ちはやふるの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

綾瀬千早、真島太一、綿谷新を中心とした『競技かるた』に青春をかける少年少女の物語。作者は末次由紀。『BE・LOVE』(講談社)において2008年2号から連載中。アニメーション制作会社『マッドハウス』によってテレビアニメは第二期まで放送された。実写映画(上の句・下の句・結び)がある。
『ちはやふる』の登場人物たちの名言は、高校生だけではなく、社会人にも響く名セリフとして取り上げられている。

『ちはやふる』の概要

『ちはやふる』は末次由紀による青春少女漫画。
『BE・LOVE』にて2008年2号から連載が始まった。
テレビアニメにもなり、2011年に第一期、2013年に第二期が放送された。
2016年には実写映画『ちはやふるー上の句ー』『ちはやふるー下の句ー』が2ヶ月連続で公開。
2018年に続編の『ちはやふるー結びー』が公開される。
それに合わせて、映画とリンクしたエピソードを選んだ傑作選『ちはやふる 秀歌撰』が2018年1月から放送中である。

物語は小学生編、高校生編(1年、2年、3年生)に分かれている。
小学生編では転校してきた新と千早、太一が出会う場面か始まる。
新と千早はかるたをきっかけに仲良くなる。
幼馴染である千早に好意を寄せる太一は、千早と仲良くなった新をイジメる。
しかし、新のかるたへの情熱と逆境に負けない強さに気付いた太一は新に謝罪し、二人は友情を築いた。
その直後に新の引っ越しと太一の進学校行きが分かり、ちはやはショックを受ける。
そんな中、三人は団体戦にチーム「ちはやふる」を結成して挑み、未来のライバルや仲間との対戦を経て惜しくも敗北する。
別れ際に三人は再会を約束し、自分たちの道を行くのだった。

高校生編では瑞沢高校へ進学した千早と太一の再会から始まる。
千早は競技かるた部の設立を目指し、乗り気ではない太一を巻き込む。
しかし、かるたへの情熱が一番強かったはずの新が、かるたの永世名人であった祖父の死から競技かるたを離れたことを知る。
二人は新を競技かるたの世界に呼び戻すため、強くなって再会することを誓った。
高校へ戻ると呉服屋の娘で古典が大好きな大江奏、小学生編の団体戦で対戦した西田優征、学年テスト2位(1位は太一)の秀才・駒野勉を勧誘し、「全国高等学校選手権大会団体戦優勝」という大きな目標を目指し、日々の練習を重ねていく。
そんな中、競技かるた界で絶対的な名人周防久志とクイーン若宮詩暢に出会う。
詩暢の圧倒的な強さの前に為すすべもなく敗北した千早は、改めて打倒若宮詩暢を掲げるのだった。

各地で開催されている競技大会では、高齢者に混じって若者の参加も増えた。
本作がきっかけで競技かるたを始める人が日本国外でも現れるなど、競技かるた人口拡大に大きく貢献した。

『ちはやふる』の名言・名セリフ

「”青春全部かけたって強くなれない”?まつげくん。懸けてから言いなさい」by原田秀雄

成績優秀(学年1位)、スポーツ万能、格好良くて女子から絶大な人気を誇る太一。
そんな太一だったが、永世名人の孫である新や、人一倍聴力のある千早とは違って、競技かるたの才能はないと考えていた。
一番になれないのに、あえてかるたを続けるのは何故かと原田先生は尋ねる。
太一が「青春全部懸けたって、新より強くはなれない」と答えると、原田先生は「”青春全部かけたって強くなれない”?まつげくん。懸けてから言いなさい」と返した。
50歳を過ぎても本気で名人を目指している原田先生らしい、強く背を押してくれる激励である。

「仲間にするならかるたの”天才”より、畳の上で努力し続けられるやつがいい」by真島太一

入部を迷う駒野に向けて太一が言った言葉。
かるたの才能を持っていない太一は苦しみながらも努力し続けてきた。
才能のある千早と新に劣等感を持ちつつも、追いつくために努力する太一の姿に胸を打たれる。
そんな太一だからこそ、初心者で入部することになる机くんに向けて言えたのだろう。

