うそカノ(Uso Kano)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『うそカノ』とは、林みかせによる少女漫画作品。2013年2月号より白泉社「LaLa」に連載中。
片想い中の入谷くんが「彼女のふりをしてくれる人=うそカノ」を探していると知り、すばるが思わず立候補する。いつかはホントの彼女になりたいと願うすばるの恋の行方を描く。

主人公。普通科1年5組→2年5組→3年5組。写真部所属。
片思いの入谷くんに近づくため、嘘の彼女に立候補した。明るく前向きな性格だが貧血持ちでよく倒れたりして保健室のお世話になっている。
「人より少し思慮が浅く、人より少し要領が悪い」と妹に評されている。
1歳違いの妹がいる。妹のことになると猪突猛進。
ミルクセーキが大好き。かぼちゃの煮付けが少し苦手。

入谷 匡史(いりや ただふみ)

特進科1年1組→2年1組→3年1組に所属している。成績は学年トップ。クラスメイトから「人を好きになれない欠陥人間と言われている」という理由でうそカノを探しているとすばるに説明した。しかし、実際は想いを寄せていた養護教諭・槇村里香が結婚するので、自分はもう大丈夫だと安心させるためだった。
すばると関わることにより次第にすばるに惹かれていく。すばるの近くにいつもいる和久井の存在が気にかかっている。いつも突っかかってくるすばるの妹・トモにすばるとのデートを邪魔され振り回されている。
クールで無愛想、恋愛には疎いので、恋愛指南書などを読み研究している。

教室ではいつも無表情だったのだが、すばると関わることで表情が柔らかくなり、人気が出てきた。

将棋が趣味で、すばるの父と打つこともある。

和久井 朔哉(わくい さくや)

普通科1年5組→2年5組→3年5組。写真部に所属している。
すばるの小学時代からの友人。転校してきたばかりのすばるを気遣いクラスに馴染めるように手を尽くした。それ以降、家族ぐるみの付き合いをしている。男友達が少ないすばるにとって、自分は特別な存在なのだと思っていた。明るく人当たりがよく、とてもモテる。長続きはしないがいつも彼女がいた。

しかし、すばるが入谷のウソかのになったことで、自分の本当の気持ちに気付いた。すばるに告白してみるが、今までの言動がたたり、本気にしてもらえず悩む。
きちんと告白し、意識してもらえるようになったが、すばるの入谷への気持ちは揺るがない。
写真部の後輩・時田のトモに対する諦めない行動を見て感化される。
最近は2人を認め、前に進もうと気持ちを切り替え始めた。

神宮寺 とも(じんぐうじ とも)

神宮寺すばるの妹。中学3年→特進科1年1組→2年。写真部所属。
クールで落ち着いた性格。シスコンでおっとりした姉をいつも案じている。真っ直ぐな性格のため、言葉が強く、時に攻撃的にも感じられる時もある。
すばるにうそカノを頼んだ入谷の不誠実な行動が気にいらず、毛嫌いしている。
大好きな姉には、優しい和久井が相応しいと考え、入谷とすばるの中を邪魔したり、すばるに告白しろと和久井をけしかけたりしている。

時田 律(ときた りつ)

神宮寺とものクラスメイトで文化祭の時迷子になりすばる達が世話をした時田まちの兄。特進科1年1組。後に写真部に所属する。
文化祭のミスタコンで3位に入り注目されたことにより盗撮被害が増え、トモに相談したことから写真部に入部することになった。

時田が捨てた写真をトモが拾い、その会話の中でトモが時田に興味がなかったことが心地良くトモに興味を持つようになった。
正論ではあるが辛辣な言葉で人に接し、時にトラブルになってしまうことが多いトモを気遣うようになった。
時田が撮った写真を盗もうとしている女子を咎め、泣かせてしまったトモ。傍目にはトモが悪いように見えるが実際には盗むのではなくきちんと時田に頼めと諭していたのだ。そんな不器用なトモに思いが強くなっていく。

『うそカノ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

すばるの嘘がバレて本当の彼女になったシーン

すばるが具合が悪い時、冷却剤をくれ、親切にしてくれた時からずっと入谷を想い続けてきたすばる。シャーペンに「入谷君と恋がしたい」とおまじないをしていた。「うそカノ」ではあったが、入谷の側にいられることに喜びを感じていた。しかし、入谷が養護教諭・槇村里香のことが好きだったと知ってしまってから、うそカノとして入谷の側にいることが辛くなってしまった。自分はどんどん入谷を好きになるのに、入谷は槇村しか見ていない。報われない自分の思いがこれ以上膨らむ前に、告白して嫌われる前に入谷から離れようとすばるはうそカノ解消を申し出た。
槇村を安心させるためのうそカノではあったが、すばるの表情や仕草に心が傾きかけていた入谷は、すばるからのうそカノ解消の申し出に、割り切れないものを感じていた。いつもすばるの近くにいる和久井の存在も気に掛かり、もしやすばるの好きな人は和久井なのではと疑ってしまう。イライラが高じてすばると交換したシャーペンを弄っていたら芯を全て出し切ってしまい、芯を中に戻そうとした時、すばるがおまじないをした紙を発見した。
すばるの本心がどこにあるのか、確かめるために入谷はすばるを探し、問い詰めた。

