BAMBOO BLADE(バンブーブレード)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『BAMBOO BLADE』とは、原作:土塚理弘、作画:五十嵐あぐりによる漫画作品。
主人公「石田虎侍」、通称「コジロー」は室江高校剣道部の顧問で、少ない部員と共にゆるい部活動を続けていた。そんな剣道部で、主に女子部員たちで繰り広げられる、まったり放課後女子剣道コミックである。試合の勝敗よりも、剣道における一つの目的である「人間形成」に重きを置いた作品であり、数多くの名言が存在している。

ウラとの試合中、エリナが思わず発した叫び。
エリナは中学時代にウラに一度も勝てず、それが原因で心が折れ剣道を辞めてしまった。そんなウラが不甲斐ない剣道を繰り広げていることへの憤りである。作中の登場人物、後日放送されたこの番組を見た視聴者、あるいは我々の現実世界のBAMBOO BLADE読者の中にも、勝負から逃げ出した経験や後悔がある者には、この試合中のエリナの叫びの数々は心揺さぶられるものであった。

負けるのが嫌で、自分の限界を知るのが嫌で、榊さんの才能がまぶしすぎて、逃げた。――でも、それはつまり、負け続けているのと――同じだった。

エリナは剣道をやめてから、毎日ウラに負け続けているも同然だった。ウラとの試合中、そのことに改めて気付かされた、エリナの心中である。
エリナにとってこれは勝負から逃げた過去の自分との決別の試合であり、大きな後悔を清算するための戦い。エリナの想いにあてられて完全復活したウラが勝つのか、それともエリナのリベンジが叶うのか、強い想いの込められた熱く感動的なこの試合は、単行本にしてほぼ丸々一巻かけて行われ、エリナの勝利でフィナーレを迎えた。

この場に様々なものを背負い立っている。仕事から逃げるわけでも、投げ出すわけでも、忘れたわけでもなく、その身に抱え込み、立っている。こどものようにただがむしゃらなわけではなく、しっかりと自分と周りを見て、考え、覚悟を持って立っている。それが自身の剣道に現れている。現れ始めた。全てを受け止め、なお全力を尽くす。それが――大人の強さ。

ウラとエリナの試合を見ていて、コジローもまた感じるものがあった。
エリナが独断で始めたこの試合は番組の台本になく、スケジュールはめちゃくちゃになっていて、芸能人としてエリナは失格である。しかし子供のわがままのように自分勝手なままではなく、芸能界を辞める覚悟もこのトラブルへの責任もしっかり感じた上で戦っている。そんなエリナの戦いに、コジローは心を奪われ、大人の強さというものを感じ取ったのだった。

この一振りに、この一歩に、この一呼吸に、今までのあたしを全て乗せて――、私は、これからも。

最終回、大会の団体戦の大将戦で榊ウラと戦うタマキのモノローグ。BAMBO BLADE本編はこのセリフで完結となる。
部活に入り、友達ができ、色んな試合をし、ウラやエリナの剣道を見て、色んな出来事の末にタマキは成長していった。道場の手伝い以上の価値がなかった剣道に、タマキなりについに意味を見つけ出した。
教え、導き、伝えていく。タマキにとって剣道は、相手に想いを伝えるためのもの。タマキは剣道にそんな意味を見出し、「先生になりたい」という夢を掲げたのだった。

2xlinus1989
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