「私たちがなかなか勝てないの 当然じゃないですか。タコができるまで がんばりましょうよ」by大江奏

全国大会団体予選で一勝も出来ない勉。
同じく初心者で出場していた奏が一勝をあげるも、素直に祝福できない。
次第に卑屈になっていき、自分は団体の数合わせで、誰が出ても一緒だと発言してしまう。
太一に次の試合は休んでいいと言われた勉。
試合をこっそり見に行くが、千早たちは相手のチームに押されていた。
勉は自分でも気付かないうちに自分のチームを応援していた。無事に勝利すると立ち去る勉。
すると奏が勉を追いかけ、帯を直しながら笑って声をかける。
「気が付いてましたか?ここにいる人たちの足の甲、みんな皮膚が硬くなってタコになってる。畳の上で何年も正座してきた足です。わたしたちがなかなか勝てないの当然じゃないですか。タコができるまで頑張りましょうよ」
勉が試合で当たるのは競技かるたの経験者ばかりであり、経験の差から相手に勝つのは難しい。しかし、自分が負ければ他のメンバーに負担がかかる。
試合で足手まといになっている自分が嫌で試合を投げ出そうとした勉。対して同じ状況に置かれている奏は前向きである。
千早たちはもちろんのこと、試合の相手も畳の上で何年も正座してかるたを取り、努力してきた人ばかりである。相手の積み重ねてきた努力に、かるたを始めたばかりの自分たちが勝てるわけがない。しかし、タコができるくらい練習をしていけば勝てる。だから一緒に頑張っていこうと奏は言う。
奏は自分のことだけではなく周りの人のことがよく見えている。競技かるたの自分の実力を冷静に受け止め、その上で勝つために頑張ることを選んでいる台詞である。

「やりたいことを思いっきりやるためには、やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけないんだ」by駒野勉

テスト対策を抜け出して、太一が出場する大会を観に行った千早に言った勉の言葉。
部員全員が応援しに行きたい気持ちは同じ。
しかし本分の学業を疎かにしてはいけないと応援を我慢していたのである。
太一が試合に出られたのも、部活で頑張りつつも、学年1位を維持し続けたからだった。
「やりたいこと」も大事だが「やらなければならないこと」を出来て初めて、やりたいことが出来るのだ。
高校生とは思えない勉の発言は、肝に銘じるべき大事な言葉である。

「これ」と決めた道で知らないほうがいいことなんて一つもないわよ」by桜沢翠

新と詩暢が試合をしている浦安の間の前で立ち竦んでしまった千早。
とても見たかった試合なのに、いざ目の前にくると「怖い」と思ってしまい中に入れずにいた。
千早たちと同じく新と詩暢の試合を観に来た桜沢先生が状況を察しかけた言葉が「『これ』と決めた道で知らない方がいいことなんて一つもないわよ」だった。
桜沢先生は強豪校富士崎高校のかるた部顧問を務めている。
全国大会の団体戦決勝では毎年スタメンを1名外し、代わりに下級生をスタメンに起用するのが恒例である。
翌年を見据え下級生に経験を積ませるためであるが、外される3年生が涙する場面もあり女子部員から「鬼」と呼ばれる。
桜沢先生はクイーンになったことはないものの、過去に5回準クイーンの座についたことがあり「最強の挑戦者」と呼ばれた。
かるたが強くなるために努力し、生徒へ指導し続けてきた桜沢先生の経験からかけられた言葉である。

「手に入れたいものほど手放すの。かならず取ると勝負に出るの」by綾瀬千早

名人への挑戦権がかかった試合で、原田先生に負けた新。
手元に残ったのは「ふくからに」「ちはやふる」の二札だった。
千早が初めて覚えた札「ふくからに」と 千早と同じ読み「ちはや」から始まる「ちはやふる」は新にとって特別な札だった。
大事な札だから手元に残しておきたかったと言う新。新は自陣の札を取ることが得意な「守りかるた」である。
「守りかるた」は取りたい札を自陣に残しておく方が取りにいきやすい。そのため「ふくからに」「ちはやふる」を手元に残したかった。
新は「ふくからに」「ちはやふる」の札を手元に残すことへ拘ったことが負けの原因かと悩んでいた。
敗因に悩む新の元へ、試合に感動した千早が感想を伝えに来る。そこで新は「千早ならどうした?」と尋ねた。千早はすぐに答える。
「私は攻めかるただから「ふ」も「ちは」も送ると思う。特別だから、手に入れたいものほど手放すの。かならず取ると勝負に出るの」
「守りかるた」でなくとも自陣にある札のほうが守りやすく、取りやすい。取りたい札ほど手元に残したいと誰でも考えるのである。
しかし、千早は迷うことなく大事な札を送ると言った。
大事な札を送ることで「絶対取る」とモチベーションを上げ、難しい敵陣を攻められる実力をつけるという千早の強さを感じる言葉である。

「自分からは開けられない。だれかが開けてくれた時に迷わず飛び込んでいけるかどうか、そこで力を出せるかどうか」by深作時次

千早の進路担当の深作先生の言葉。千早の進路希望を聞いて、成績を眺める古典の深作先生。
千早はどんな進路を選ぶのかと呟き、進路をドアノブに例えて言ったセリフ。
「高校から大学への進学は、ノブのあるドアを選べる最後の機会だと思いまして。これも受け売りですが「たいていのチャンスのドアにはノブがない」と…。自分からは開けられない。誰かが開けてくれた時に、迷わず飛び込んでいけるかどうか。そこで力を出せるかどうか」
チャンスは突然やって来る。突然やってきて一瞬で終わる。その時に飛び込んでいけるのは準備が出来ている人だけ。
だからチャンスを掴むためには、準備は必要なのである。

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