BAMBOO BLADE(バンブーブレード)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『BAMBOO BLADE』とは、原作:土塚理弘、作画:五十嵐あぐりによる漫画作品。
主人公「石田虎侍」、通称「コジロー」は室江高校剣道部の顧問で、少ない部員と共にゆるい部活動を続けていた。そんな剣道部で、主に女子部員たちで繰り広げられる、まったり放課後女子剣道コミックである。試合の勝敗よりも、剣道における一つの目的である「人間形成」に重きを置いた作品であり、数多くの名言が存在している。
タマキの実家である川添道場にコジローは部員達と共に稽古をつけてもらいに行っていた。
そこでコジローが、エネルギッシュに稽古する部員たちを眺めながら、自分を指導してくれた警察官の内村に言ったセリフ。
大人は、明日の仕事のために残す余力のことなどを考えるため、子供のように全てを出し切ることは難しい。コジローには子供の強さはもう無く、そんな大人の弱さのみがある。
今の自分に必要なのは大人の強さであるという、コジローが久方ぶりに真剣に稽古に取り組んで自分を見つめ直した名言である。
コジロー「若いうちから手を抜く事なんて覚えるんじゃない。まだガキなんだから後先考えず全力でやってりゃいいんだよ。今、楽ばっかりしてると、大人になってから本気の出し方忘れちまうぞ」
練習試合の相手校の男子部長である岩堀は、一度挫折した経験から、「誰にも期待されない、適当な剣道」というスタイルになってしまっていた。適当に稽古し、負けて当然。その方が楽だという考えになっていた岩堀は、タマキとの試合でコテンパンにされる。
タマキの真っ直ぐな剣道を身に受けて、岩堀は何かに感化されたようである。「もう一度やろう」と言い出し、再び完敗し、それが何度も繰り返し行われた。何度再戦しても勝つどころか、まともな抵抗さえできない岩堀は、徐々に悔しさを感じ始める。
「思い通りに体が動かない、自分の力はこんなものじゃない」と叫ぶ岩堀に、コジローがかけたセリフ。
内村に稽古をつけてもらい、自分の経験と照らし合わせた、教師として、人生の先輩としての言葉である。
ミヤミヤ「のんびり楽しく健康のためだけなんてまっぴらです。始めたのが遅かったのなら人の倍努力します。強くなりますよ、誰よりも」
ミヤミヤは剣道を高校から始めたため、他の部員よりも実力は劣っていた。そんなミヤミヤの、剣道に対する考えを述べたもの。
ミヤミヤの強気で負けず嫌いな性格に加え、努力家の一面も見て取れる。
大江「逃げてもいいんだよ、時には。それをも力にできる、そういう風にできてんだよ人間は」
テレビ番組「バニッシュ学園」のコーナーの一つでは、次は剣道のコーナーをやるかどうかという会議になっていた。
「バニッシュ学園」制作の責任者である大江にも、剣道の経験があった。団体戦のレギュラーに選ばれずそれに不貞腐れて個人戦も蹴って辞めてしまったという、逃げの終わりである。しかし大江は、その時の後悔の反動でテレビ業界で成功できた。
そんな経験からくる、大江が持つ考え方である。逃げてはいけない、といった一般的な考えに背くような名言である。
牛松「信念? そんなものなァ…いくらでも塗りつぶしできるんだよ! もっと大きな信念によってな!!」
ヒーロー戦隊シリーズで、ブラックデュランという番組がやっていた。ブラックデュランはスポンサーの意向が多分に含まれており、その脚本を手掛けた牛松としては不服のストーリーだという。
最終回でブラックデュランは固い意志を持って剣を捨てる。しかし、スポンサー側の事情によって、制作されることがなかった「真の最終回」が実はあった。ブラックデュランが再び剣を握り熱い戦いに身を投じるという、牛松が本当に魂を込めて書いた脚本が牛松の脳内にのみ存在していた。
テレビ番組「バニッシュ学園」で剣道のコーナーをやると決まり、番組関係者が動き出している折。
「バニッシュ学園」の人気タレントである沢宮エリナのマネージャーが牛松のファンであり、牛松に「真の最終回」の話を聞いた。
ブラックデュランは信念を絶対に曲げない戦士。「一度剣を捨てた彼が再び剣を握るのか」というマネージャーの疑問に対する、牛松の名言と言える回答である。
コジロー「お前らはまだ若い。いや幼いんだ。…どんどん新しい自分に挑戦してみろ」
「バニッシュ学園」の剣道コーナーで室江高校剣道部が特集されることになり、関係者が撮影のため室江高校にやってきていた。
稽古の様子を撮影するにあたり、タマキとサトリの試合が行われた。サトリは県内でも有数の選手であるものの、タマキには遠く及ばない。
隙の無いタマキを突き崩そうと、無理して猛攻を仕掛けるサトリを見て、ミヤミヤは「サトリらしくないスタイルの攻めが通用するわけがない」ともどかしそうに呟く。それに対し、コジローが「あれでいいんだ」と投げかけた言葉。
後の番組放送時にカメラに拾われアップで映されるほどの名言である。
