ネト充のススメ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ネト充のススメ』とは、黒曜燐による漫画およびそれを原作としたアニメ。漫画アプリ『comico』のサービス開始と共に連載されたが、2015年から作者の体調不良のため休載、2018年に連載終了が発表されている。主人公の盛岡森子(もりおかもりこ)は30歳の独身。脱サラニートとなり、充実した生活を求めてネットゲーム(通称ネトゲ)の世界でイケメン男子「林」として新たな生活を始める。現実世界とネット世界での人間関係が少しずつ入り組んでいく恋愛漫画である。

『ネト充のススメ』の概要

『ネト充のススメ』とは、黒曜燐による漫画およびそれを原作としたアニメ。漫画アプリ『comico』のサービス開始と共に連載するが、2015年7月から作者の体調不良のため休載、2018年6月30日に連載終了が発表された。2023年7月には作者のpixivアカウントやLINEマンガといったインディーズページにて、未完となっている単行本未収録回までの再公開や最終回を含めたその後の構想がシナリオ形式で公開されている。
主人公の盛岡森子(もりおかもりこ)は30歳の独身女性。会社を辞めて自らニートになり、充実した生活を求めて《フリドゲーム》というネトゲの世界に没頭していく。ゲーム内ではさらさらヘアーの爽やかイケメン「林(はやし)」として過ごし、可憐な少女・リリィとの出会いから様々なギルドメンバーとの交流が増えていく。そして現実世界でも様々な人と関わることになるが、偶然にもそれは《フリドメール》で関わりのある人ばかり。ネトゲ世界と現実世界が交錯しながら、森子の恋愛を含む人間関係や人として成長していく過程などが描かれた作品である。社会生活が辛く、ネトゲ世界に逃げ込む森子の姿には共感するファンが多い。

『ネト充のススメ』のあらすじ・ストーリー

ネナベとして《フリドメール》を開始する盛岡森子

クエストにことごとく失敗した林(右)と手を差し伸べるリリィ(左)

社会生活に疲れた盛岡森子(もりおかもりこ)は、充実した生活を求めて会社を辞め、自らニートになることを決意する。そしてオンラインゲーム《フリドメール》を始めた。

爽やかなさらさらヘアーのイケメンを作成し、悩みに悩んだ結果、「林」(はやし)という名前をつけてプレイを開始する森子。しかし初期装備のまま攻略出来るほど簡単ではなく、何度もクエストに失敗して広場で倒れていたところ、可憐な少女「リリィ」に声をかけられる。一緒に冒険することを提案してくれたリリィと共に、林はクエストを無事クリア。森子はリリィのおかげで《フリドメール》を楽しむことができたのだった。

クリスマスの時期に近づき、森子はクリスマスに日頃のお礼としてリリィにプレゼントをしようと考える。その計画のため、林はログインしてもリリィからの誘いを断り続けていたのだが、リリィの方は林に避けられていると感じ始める。林はリリィと同じギルド「@家パーティー(あっとほーむぱーてぃー)」に加入したのだが、そのメンバーの1人であるヒメラルダはリリィが落ち込んでいる様子に気づく。「林から避けられてる」と相談するリリィに対し、ヒメラルダはギルドマスターのカンベに林から原因を聞きだしてもらうことを持ち掛けた。恋愛禁止というギルドの掟が原因だと思っていたカンベだが、林はリリィにクリスマスにお礼としてレアドロップ品をプレゼントしようとしていることを打ち明けるのだった。

その後、林はクリスマスの夜に渡したいものがあるとリリィに約束を取り付ける。しかしレアドロップ品が手に入れられなかったため、当日プレゼントしたものはミニバラのブローチだった。落ち込む林だったが、「今年は最高のクリスマスです」と喜ぶリリィの姿を見て、林も嬉しい気持ちになる。

交錯し始める現実世界とネトゲ世界

昼間からネトゲをしていた林はライラックに大学生なのかと質問される。林は本当のことを打ち明けられず言葉を濁してしまったため、ライラックは林が自分と同い年だと勘違いする。

その後、林が大学生だという噂はたちまち広まり、それはリリィの耳にも届くこととなる。林は嘘が広まって申し訳ないと思う反面、年齢をはぐらかす手間がなくなってほっとしていた。そんな中、林はリリィの年齢が気になることを無意識のうちに言葉にする。リリィは「林になら内緒で教えてもいい」と伝えるが、自分が本当のことを話せずにいる林は、リリィともう少し仲良く話せる時まで聞かないことにした。