いつもクールで冷静、無表情だった入谷がすばるの本心を知るために息を切らして走り、和久井への嫉妬を隠さない表情が胸を締め付ける名シーン。

引用:うそカノ 1巻

神宮寺さんの「彼氏」は俺なんだから

体育祭が始まった。各クラスが趣向を凝らした服装で応援をしている。入谷のクラスは学ラン。すばるのクラスはだぼだぼジャージに猫耳を付けていた。あまり騒がれるのを好まない入谷はすばるの「応援する」という言葉にも「頑張らないから応援しないで」とそっけない。しかし、すばるが和久井のジャージを着ていることに気づき自分の物と交換させるなど、独占欲が芽生えていた。
すばるの幼馴染和久井は、すばると入谷の関係が嘘から始まっていると知り、入谷に対する不信感が取れない。100m走で一緒になった時、どちらが早いか競争しようと持ちかけ、「賭けるのすばるね」と入谷を挑発する。頑張らないはずの入谷はその言葉を聞いて全力疾走し、和久井を躱して1位になった。
一方すばるは借り物競争の出場し、お約束の「彼氏・彼女 または好きな人(同性不可)」を引き当て硬直してしまう。ここで入谷を巻き込んで騒がれて嫌われたくないと、一歩も動けなくなってしまった。和久井が立ち上がり、すばるの元へ行こうとした瞬間、それより早く入谷がすばるの元へ駆けつけた。

目立つこと、騒がれることを嫌い、皆の前で話しかけるなと言っていた入谷がすばるの窮地を助けるため、全校生徒が見ている前ですばるの手を取りゴールした。
ニヤニヤが止まらない名シーン。

引用:うそカノ 2巻

すばるをうそカノにしてしまったことを謝る入谷にすばるが間違っていない、と言い切るシーン

自分が恋愛に疎い事を知っている入谷は恋愛指南書を読み、相手が喜ぶ言動などを研究していた。そこに、調理実習で作ったマフィンを食べてもらいたくてすばるは入谷の教室を訪れた。指南書に書いてあるように目の前で食べ、美味しいと言ってみるとすばるが喜び、さらに詳しく感想を言ってみたら反応はイマイチでなかなか難しい。初めて入谷の教室を訪れ入谷のテリトリーに入れたことが嬉しいすばるは「同じクラスごっこ」をしてはしゃいでいる。
一方入谷のクラスメイトは、いつも無愛想な入谷が人の手作りを食べ、同じクラスごっこに付き合い、前に座るすばるの髪を弄るなどいつもと違う入谷に驚く。入谷の彼女を見ようとどんどん人が押しかけてきた。
騒がしくなった教室から2人は逃げ出し、空き教室で隠れている時、すばるの発した「いじわる」というちょっと拗ねた表情と言葉に入谷は思わずキスをしようとする。そこに同級生が現れキスは未遂に終わった。
入谷はすばるにキスをしようとしたことをずっと考えて、ついに熱まで出してしまった。心配したすばるが家に行くとそこには隣に住む養護教諭・槇村の姿があった。入谷はすばるに気を使うが、うっかり槇村を「里香」と名前で呼んでしまい、すばるの表情が変わってしまった。すばるはまだ入谷が槇村を好きなのではないかと疑うが、そんな気持ちを入谷に知られたくないと何も話さない。入谷はすばるを部屋に誘い、自分の話を聞いて欲しいと言った。槇村と自分の幼い頃、好きになったきっかけ、フラれた理由、うそカノを欲したわけ全てをすばるに打ち明け、「でも今は少し後悔している、君をうそカノしてしまったことを」と入谷は謝った。それを聞いたすばるは入谷に詰め寄り「うそから始まったらダメですか?どんな方法だって間違ってるって言われたってかまわなかった、だってそれまでのわたしは声をかけるきっかけさえ持ってなかったから、入谷くんが先生を好きだったから、わたしをうそカノにしてくれたから今こうしてそばにいられる、わたしの中の入谷くんは何も間違っていません」
トモから責められ、自分の行いを後悔した入谷だったが、すばるの自分に対して一生懸命で前向きな姿に救われる思いがした。
入谷のすばるに対する思いが強くなってきたことや、すばるの入谷に対する強い気持ちがよく伝わる名シーン。

引用:うそカノ 2巻

…本番は俺とするんでしょ?

3esugi-07
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