宇宙よりも遠い場所(第13話『きっとまた旅に出る』)のあらすじと感想・考察まとめ

マリ達は南極での生活にすっかり慣れたものの、帰国の時が来てしまう。悩みを抱えていた四人は、四人で南極に来たことで悩みを乗り越え、強くなったことを実感する。そして、帰りの船の上で四人は来る前から目標にしていたオーロラを見ることが出来たのだった。
今回は「宇宙よりも遠い場所」第13話『きっとまた旅に出る』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「宇宙よりも遠い場所」第13話『きっとまた旅に出る』のあらすじ・ストーリー

寝坊してきたマリ

南極で越冬をしないマリ達は夏隊と呼ばれ、南極から帰るまで残り三日となっていた。その日、マリは日向と当直に当たっており、朝ご飯の準備や隊員達への連絡、ごみ捨てやトイレ掃除などの仕事を行っていた。南極に来たばかりの頃は、何をするにも苦労していたマリ達はすっかり南極生活に慣れていたのだった。

お土産に南極の氷を削り出しに来た報瀬達

殆どの物が持ち出し禁止にされている南極で、唯一自由に持ち帰れる氷の採取をするアイスオペレーションを行いに、マリ達はかなえに連れられて氷山に訪れる。
かなえ「この氷の中には何万年も前の空気が閉じ込められていて、溶けるとプチプチ弾けるのよ。ちょっと食べてみる?」
マリ達は、南極の氷山の氷を使ったかき氷を食べる。
マリ「んー!これが数万年前の空気の味」
結月「わかるんですか?」
マリ「大人になったら絶対これでお酒飲むんだ」
日向「酔ったらうるさそうだよな、キマリ」
マリ「そう?」
そんなマリ達にかなえが呟くように言う。
かなえ「これが始まると、夏も終わりだなぁって終わる。すぐ秋になって、冬になって」
マリ「越冬だ!」
日向「冬の間って何してるんですか?」
かなえ「いろいろやってるよ。ゲームしたり、お酒飲んだり。もちろん研究や観測なんかも大切だけど、いかんせん一日中夜だからね」
マリ「極夜、だっけ?」
かなえ「昼前にわずかに地平線が明るくなる。一日の内に変化はそれだけ。あとはただただ夜がずっと続く。でも、その分星は綺麗だけどね。オーロラも見えるし」
それを聞いたマリは、南極に来る前から目標の一つとしていたオーロラを見ることが出来ていない事に気が付く。
日向「そりゃまだ、ちょっとしか夜にならないからな」
マリ達が南極にいる夏の間は、一日中太陽が地平線から出ている白夜の状態が続き、オーロラを見る機会はなかったのだった。
その時、一人で少し離れたところに居た報瀬が「助けて!」とマリ達に助けを求めたのだった。慌てたマリ達が報瀬の方を見ると、そこに居たのは接触を禁止されているペンギンに囲まれてしまっている報瀬だった。

ペンギンに囲まれる報瀬

報瀬「助けて。でも幸せ。でも臭い。でも幸せ」
接触が禁止されているペンギンに囲まれてしまい動けなくなってしまった報瀬を「5メートル以内に近づけないんで」と面白がりながらビデオを撮る日向を見て、結月はマリに呟く。
結月「なんか、すっかり慣れちゃいましたね。この景色も」
それを聞いたマリは、結月達に相談をする。
マリ「部屋も空いてる訳だし、ここからならずっと動画も送れる訳でしょ。今、絶対帰らなきゃいけないって事ないでしょ」
マリは、越冬隊と共に南極に留まりたいと言い出すのだった。そんなマリを、日向は叱る。
日向「今帰らなかったら、来年まで帰れないんだぞ」
マリ「わかってるよ、大丈夫。私、空が暗ければずっと寝てられる自信あるから」
報瀬「学校はどうするの。戻った時には皆卒業よ」
結月「家族はどうするんです?」
日向「ゆづのドラマはどうするんだ?」
そんな三人の言葉に、マリは越冬を諦める。
結月「まぁ、私も帰りたくないって気持ちはありますけど」
マリ「じゃあ、また来てくれる?」
結月「え、いいですよ?」
マリ「越冬だよ?この四人でだよ!?」
日向「わかってる」
マリ「絶対だよ!断るの無しだからね!」
報瀬「はいはい」
適当に答えた報瀬の頬を、マリはつねり、改めて聞く。
マリ「本気で聞いてる」
報瀬「本気で答えてる」
マリ「ならよし」
マリ達は四人で再び南極に来て、越冬することを約束したのだった。
結月「そんなことよりどうするんですか?隊長に言われたじゃないですか。最後にやりたいことがあったら言えって」

ソフトボールをする南極観測隊のメンバー

最後にやりたいことを吟から聞かれていたマリ達は、吟に皆で遊びたいと伝え観測隊のメンバー達でソフトボールを行うことにする。
相手チームになった吟はピッチャーをしており、吟の投げる球が速いにも関わらずデッドボールになるのを見ると報瀬は自分が打ち返せるかどうか不安がる。
かなえ「大丈夫。それでも打ったわよ、貴子は」
母が吟の球を打ち返したと聞いた報瀬は、自信を持って打席に立つ。そして報瀬は無事、吟の球を打ち返した。そんな報瀬の姿を見た吟は、報瀬の母であり自身の友でもあった貴子を思い出すのだった。