明け方まで話し込んでいた2人。リリィが出社するまで起きていることになり、林も付き合うことにする。しかし、森子はいつの間にか寝落ちし、起きた時には風邪を引いていた。薬を買いに出かけた森子だが、道の曲がり角で男性とぶつかり、その際に肘鉄を顔に食らってしまい気を失う。

夢から覚めた森子は病室におり、ベッド横には桜井優太(さくらいゆうた)と名乗る男性がいた。彼は風邪の分の治療代も支払うと言い、連絡先のメモを渡すのだった。

家に戻った森子は桜井に連絡を入れるべきか悩み、ヒメラルダ、ライラック、カンベに性別をひっくり返して相談する。カンベに心配かけさせたままではよくないと諭された林はメールを送ることを決意。森子がメールを送るとすぐ返事が届き、そこにはお詫びとして食事のお誘いが書いてあった。引きこもりにとって絶望的な状況になり、鏡で自分の容姿を見直してみる森子。しかし考えることを止め、ネトゲを再開する。そんな時、落ち込んでいる林に声をかけたのはリリィだった。リリィは「現実の社会生活で愚痴を言う場所もなく、ゲーム内でもみんなが楽しんでいるところに水を差したくなく、嫌なことがあった日はずっと一人で悩んでいた」と自身の気持ちを打ち明ける。森子はいつも明るく朗らかなリリィにも悩みがあることを知り、桜井への返事をする決意を固めてメールをする。

翌日、桜井は昼休みに同僚の小岩井誉(こいわいほまれ)と焼き肉屋にいた。小岩井が以前森子と同じ会社で働いていたため森子のことを尋ねた桜井は、OL時代の森子の写真を見て、先日ぶつかった女性だと確信する。昼休みの帰り、桜井は森子から夜中に届いていたメールを見返して断りの内容に落胆するのだった。

一方森子はギルドメンバーのぽこたろうから悩んでいたことを心配される。解決したことを伝えていると、突然リリィから高そうな装備をプレゼントされる。林はお返しについてぽこたろうからアドバイスをもらうが、結局リリィに直接聞くことにした。するとリリィはゲームを始めたころの話をし始める。

リリィは毎日色々な人から狩りへの誘いが頻繁にあり、そこで当時加入していたギルドメンバーとのトラブルが何度かあった。そんな時に相談に乗ってくれた相手がカンベで、対策として表面上の相方を組むこととなった。そういった経緯から、リリィはゲーム内の特定の人物と仲良くなるのを警戒して過ごしていたが、林と出会い、ゲームを純粋に楽しんでいる様子を見て幸せな気持ちになることができたのだ。そして林に相方になりたいことを伝えるリリィ。森子は幸せを噛み締めながら了承し、2人は無事相方となる。

現実世界とネトゲ世界が繋がる瞬間

ある日、《フリドメール》では新しいガチャが始まった。森子はリリィと相方になったことを理由に電子マネーを買いにコンビニへ出かける。しかしタイミング悪く電子マネーはメンテナンス中であった。諦めようとする森子に声をかけたのは、アルバイト店員の藤本和臣(ふじもとかずおみ)だった。あと5分ほどでメンテナンスが終わることを聞いた森子はその場で待つことに決める。すると、藤本に自身も《フリドメール》をやっていると話を振られる。2人は新しく始まるガチャの話で盛り上がり、藤本は「また来て」と森子に声をかける。帰宅後、森子はネトゲにログインし、ギルドメンバーと一緒にガチャを回して楽しい時間を過ごすのだった。

一方、森子に会うことができなくて溜息をもらす桜井。その様子を見かねた小岩井は、桜井と森子が会ったことがあるというコンビニへ向かう。小岩井がコンビニを出ると一人の女性とすれ違い、ふと気になって確認しに戻る。弁当コーナーにいた森子に声をかけた小岩井は確信し、自分のことを説明。そして今は何をしているのかと質問すると、森子は正直に無職だと告げる。それを聞いた小岩井は、せっかく会ったのだからと強引に飲みに誘い連絡先を手に入れたのだった。翌日、小岩井は桜井に森子の連絡先を直接手に入れたことを見せびらかし、食事の約束を取り付けたことを自慢する。

ネトゲでは、林がリリィにリアルであった出来事を性別を入れ替えて相談した。リリィと徹夜した翌日に桜井とぶつかったこと、気づいたら病院で点滴を受けていたこと、お詫びの食事の誘いを断ったこと、小岩井と飲みに行く約束をしてしまったこと、小岩井とは前に働いていた会社の社員で電話越しにしか話したことがなかったが偶然コンビニで出会ったこと。事情を聞いたリリィは身に覚えがある出来事にキーボードを打つ手が止まり、固まってしまう。林がリリィに相談している内容から林=森子だと疑う桜井。しかし「あるわけないよな、そんな偶然」と気持ちを切り替えるのだった。

