電波教師の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「電波教師」は、東毅による少年漫画。
かつて天才と呼ばれていた男「鑑純一郎」は大学卒業後、ニートのオタクとして暮らしていた。その現状を改善すべく妹の「鑑純音」は純一郎に教師をやらせることを決意する。
最初はやる気の無かった純一郎だが、一癖も二癖もある生徒達と出会い、オタク純一郎ならではの手段で導いていく物語。およそ教師らしくない「教師・純一郎」として、生徒を導く名言が数多い。

よく見てみろ。お客もだがまずメイドが、一番いい顔してるだろ。奉仕することで自分が一番楽しむ、その行為を自ら喜びにまで昇華させた、究極のメイドスピリッツ。それこそが本場のオリジナルを超えた、アキバのメイドの品格だ。

柊学園に赴任する前に分校である銀杏学園に赴任することになった純一郎。彼は銀杏学園に来たところ、ちょうど退学処分になった女子生徒、切子に出会う。切子はバイト禁止の校則を破り、「よりにもよってメイド喫茶なんかで働いていた」という理由で処分をくらっていた。
生徒会長のマキナからそれを聞いた純一郎は、切子の退学をマキナに撤回させるため、ひいてはメイド喫茶を馬鹿にした発言を撤回させるため、マキナをメイド喫茶に連れて行った。
そのメイド喫茶で、楽しそうに働くメイドたちを眺めながら純一郎がマキナに言ったセリフ。本場イギリスの本来のメイドからは大きく変化した、日本のメイド文化にオタクとして誇りを持っている純一郎の熱が伝わる。

やりたいことやるってのは、得意なことをやるのとも、できることをやるのとも違うんだぜ。 自分の願いを叶えるためなら、苦手なことだってやる……俺もお前も、同じだよ。

純一郎が受け持つクラスの生徒、花音は理系科目が苦手だった。どうしても行きたいコンサートがあり、「試験で高得点を取ったらコンサートに行ってよい」という親との約束だったが、花音からしたら絶望的だった。
そこに家庭教師として純一郎が来ることになり、花音に向けて言ったセリフ。ネイチャーに論文が載るほどの天才・純一郎だが、最初の物理のテストは5点だという。「どこでもドアが作りたい」という思いだけで、苦手な物理の勉強をしていた。コンサートに行きたいがために理系を克服しようとしている花音にとっては、同じ境遇として響く言葉である。

俺の言うこと、守らなかったな? それでいいんだよ。おもしろいことを楽しむには、自分の気持ちを一番大切にしろ。

純一郎は元同級生にスカウトを受け、とある研究所へ来ていた。そこで出会った天才少女の零子はこれまでずっと研究所で閉鎖的に暮らしていたという。それを知った純一郎が外の世界のおもしろさを漫画などを通して教えていた。
「おもしろい」という感情を知った零子は、何でも純一郎と同じことをすればおもしろさが味わえる、と考えていくようになる。しかし純一郎はその考えに否定的で、零子を「部屋から出るな」と指示して去ってしまった。
何が悪かったのか分からず困惑しているところ、研究所は各国からのハッキングを受け危機的状況に陥っていた。零子は純一郎たちの危機を知り、悩んだ末に約束を破り部屋を飛び出していく。零子の活躍によって研究所が守られ、純一郎が零子に言ったセリフ。
楽しいとかおもしろいというものは、人に言われて感じるものではなく自分で見つけるものであるという純一郎の名言。

生徒全員自主退学。これが俺の教育目標だ。人生変わるほど面白いモンに出会っちまって、学校なんて行ってられなくなる。全生徒がそうなるのが目標だ。やるからには、本気だぜ。こいつ(教育)はもう仕事じゃねえ。俺の趣味だからな。

ずっと閉鎖的だった零子は柊学園への入学のスカウトを蹴っていたが、純一郎と過ごしている内に考えが変わり、「やりたいこと」を見つけるために学校に通ってみようという気持ちになった。純一郎はそういう風に零子を導いた。
ゲームではなく、現実のキャラを育て上げ、それぞれ殻を破り成長する。その瞬間の快感と達成感こそ自分が教師をやる意義であると、「やりたいこと」であると、純一郎はこの時に気付く。
上記のセリフは、研究所のスカウトを蹴った純一郎が暦に向かって宣言した「教師・純一郎」のモットー。
生徒の退学をモットーにするなどと、教師としてかつてない人間である純一郎の、破天荒ぶりが窺える。「電波教師」でも有数の名シーンである。

学校ってのは、人生楽しく生き抜くための自分専用アプリを、卒業までに作るための場所だ。いいかお前等!! この世界はおもしれーモンであふれてる! 最高だ!! やりたくねーことやってるヒマなんて1秒もねえぞ!!

