GRAPEVINE(グレイプバイン)の徹底解説まとめ
GRAPEVINE(グレイプバイン)は1993年に結成され、4年後の1997年に「覚醒」でメジャーデビューを果たした日本のロックバンド。メンバー脱退などを経て、2014年にはレコード会社移籍をし、バンドライフの大きな転機を迎えた。骨太なグルーヴと文学的な歌詞の世界を持ち味とし、アルバムごと、ともすれば一曲ごとに全く違った作風を見せる幅の広さも大きな魅力となっている。
GRAPEVINE 概要
GRAPEVINE(グレイプバイン)は、ボーカル・ギター・田中和将、ギター・西川弘剛、ドラムス・亀井亨の3人からなる日本のロックバンド。
レコード会社はSPEEDSTAR RECORDS、公式ファンクラブは「BALLGAG」である。
ブラックミュージックの伝説的歌手マーヴィン・ゲイの大ヒット曲「I Heard It Through the Grapevine」をバンド名の由来とする。
ソウルやR&Bなどの黒人音楽やビートルズ、レッド・ツェッペリンを始めとする古い洋楽を愛好するメンバーが集まり1993年に大阪府で結成された。ルーツにそういった物を持ちながらも、彼等自身の音楽性は非常に現代的でオルタナティブであり、世間を斜めに見たような社会風刺的な要素を持った歌詞と、芳醇で重厚なロックサウンドが特徴である。
メジャーデビュー20周年という長いキャリアを経てもなお尽きることのない探求心と遊び心をもって生み出される圧倒的な個性を放つ楽曲は、音楽ファンのみならずプロのミュージシャン達にも多大なる影響を与え続けている。
GRAPEVINEの来歴
結成~メンバー脱退
1993年に西原誠と西川弘剛によって大阪で結成される。「当方、ソウルなどの古い洋楽を好む」のように書かれたメンバー募集のチラシを見て、同年に田中和将が加わる。その翌年には西川の後輩であった亀井亨が参加し、大阪を拠点とした活動を精力的に行うようになる。
1997年にミニアルバム「覚醒」でポニーキャニオンからメジャーデビューを果たし、二年後にシングル「スロウ」で一気にブレイクする。この曲はタイアップが付き、今の彼等としては考えられないことだが、テレビに出演して演奏したこともあった。同年にリリースしたアルバム「Lifetime」はバンド史上最も売れたアルバムであり、オリコン初登場3位を記録した。
2001年、ジストニア治療の為にリーダーである西原誠がバンドを一時的に離脱する。このときからサポートメンバーとして金戸覚(ベース)と高野勲(キーボード)がバンドに参加するようになる。翌年には西原は復帰しアルバム「another sky」の製作に加わるが、ジストニアが再発し同年に脱退する。
メジャーデビュー15周年~事務所移籍
2012年、バンドはメジャーデビュー15周年を記念しベストアルバムの発売を決定する。それに伴い2012年7月16日から7月31日までの期間、楽曲のファン投票が行われた。その結果を参考にしたアルバムが9月19日に発売された。
2014年、ポニーキャニオン内のレーベル「ROCKERROOM」からビクターの社内レーベルである「SPEEDSTAR RECORDS」へ移籍することおよび、音楽専門チャンネル「SPACE SHOWER TV」が運営するレーベル「SPACE SHOWER MUSIC」とのマネージメント契約締結を発表した。
GRAPEVINEのメンバー
田中 和将(タナカ カズマサ)
1974年1月15日生まれ。兵庫県神戸市出身。主な担当はボーカルとギター。
兄の影響でRCサクセションやTHE STREET SLIDERSなどを聴いたことがきっかけで音楽に目覚めた。かなりの愛煙家であり、また酒好きでもある。
自ら公言するほどの読書家としても知られ、坂口安吾や阿部公房などの作家をフェイヴァリットとして挙げている。海外文学にも造詣が深く、モーパッサン、サキ、ヘルダーリン、ホーソーン、サリンジャーなどの作品をモチーフにした曲が存在する。
ジャンルの垣根を超えたバンドの楽曲群を見事に歌いこなす歌唱力には定評があり、ソウル歌手のようなしゃがれ声からムード歌謡曲の歌手さながらに色気のある声までを自在に操る才人。特にライブ時にはそれが顕著であり「歌唱力おばけ」「声量おばけ」と一部で言われるほどである。
2009年からサポートメンバーの高野と「Permanents」名義での活動も行っている。
西川 弘剛(ニシカワ ヒロヨシ)
1969年11月14日生まれ。奈良県の出身。主な担当はギター。
バンドでは年長者ということもあってか「アニキ」または「西川さん」とさん付けで呼ばれることがある。
メンバーの中では最もサウンド面でのこだわりが強く、アルバム製作においてプロデューサーが付かない時はプロデューサーのような役を兼ねる。
ライブ時に観客のほうを見ることは少なく、目をつむって曲の世界に入り込むようにギターを弾く。
初対面の際に田中が「殺し屋みたいなギタリスト」だと思ったと後に語っているほど強面だが、かなり気さくで、ライブDVDの副音声やメディア出演時に一番ジョークをつぶやくのは実はこのギタリストである。そしてコーラスが一番爽やかで綺麗なのも西川であることはファンの間では有名。
亀井 亨(カメイ トオル)
1972年8月2日生まれ。大阪府出身。ドラム担当。
西川とは同じ大学の同じ音楽サークルの先輩と後輩という間柄だが、在籍時期は被っておらず学生時代はまだ共に活動してはいなかった。
「一番ゴツイのに一番ナイーブな曲を作る」と田中に揶揄されることもある通り、ドラマ―としては珍しく彼がバンドの中では一番のメロディメーカーとして多くの楽曲の作曲を手がけている。
本人曰く最高傑作は「スロウ」という曲。近年はセッションから生まれる曲が増えてきてはいるものの、いまだアルバム一作の中で亀井が作曲を担当した楽曲が占める割合は多い傾向がある。ただ、コーラスはあまり上手くない。
GRAPEVINEのサポートメンバー
元メンバーである西原誠が病気による休養中に行われたライブから、二人のサポートメンバーがバンドに参加するようになる。
ベースの金戸覚とキーボード・ギターの高野勲である。
西原が正式に脱退して以降は本格的にレコーディングやライブへ毎回参加しているため、メンバーからは”ほとんどメンバーみたい”な存在として意識されている。それでも正式メンバーという扱いになっていないのは田中曰く「二人は他でも活動しているので単純にその方がフレキシブルだから」とのこと。
金戸 覚(カネト サトル)
1966年8月25日生まれ。愛媛県出身。主な担当はベース。
元WILLIE'S APPLE、元JOHN BRIEFメンバー。
現在はB.F.I.、FTK&Kでも活動している。
2001年にライブに参加したのち、ふたたび2003年のツアーよりサポートとして参加し続けている。
玉木宏や寺岡呼人などのライブやレコーディングにも参加するなど、日本の音楽業界をある意味影で支えているベーシストであると言える。
元リーダーの西原誠の前に出る主張の強いプレイスタイルとは違い、縁の下の力持ち的にどっしりと腰を据えた演奏をするのが特徴。しかし時には軽やかに歌うような音色を鳴らすこともあり、柔軟性の高さもうかがえる。
本人自体の人柄は至って飄々としたもので、CDの特典映像などでは冗談の好きなよく笑うおじさんという姿を垣間見ることが出来る。
高野 勲(タカノ イサオ)
目次 - Contents
- GRAPEVINE 概要
- GRAPEVINEの来歴
- 結成~メンバー脱退
- メジャーデビュー15周年~事務所移籍
- GRAPEVINEのメンバー
- 田中 和将(タナカ カズマサ)
- 西川 弘剛(ニシカワ ヒロヨシ)
- 亀井 亨(カメイ トオル)
- GRAPEVINEのサポートメンバー
- 金戸 覚(カネト サトル)
- 高野 勲(タカノ イサオ)
- GRAPEVINEの元メンバー
- 西原 誠(ニシハラ マコト)
- GRAPEVINEのディスコグラフィー
- 『退屈の花』
- 『Lifetime』
- 『Here』
- 『Circulator』
- 『another sky』
- 『イデアの水槽』
- 『deracine』
- 『From a smalltown』
- 『Sing』
- 『Twangs』
- 『真昼のストレンジランド』
- 『愚かな者の語ること』
- 『Burning tree』
- 『BABEL,BABEL』
- 『Roadside Prophet』
- GRAPEVINEの代表曲
- スロウ
- 光について
- ナツノヒカリ
- BREAKTHROUGH
- ジュブナイル
- RAKUEN
- Empty song
- GRAPEVINEのエピソード・逸話
- ボーカル失踪
- リーダーの脱退