リアルデートで正体がバレる森子

森子がコンビニに買い物に行くと、先日話をした藤本から声をかけられお互いに自己紹介をする。藤本のキャラの名前に聞き覚えのある森子は衝撃を受ける。実は藤本はギルドリーダーのカンベだったのだ。

ログイン後、凹んでいる林にライラックが声をかけた。待ち合わせをしている林に、自分もこれから人と会う約束をしているため一緒に待つと言うライラック。友人について女の子だけどみんなに内緒で男の子として遊んでいることを林に教える。同じ境遇に興味を持った林がネナベについて尋ねると、それを聞いたライラックは友達を馬鹿にされたと思い林に激怒。そこにすかさずカンベがフォローに入る。そしてライラックがその場を離れると、カンベは森子に対して話を切り出すのだった。

リアルの自分を知られた林は良くしてもらったのに嘘をついてしまったと落ち込むが、カンベは「信じている」とフォローする。そしてカンベは自分が知り合いだということは内緒にしてほしいと伝え、相方のリリィにもリアルのことをあれこれ相談しない方がいいと忠告した。

飲み会のことをリリィに既に相談している林は、忠告してくれた事に申し訳ないと思いつつも翌日着ていく服をリリィに相談する。約束の日が明日という林に、明日は小岩井が大阪出張でいないことを桜井は思い出す。その時、カンベが間に割って入り、なんとか林の聞きたいことを聞くことに成功する。そして森子はリアルで髪を切り、着ていく服を購入するのだった。

飲み会の日、もし林が森子だったら日付を間違えていると考えた桜井は、森子を探すため急遽ログアウトする。一方森子は待ち合わせ場所で1人小岩井を待ち続けていた。諦めて帰ろうとした森子は「盛岡さん!」と声を掛けられる。振り返るとそこには桜井がいた。
桜井がいることに驚く森子だったが、そのタイミングで小岩井から電話がかかってくる。桜井は森子に自分が小岩井の後輩であることを説明し、電話に出るように促す。森子が電話に出ると、小岩井は出張中で飲み会は明日だということ知る。小岩井は桜井と2人飲みに行くことを提案し、桜井が森子に食事の誘いを断られたことで落ち込んでいたと聞いた森子は、勇気を出して食事に誘う。その後、食事先でふと桜井が待ち合わせ場所に来たことに疑問を持つ森子。どうして日付を間違えていることを知っていたのか桜井に尋ねると、桜井は小岩井から飲み会のことを聞いていて、仕事帰りにたまたま森子を見つけて声をかけたとごまかし、森子はその話に納得するのだった。

タクシーで帰宅途中、少しだけ酔い覚ましの散歩を提案する桜井。歩いてる途中森子が桜井にお礼を言うと、桜井は「盛岡さんは本当に真面目で、優しい人なんですね」と告げる。森子はこの言葉をどこかで聞いたことがあった。その後小岩井のことを話し始める桜井は小岩井と会うことを楽しみにしている森子を励ますのだった。

次の日、桜井はネトゲをしながら森子の背中を押すことができたのか考えていた。ゲームになかなか集中できずにいると、小岩井からメールが届く。そこには森子が寝ている写真付きで桜井を焦らせる内容が書かれていた。
桜井が店に着くと小岩井は森子を家に送り届けた後だった。小岩井に茶化されるも桜井は「2人がどうなっても、俺には関係ないです」と強がる。そんな桜井の態度に小岩井は「通勤に使わない駅なのになぜ森子を見つけたのか」と質問するが、桜井が偶然だと言い張るため、小岩井は問い詰めるのをやめるのだった。

帰宅した森子は二日間の出来事に余韻を残しながらネトゲをプレイする。ログインするとリリィに飲み会の事を尋ねられ、楽しかった旨を伝える林。嬉しそうな林の様子に桜井は「良かったですね、盛岡さん」と呟いた。

桜井の期待と葛藤

桜井は林と会って自分と小岩井の話を聞く勇気が出ず、ログインすることをためらっていた。リリィとして林に優しく接する日々は楽しかったこと、久々の初心者は可愛らしくて謙虚で真面目そうな口調が微笑ましかったことなどを思い出す桜井。「ゲーム内のこと」と割り切って、自分に尽くそうとする林と林に尽くす自分という形で仲良くしていこうと思っていた。しかし桜井は深入りしすぎてしまったと自覚する。林のこと、森子のことを知れば知るほど林=森子という確信が生まれ、今はただ林(森子)に会いたいという気持ちを強くしていた。