教師・純一郎のモットーを暦に堂々宣言した翌日、純一郎は全校生徒にとあるアプリを作って配信した。
全ての教師の性格や出題傾向のデータから予測し、試験問題とその解答を教えてくれるというものである。このアプリにより、銀杏学園では満点の生徒が続出、試験が意味をなさなくなった。「内申に影響するから」という理由で、将来必要がないと思いながらもしぶしぶ勉強をしていた生徒たちは、このアプリによって「夢を叶えるために必要な努力」だけに集中できるようになる。
「内申など気にせず、やりたいことだけやればいい」、純一郎は試験後日の全校放送でそう宣言し、続けて上記のセリフを語った。
生徒全員自主退学。そのモットーの第一歩となるシーンである。

余裕があるから描くなんて誰が言った? 私は自分が面白いと思ったモノは、全部描くと決めている。“描きたいモノがあったら描くかどうか悩まない”。それが天上院騎咲のやり方(メソッド)よ。

夏休みの教師は暇だと思い込み、趣味の予定を詰め込んでいた純一郎は、教師としての仕事などが追加に次ぐ追加でスケジュールがパンパンになり参っていた。そこへ新たにオンラインゲームやメイド喫茶の誘いなどが舞い込むが、泣く泣く拒否していく。
そんな折、純一郎のクラスの生徒であり同時に純一郎が尊敬する漫画家である天上院騎咲が、締め切りギリギリで満身創痍になっているところへ遭遇する。
騎咲はそんな状態でさらに夏コミの同人誌の準備をしているという。「そんな余裕あるのか」と言った純一郎に対し、騎咲が返したセリフ。
「やりたいことはとことんやる」という、純一郎の生き方にも通ずるものである。純一郎はこの言葉で自分の「YD」の信念を思い出し、直後、受けた誘いを片っ端から全て承諾していった。

好きなモン(アニメ)に関するお前の問に、“それはフィクションだからです”…なんて、口が裂けても言いたくねぇ。これが俺達(オタク)の、生命線なんでな。

CERMでは、瞬間移動などの技術確立のための研究として、(純一郎の影響もあり、)「どこでもドア開発」を公言し計画を進めていた。
再び鑑家に押しかけたCERM所長のティムは「どこでもドア」開発及びその先の研究を暗に純一郎に手伝わせるため、「魔法少女の攻撃は科学的におかしい」などと挑発し、純一郎にファンタジー技の原理を科学的数学的に証明させていた。ティムもビックリの頭脳を持つ純一郎はその頭脳をフル活用し、新たに考えた理論や組み上げた公式など、CERMの研究がさらに進むと思われるような計算式を次々に開発していく。
しかし純一郎も利用されていると分かっている上で計算していた。彼にとって漫画アニメを否定されることは何をおいてでも全力で阻止したいことであり、その熱意が伝わるシーンである。

“やりたいこと”はいつの間にか“できなかったこと”に変わっちまうもんだ。そうなったらもう取り返しがつかねぇ。そのことに気付いた時の後悔と苦しみは一生モンだからな。だから本当にやりたいことがあるヤツには、それがどんなことだとしても、俺は味方することにしてんだよ。

純一郎率いる銀杏学園生徒数名は柊学園に一時編入し、柊学園のシステムである「班戦争」に参加することになった。数名の「班」や複数の班を束ねる「軍」などの団体ごとで行うポイント争奪戦である。時と場所を選ばずあらゆるゲームで勝負がされ、柊学園における授業や学食などの学校生活は、「ポイントが全て」の超競争社会である。
純一郎の作った「銀軍」は、柊学園の中でも有数の「青軍」のリーダーである藍沢に目を付けられていた。
ある日、そんな藍沢が銀軍の傘下に入りたいと言ってきた。どう考えても何か企んでるとしか思えないが、不安がる銀軍メンバーをよそに純一郎は「やりたいことがあるならジャマしない」と許可してしまう。
実際、藍沢は銀軍の乗っ取りを計画しており、それを純一郎に暗に自白しつつ、「それでもジャマしないのか」と聞いた。そこへ純一郎から返ってきた返事である。
銀軍は取られても取り返せるが、過去の後悔はもう変えられない。純一郎の過去にも何かあったと思わせる。「知識を教える」のではなく、自分の経験から学習したこと、伝えたいことを行動で示す、純一郎なりの教鞭である。

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