タマキ「負けちゃいました」
「バニッシュ学園」のタレントとして剣道を体験するというだけのはずだった沢宮エリナは、実はかつて中学剣道界の頂点を争うほどの逸材だった、本名・山田梅子であった。ずっと隠してきたものの、タマキの剣道に心を突き動かされ、タマキとの試合中にその正体を晒して全力勝負という流れになった。
結果、タマキは敗北。タマキにとって剣道とは、ずっと「道場の手伝い」でしかなかったため、圧倒的実力で勝利し続けても何も感じている様子は無く、淡々としていたものだった。そんなタマキが人生で初めて同世代の女子に敗北し、みんなのもとへ戻って来て第一声として、爽やかな笑顔で呟いたセリフである。
タマキにとっての剣道が変わる、一つのターニングポイントとなった。
キリノ「大丈夫! “見守る”は“放っとく”じゃないですから」
負けたタマになんて声をかけたらいいか分からず、コジローは悶々としていた。そこへキリノがコジローに言った言葉。
タマキ自身もこの負けの経験から思う事があるはず。でもそれがまとまるにはまだ時間がかかるから、今は見守ってあげてほしい。そう告げるキリノは、何の心配もなく落ち着いた様子だった。曲がりなりにもタマキたち部員を背負う、部長たる姿勢や貫禄が覗き見えるシーンである。
エリナ「目を覚ませ! 榊ウラ!」
エリナが剣道をやめて芸能界に入ったのと同様に、かつてのライバルである榊ウラも剣道を捨ててイケメン俳優滝川純也にのめり込んでいた。そんなウラが「バニッシュ学園」の企画で招集され再び剣を握ったのだが、彼女の本当の目的は滝川純也との熱愛が報道された松本アナウンサーだった。松本アナウンサーに怒りの矛を向けるために来たウラを、エリナが妨害し、ウラとエリナの試合という運びになる。
かつてのライバルが試合になっても邪念だらけで、てんで話にならない剣道を繰り広げていることに、憤ったエリナの叫びである。
「まったり放課後女子剣道コミック」を謳うBAMBOO BLADEでは珍しい、ウラとエリナの熱い真剣勝負は作品の中でも評判高いシーンである。
エリナ「私が恐怖し逃げだしたあんたの力は、太陽のように眩しくてまともに見られなかったあんたの才能はこんなもんじゃない!!」
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目次 - Contents
- 『BAMBOO BLADE』の概要
- 『BAMBOO BLADE』の名言・名セリフ
- コジロー「いいんだよ部活なんて、楽しんでやれりゃ。のんびりやろーぜ」
- コジロー「30点の男には70点の女! 10点の女には90点の男というように、世の中の均衡のためにはふたりではじめて満点がちょうどいいんじゃないか!?」
- 川添三十郎「現代の剣道は打ち込みの後引く。斬るのではない、叩くのだ。相手を倒すためではない、自分自身を高めるために打ち込むのだ」
- コジロー「自分が正しいと思う事ならやればいい。正しいってことは勇気になるから」
- タマキ「単純に、遅いです」
- コジロー「まァとりあえず、持て。立て。振れ。ミヤミヤ」
- コジロー「常に全力で取りかかれる。それが若者の強さのひとつだと思うんです」
- コジロー「若いうちから手を抜く事なんて覚えるんじゃない。まだガキなんだから後先考えず全力でやってりゃいいんだよ。今、楽ばっかりしてると、大人になってから本気の出し方忘れちまうぞ」
- ミヤミヤ「のんびり楽しく健康のためだけなんてまっぴらです。始めたのが遅かったのなら人の倍努力します。強くなりますよ、誰よりも」
- 大江「逃げてもいいんだよ、時には。それをも力にできる、そういう風にできてんだよ人間は」
- 牛松「信念? そんなものなァ…いくらでも塗りつぶしできるんだよ! もっと大きな信念によってな!!」
- コジロー「お前らはまだ若い。いや幼いんだ。…どんどん新しい自分に挑戦してみろ」
- タマキ「負けちゃいました」
- キリノ「大丈夫! “見守る”は“放っとく”じゃないですから」
- エリナ「目を覚ませ! 榊ウラ!」
- エリナ「私が恐怖し逃げだしたあんたの力は、太陽のように眩しくてまともに見られなかったあんたの才能はこんなもんじゃない!!」
- エリナ「負けるのが嫌で、自分の限界を知るのが嫌で、榊さんの才能がまぶしすぎて、逃げた。――でも、それはつまり、負け続けているのと――同じだった」
- コジロー「この場に様々なものを背負い立っている。仕事から逃げるわけでも、投げ出すわけでも、忘れたわけでもなく、その身に抱え込み、立っている。こどものようにただがむしゃらなわけではなく、しっかりと自分と周りを見て、考え、覚悟を持って立っている。それが自身の剣道に現れている。現れ始めた。全てを受け止め、なお全力を尽くす。それが――大人の強さ」
- タマキ「この一振りに、この一歩に、この一呼吸に、今までのあたしを全て乗せて――、私は、これからも」