ログインし、2人きりになる林とリリィ。リリィは林が桜井や小岩井との飲み会について話すのだろうと考え、緊張していた。リリィの考え通り、林はリリィに相談したお礼や飲み会のことを話し始め、桜井のことを褒めるのだった。

別の日、小岩井は桜井を誘って《フリドメール》を始めようと考えていたが、桜井に電話をすると忙しい様子だったため、代わりに森子に電話をかけてネトゲの事を聞く。話を聞いた森子はネナベをしていることを隠すため、新しくキャラクターを作って一緒に遊ぶことにした。森子が作り出したキャラクターは、以前別のネトゲで使っていた外見のキャラをベースに作られていた。
森子は「Molly」という名前で小岩井を迎えに行き、「はるみ」だと思われる人に声をかけて一緒に遊び始める。

一方、帰宅した桜井は小岩井が《フリドメール》を始めたことを知り、小岩井と森子が仲良くなっていくことでリリィは邪魔になるのではないかと思い始める。森子が小岩井に好意を寄せていると思っていたためだ。しかしメールの中に添付された森子の新しいキャラクター写真を見て驚く。過去にプレイしていたネトゲ内の友人「ユキ」にMollyが似ていたのだ。桜井はMollyがユキにしか見えず、森子がユキであってほしいという期待を胸に新しいキャラクターで《フリドメール》を始める。
小岩井はそんな桜井から電話をもらい、ゲーム内でカンベ、Nico、Mollyに自身の友人も《フリドメール》を始めたことを伝える。ここで森子は桜井がプレイすると知るのだった。

過去の2人

大学生の頃に両親が他界して今のマンションに引っ越してきた桜井は、ひとりぼっちになった寂しさを埋めるように《ナンターラサーガ》というネトゲをプレイするようになる。そこで出会ったのが、ライトブルーの長髪が特徴的な女性キャラ「ユキ」という年上の社会人プレイヤーだった。桜井はやる気いっぱいのユキを応援することがネトゲの楽しみの一つとなっていく。そしてお互い週末に一緒に遊べることを楽しみにするほど仲良くなった。しかしユキがゲームにログインしなくなってしまい、その後ゲームもサービス終了となってしまったため、2人の交流は途切れてしまう。

桜井はあの時のユキが森子なのではないかと期待と不安でいっぱいになっていた。真実を確かめるべく、桜井はかつて使っていたキャラクターの名前「ハース」をアルファベット表記「Harth」にして、新しいキャラクターを作りログインする。Mollyやはるみ達と合流したHarthは、森子がユキなら名前に気づくのではと緊張する。しかし森子はHarthの読み方が分からず気づかない。

無駄な動きがなくゲームに慣れている様子のHarthに、ゲーム歴を聞いてみるMolly。すると森子もプレイしていた《ナンターラサーガ》をプレイしていたということが分かり、更にHarthの読み方が「ハース」であることを聞いて驚く。実は「ユキ」というキャラクターネームで《ナンターラサーガ》をプレイしていた森子は、ネットの向こう側にいる先輩プレイヤーのハースに恋をしていたのだ。森子はHarth=ハースなのか聞こうとするが、タイミングを逃しHarthはログアウトしてしまう。
ハースが桜井なのか気になった森子は悩んだあげく電話をすることにした。ユキについて尋ねると、桜井は「お久しぶりです、ユキさん。」と優しく答える。まさかの再会に喜ぶ森子だったが、ユキが自分であることにがっかりしたのではないかと自虐的に質問する。しかし桜井はユキが森子だと知る前から、森子が一生懸命な人だと知っていたと声をかけるのだった。そして桜井は意を決して「実は俺、リリィなんです!」と告白する。しかし森子からの反応がないためスマホを見ると充電がなくなっており、森子に告白は伝わらなかった。

翌日、コンビニに向かう途中の森子と鉢合わせする桜井。すっぴんや服装などを恥ずかしがっていた森子は更にお腹が鳴ってしまい、いたたまれない様子となってしまう。桜井はそんな森子を近くの公園に誘い、菓子パンを渡す。情けない姿ばかり見せているとうつむく森子を桜井は励ますのだが、「優しくて真面目な人」という言葉は以前リリィにも言ってもらったことがあり、森子は「リリィと桜井が似ている」と口にする。そんな森子に桜井は自身がリリィであることを告白する。

距離が縮まる森子と桜井

森子(左)と桜井(右)

リリィが桜井であることを告げられた森子は混乱する。そんな森子に桜井は林=森子だと気づいた経緯を説明し、《フリドメール》を辞めることを伝える。しかし森子にとってはリリィとネトゲをする時間は大切なもので、正体が桜井だとしてもゲームを一緒に楽しみたいと思い、桜井のことを必死で止める。「いいネトゲ友達でいたい」と伝える森子に対し、桜井は森子に想いを寄せていたことから表情が曇るものの「これからもよろしくお願いします」と返すのだった。

それから桜井はログインしない日々が続き、リリィと遊べずに寂しく思う林はカンベやぽこたろうと遊んでも上の空だった。

一方、桜井は小岩井と泥酔するまで飲んでいた。桜井の珍しい様子に小岩井が質問すると、「フラれた」と告げる桜井。森子の「いいネトゲ友達でいたい」という言葉で桜井はフラれたと思っていたのだ。桜井の気持ちに気づいていた小岩井は、翌日森子と桜井をそれぞれ公園に呼び出し、2人を鉢合わせさせた。気まずくなる2人だったが、森子のお腹が鳴ったことで桜井が笑い、それまでの雰囲気が和やかになる。そしてお互いご飯を食べていなかったこともあり、2人でコンビニへ向かった。

コンビニには桜井と顔見知りの女性店員・矢代(やしろ)がいた。桜井に彼女なのかと尋ねる矢代に、自分に自信がない森子は「こんな人が」と付け足された気がして彼女じゃないと否定。そして逃げるようにコンビニを出ていく。桜井が森子を追いかけると、森子は桜井に恥ずかしい思いをさせてしまったと感じ謝罪する。しかし桜井は「そんな風に思ってない」と強く否定し、桜井の優しい言葉に泣きそうになる森子。すると突然雨が降り始めたため、桜井は自身の部屋に森子を誘うのだった。

桜井のマンションに着き、シャワーを借りる森子は自分の状態に動揺する。桜井も森子が泣いてしまったことや、自分の部屋で自分の服を着ている森子に対して動揺していた。その後森子だけがソファに座り、桜井は床に座って森子を見つめていた。そんな桜井の様子に居心地の悪くなった森子は一緒に座るよう促すも、桜井は横並びだと話しにくいからという理由で遠慮する。そしてお互いにソファを譲り合っているうちに、和やかな雰囲気になっていった。

森子は桜井の部屋を眺めているとパソコンに目が留まり、それに気づいた桜井にリリィやハースのことを熱弁する。桜井は森子にパソコンを触らせてあげると、2人の距離は近づき、マウスに重なった手にドキドキが止まらなくなる。その後2人で一緒に昼食を作って食べ終えると、片付けの際に森子はコンビニでの出来事を謝罪する。自分を卑下する森子を励ます桜井。桜井の優しい言葉に森子は涙を流しながら、ニートになってネトゲを楽しんでいることに対して後ろめたかった気持ちが軽くなる。

その後、森子を家まで送った桜井は自宅前で告白しようとするが子供たちの声で邪魔され、聞き取れなかった森子に「今日みたいに林さんとリリィとしてでも、盛岡さんと桜井としてでも、ゲームでもそれ以外でもたくさん遊んで話しましょうね」と伝える。

それ以来、リアルでも会うようになった森子と桜井。映画と食事の約束をした森子は待ち合わせ場所で待っていた。桜井と合流後、映画館へ向かうため並んで歩きだす2人。ショーウィンドウには林とリリィが映っており、森子は「桜井さんと並んで歩いて恥ずかしいと思われない自分になりたい」と心の中で誓う。その大事な一歩を踏み出そうとすると、森子はヒールで躓づいてしまい、桜井がとっさに手を掴む。そのまま勇気を出して手を握る桜井に、森子も緊張しながらその手を握り返し再び歩き出す。ぎくしゃくしながら歩きだす2人の後姿を夕日が照らしていた。

『ネト充のススメ』の登場人物・キャラクター

現実世界

盛岡森子(もりおかもりこ)

CV.能登麻美子

現実での主人公。高校卒業後から働いていた会社を辞め、ニートになった30歳独身。
満を持してのニート生活の中で、リアルでは得られなかった充足感を求めてネトゲ三昧の日々を過ごしている。
口調は丁寧でおとなしい振る舞いの傍ら、脳内のテンションはめっぽう高い。
従順素直な性格の裏側には、かつての社会生活で身に付いた怯えによるもの。
ネガティブながら決めたことに対して責任を持つ真面目さを持つ。

ゲームキャラクター:林

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