紹介する。

ソウシリーズとは?

ソウ(SAW)は2004年に第一作が公開された、アメリカ合衆国のサイコスリラー映画。
猟奇殺人鬼であるジグソウに密室へ閉じ込められ、ゲームを強要されるという内容で物語が進む。
低予算ながら視聴者を驚かせるストーリー展開で人気を集め、2017年までに8作が公開されている。

1. ソウ(2004)
2. ソウ2(2005)
3. ソウ3(2006)
4. ソウ4(2007)
5. ソウ5(2008)
6. ソウ6(2009)
7. ソウ ザ・ファイナル 3D(2010)
8. ジグソウ:ソウ・レガシー(2017)

今回紹介するのはソウ1~3とDead by Daylight(以下、DbD)に登場する殺人鬼、アマンダ・ヤング。
また、同じくDbDに登場するタップ刑事についても紹介する。

ソウシリーズの用語

ソウシリーズは共通するキーワードがいくつか存在する。

それぞれについて解説していく。

ジグソウ・キラー

「ゲーム」と称する殺人儀式を行う殺人鬼。
人間の心、特に汚い部分に詳しく、計算されきった殺人トラップを用意して数十人以上の犠牲者を生み出した。
彼の用意する殺人トラップは大規模で、実際に施設をまるごと危険なトラップ屋敷に作り変えている。
しかしながら、そのトラップは必ず「生き残る方法」が用意されているため、ゲームをクリアすることで生還できる。
アマンダ・ヤングはその生還者の一人である。
犠牲者の皮膚には「ジグソーパズル」の柄を彫る。
ジグソウ・キラーの正体は老人の男性、ジョン・クレイマーである。

ジグソウとして「ゲーム」の参加者の前に現れるのは、大抵頬に渦の描かれた真っ白な顔の腹話術人形、「ビリー」である。
ジョンが息子であるギデオンにプレゼントしようとしたぬいぐるみだが、ギデオンの死後にジョンがジグソウと変貌した結果ビリー人形として殺人ゲームのマスコットとなった。
ゲームのたびに頭を破壊されたり爆発したりするものの、シリーズを通して作り直され再登場する。

模倣犯によって何度も「ゲーム」を作られるが、その殆どは「生還する方法」が無いために犠牲者は回りくどく惨殺されることになる。
しかしビリー人形が登場することでジグソウのゲームと誤認され、数々の被験者がゲームに挑み死亡する。
アマンダ・ヤングはゲームの参加者であり、共犯者であり、模倣犯の一人である。

ビリー人形
頬のくるくるがトレードマーク。
よく三輪車やブランコに乗ってビデオに登場する。
気味の悪いケタケタ笑いが特徴的。たまに鍵や爆薬を仕込まれている。

ジグソウのゲーム

ソウシリーズでは、全作を通して「ゲーム」と呼ばれる儀式が行われている。
その多くは建物すべてをトラップ屋敷として作り変えているが、場合によっては持ち運べる道具で「ゲーム」を行うこともある。
ザ・ファイナルではガラス張りのプレハブ小屋を「ゲーム」の会場として街中に設置しているが、誰にも知られずに3人の男女を街中に作ったプレハブ小屋に閉じ込めた方法などは不明である。
食肉工場そのものを改造した「ギデオン・ビル」には「解体した豚用の冷凍庫で凍死を、壁面を通っている冷却パイプで凍傷を狙うもの」「腐った豚をミキサーに掛け、流れ落ちる腐った肉と臓物で溺死させるもの」といった性悪かつ様々なトラップが配置されている。

ジグソウのお気に入りのトラップは「リバース・ベアトラップ」と呼ばれる、トラバサミのような機械を頭に取り付けるものである。
アメリカンフットボールヘルメットから着想を得ており、時限式でタイマーが0になると顎を引き裂き取り付けられた対象を即死させる。
見た目は殺害目的であれば殴ったほうが速いほどに重厚かつ複雑で、アマンダ・ヤングもこの装置で「ゲーム」を受けた。

本来、「ゲーム」の目的は被験者に生きる意味を見出させること、そして自身の業を治すことであり、殺人そのものは目的ではない。
明らかに死人が出るような仕組みにこそなってはいるが、彼の決め台詞かつ持論である「選択は君次第だ」(Make your choice)の通り被験者の死因は自ら選んだ選択であり、結果である。
しかし模倣犯たちは快楽殺人や私情による殺人を行うため、ジグソウによって断罪されている。

リバース・ベアトラップ。
無理やり外そうとした場合や制限時間を迎えた場合、口の部分に取り付けられた金具がトラバサミのように開き、首を切り落とすのではなく顎を無理やり開くことで弾けるように頭部を破壊する。
鍵を使うことで解除できる。
その特性から柵などに引っ掛けると無効化されてしまう他、ジグソウ本人のゲームのため取り付けられた相手は大抵解除してしまう。
そのため、映画での犠牲者はジグソウの妻一人のみである。

ピッグ

日本語で豚のことである。
ジグソウはゲームの参加者を誘拐する際、ウィッグ付きの豚のマスクと体型を分かりづらくするローブを着けて被験者に襲いかかる。
最初はチャイナタウンの屋台で販売していた豚のお面を使っていたが、二回目の誘拐からはグロテスクな豚のマスクを被るようになった。
被害者に襲いかかる際は気付かれないように忍び寄り麻酔を打ち込むため、多くの被害者は豚の怪物に襲われ気絶する。
ジグソウの模倣犯たちも豚のマスクを作っており、視聴者に犯人を分からなくするためのトリックとして用いられている。

Dead by Daylightでアマンダが被っているのもこの豚のマスクである。
「アマンダ・ヤング」はジグソウの弟子であり、このマスクをトレードマークとしてジグソウの犯行に加担していた。
ジグソウ自身は死期の近い老人であり、何人もの被験者を持ち運び「ゲーム」の会場をセッティングするには問題があった。
そのため、ジグソウのゲームをクリアし「生きる意味」を知った弟子としてジグソウとともに活動を認められた。
しかし、彼女はジグソウの目的を「殺人」として捉えており、被験者が必ず死ぬゲームを作成した。
それを知ったジョンは彼女にそれと分からないよう「ゲーム」を仕掛け、彼女はそれをクリアできず死亡した。

豚のマスク。
精肉工場を根城にして、豚の死体を用いたトラップを作る辺り豚が好きなのだろうと思われる。

ゲーム・オーバー

ジグソウのゲームにおける決め台詞のひとつ。
ソウの映画のテーマソングと共に使われる代名詞である。
「ゲーム」をクリアできなかった被験者の前に現れた黒幕が被験者の死にゆく姿を見ながら、あるいはビリー人形の映ったテレビ画面から死亡した被験者に向けて告げる言葉である。

大抵の「ゲーム」で被験者は悪人であり、この言葉に至るまでの経緯とすべてが終わるカタルシスがこの映画にカルト的人気を齎した要因であるといえる。
ただし、ソウ5ではこの台詞は使われていない。

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents