ちはやふるの名言・名セリフ／名シーン・名場面まとめ

「あなたたちが大好きなかるたがもう1回できるんです」by宮内妙子

千早たち3年の連覇がかかった全国大会団体戦。準決勝で敗れた千早たちはみんな俯いていた。
そこで部の士気を上げるべく顧問らしく振舞ったのが宮内先生だった。
「終わってないですよあなたたち。優勝しか眼中にないほどいい気になりましたか。3位決定戦がありますよ。あなたたちが大好きなかるたがもう1回できるんです。」
かるた部創立当初、かるたはお遊びの延長だと考えていた宮内先生。
しかし偶然見たかるた部の練習で、運動部さながらの千早たちの練習に考えを改める。
夏の試合では少しでも涼しいようにと襷を作ったり、かるた部の部室を守るなど協力的になる。
宮内先生は競技かるた経験者ではなく技術的な指導こそ出来ないが、部員のことを考えて行動できる顧問である。

「根気強く粘り、やり続ける以外に自分を変える道はない」by桜沢翠

全国大会団体戦で連覇を狙っていた千早たち瑞沢高校だったが、去年の決勝で熱戦を繰り広げた富士崎高校に敗れる。
決勝戦は北央高校対富士崎高校。千早たちは3位決定戦に臨むことになるが、相手は新の率いるチームだった。
決勝戦と3位決定戦が始まり、熱戦が繰り広げられる。
勝利のために必死に粘り続ける千早の後輩の田丸、去年の敗戦から大きく成長した富士崎のキャプテン理音、チームのために自分を犠牲にしてきた北央のキャプテン木梨。
どんなにきつくても苦しくても、かるたを止めることなく粘り続けてきた子たちばかりだった。
そんな彼らを見て桜沢先生が言ったのがこの言葉。
「子どもたちを教えていても、自分を振り返っても思う。根気よく粘り、やり続ける以外に自分を変える道はない。」
いまの自分を劇的に変える方法はなく、地味でも変化がすぐに表れなくても信じてやり続けるしかないのである。

「それでも耐えるくらい、好きだったんだね。あの人たちが」by周防久志

太一がかるたを好きではないことを見抜いていた周防。
周防は「一字決まり（最初の文字が読まれる瞬間に取ること）の札が27枚ある」という天性の「感じの良さ」を持ち、永世名人である。
しかし、かるたを始めたきっかけは大学の好みのタイプである上級生に勧誘されたためであり、出場する公式戦は名人戦のみ、かるた協会には非協力的で師匠と呼べる人や仲間はいない。
名人を目指したのも遺伝性の病気で視野が狭くなっていく自分でも「ひとかどの人間になれると思ったから」である。
永世名人になって引退しようとしたところ、新に「自分が来年倒しに来るから辞めないでくれ」と頼まれ留まるという、競技かるたの世界に執着心のない人物である。
大会に顔を出す周防と太一は顔見知りだった。太一はかるた部を退部し、予備校に通い始める。そこで予備校講師に周防がいたのだった。
「かるた部を辞めたの？」と聞かれた太一は「はい」と答える。
「ふうん。えらいなあって思ってたよ。あんな、かるたを心底好きな人たちの中にいるのはきつかったよね。きみはかるたを好きじゃないのに。好きじゃないのにすごくがんばって、えらいなあって思ってたよ。」
「それでも耐えるくらい、好きだったんだね。あの人たちが。」
かるたが大好きな人ばかりがいる競技かるた界において、かるたが好きではない周防は異質な存在だ。
そんな周防だからこそ、かるたが好きではない人間が競技かるたを続ける辛さを理解でき、辛さを耐えるだけの好きな人たちがいたことを太一に気付かせられたのである。