吟には報瀬と報瀬の母である貴子が重なって見えた

報瀬は南極から帰る直前だと言うのに、日向に自身の髪を短くするように頼む。
日向「今更かよ。切るなら来た時に切っとけばいいのに」
報瀬「なんか切りたくなった」
日向「どのくらい?」
そう聞いた日向に、報瀬は自分の肩辺りで切るように伝える。
日向「まじっすか?」
報瀬「うん!」

髪を切った報瀬

越冬せず夏の内に南極から帰る夏隊のマリ達は、越冬隊が行ってくれる夏隊の帰還式典に出席する為に屋外に出て来た。そして、髪をばっさりと切ってしまった報瀬を見て、吟達は驚く。
かなえ「あれ?え!?」
報瀬「どう?似合います?」
そう言って笑って見せる報瀬に吟は言う。
吟「やっぱり親子ね。笑ったとこがそっくり」

吟の話を聞くマリ達

夏隊の帰還式典が始まり、吟は隊員達に向けてスピーチをする。
吟「今朝は天気も良く、旅立ちに相応しい朝になりました。特に今回は、日本で初めて女子高生の観測隊員が南極で過ごしました。それは大きな試みでした。きっと不安だったと思います。私達も大変大変不安でした。でも、彼女達は立派に観測隊員をやり切ってくれました。あらゆる男性隊員の帰らないでという、心の声が煩いくらい聞こえます。でも、彼女達は帰ります。諦めてください」
そんな吟のスピーチに、隊員達は笑いと共に別れを惜しむ涙を見せるのだった。
吟「最後に、今日までありがとう。向こうに戻ってもたまにでいいので、遠い空の向こう、真っ暗闇の中、黙々と越冬している私達のことを思い出してください。ここでまた、会いましょう」
そして、夏隊の代表として報瀬がスピーチをすることになる。報瀬は始めに頭を下げて挨拶をすると、頭を下げたまま話を始める。
報瀬「皆さんご存知の通り、私の母は南極観測隊員でした。南極が大好きで夢中になって家を空けてしまう母を見て、実は私は南極に対していいイメージを持てませんでした。私はそんな自分の気持ちをどうにかしたいと思ってここに来たんだと思います」

スピーチをする報瀬

そこまで言うと、報瀬は下げていた頭を上げて空を見上げる。
報瀬「空よりも遠い場所。おかあ……いえ、母はこの場所をそう言いました。ここは全てがむき出しの場所です。時間も、生き物も、心も、守ってくれる物、隠れる場所がない地です。私達は、その中で恥ずかしいことも隠したいことも全部曝け出して、泣きながら裸でまっすぐに自分自身に向き合いました。一緒に、一つ一つ乗り越えてきました。そして分かった気がしました。母がここを愛したのは、この景色と、この空と、この風と、同じくらいに、仲間と一緒に乗り越えられるその時間を愛したんだと。何にも邪魔されず、仲間だけで乗り越えていくしかないこの空間が大好きだったんだと。私はここが大好きです。越冬頑張ってください。必ずまた来ます、ここに」
報瀬のスピーチに隊員達は感動して泣いてしまう。普段あまり涙を見せない吟までも泣いていた。

吟とかなえに見送られるマリ達

報瀬達は基地で隊員達に見送られた後、砕氷船まで戻るヘリコプターに乗り込む直前に、かなえから話を聞かされる。
かなえ「最初にバンで話した時のこと覚えてる?あの時のあなた達と話してて実はすごい勇気が出た。あなた達の顔見て、絶対中止に出来ないぞって」
マリ達の南極行きが決まった後に日本で行った夏季訓練の時、本当に南極に行けるのかどうか心配していたマリ達にかなえは、行けると断言していたのだった。
結月「なりそうだったんですか?」
かなえ「ええ。大人はね、正直になっちゃいけない瞬間があるの」
報瀬「隊長のことよろしくお願いします」
かなえ「だって?」
吟「言うようになったね」
そして、報瀬は吟に内陸の基地で見つけた、報瀬の母のノートパソコンを渡す。
報瀬「一緒に越冬させないと、母に怒られそうな気がして」
吟「でも……」
報瀬「私はもう、無くても平気ですから」
そう言って笑う報瀬を見て、吟はノートパソコンを受け取るのだった。

報瀬から受け取った貴子のノートパソコンを見る吟

報瀬達がヘリコプターで飛び立った後、吟は報瀬から受け取った貴子のノートパソコンの中を見ていた。そして、報瀬が母宛てに送り続けたメールばかり受信トレイを見る中、送信トレイに一通メールが残っているのを吟は見つけるのだった。

南極から帰還する報瀬達

日本に帰る為に、砕氷船に乗り込んだ報瀬達は離れて行く南極を見て話す。
報瀬「初めて来た時は遠いなぁって思ったのに」
日向「まぁそんなもんだよな、旅って」
結月「まだ終わりじゃないですよ。また、六十度五十度四十度」
マリ「叫ぶぅ!」
結月「また吐いちゃいますね、きっと」
マリ「まぁいいよ。また何回も吐いて気分悪い、死にたいってなって」
日向「まぁいいじゃん。それも旅だ」
結月「なんか、私達ちょっぴり強くなりました?」
報瀬「もしくは雑になったっていうか」
日向「大きいからね、ここはなにもかも」
そして、南極から出てしまう直前、夜になった船上でマリ達は最後のリポートを行おうとしていた。
その時、空を見上げたマリがなにかを見つける。

オーロラを見上げる四人

shuichi
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