東京レイヴンズ(Tokyo Ravens)のネタバレ解説・考察まとめ

東京レイヴンズは、富士見ファンタジア文庫から刊行されているあざの耕平によるライトノベル。
陰陽師家の名門の血筋でありながら、霊気の流れや、霊的存在を見ることの出来る力「見鬼」の才がない、落ちこぼれの少年土御門春虎が、陰陽師になり除々に力をつけていく、土御門春虎と土御門夏目を中心とした陰陽師アクションファンタジー。

汎式陰陽術

帝式陰陽術から魂の呪術や、強力すぎるものを削ぎ落とした、安全な呪術体系である。現在は、陰陽師が使う呪術は全てこちらに該当する。

甲種呪術

陰陽庁によって確かな効果が認められた呪術。原則として国家資格「陰陽2種」または「陰陽1種」取得者のみに行使が許されている。仮免許所持者として、陰陽塾の塾生にも限定的ながら使用が認められている。

乙種呪術

甲種呪術以外の呪術全般を指す呪術。主に思い込みや精神的な束縛などの面で用いられる。

式神

陰陽師が操る僕のこと。作中では使い魔だけでなく主従関係にあたる陰陽師間の関係としても使用される。
式神の種類には「使役式」と「人造式」に分類される。
「使役式」は、神仏、鬼神、霊獣といった実際の霊的存在を呪術によって従えたものであり、その成り立ちゆえに強大な力を有するものが多いが、その反面、強力な存在であるほど従えることが難しく、制御するには術師に高い能力が求められる。
それに対し、「人造式」は「形代」と呼ばれる核に呪力を込めることで作り出される式神であり、与えられた指令を実行することに特化したものが多い、現在は「人造式」主流である。
この2種類の式神を用途、目的に応じて更に細分化したものが、主を守るために常に側に侍る「護法式」、対象拘束に特化した「捕縛式」、鋼鉄の形代を核にした頑丈な「機甲式」などその分類は様々わたる。

鴉羽織

土御門夜光が作ったとされる呪具。陰陽庁では禁呪指定扱いにされている。道満の陰陽塾襲撃までは倉橋美代が保管していた。式神であり、人造式でありながらも使役式に近く、北斗と同格の霊力を誇る。
至道によれば霊災の最終段階「ファイナルフェーズ」の手掛かりとされている。

月輪

鴉羽織の対となる呪具。鴉羽は太陽の象徴であるのに対し、月輪は、月の象徴たる玉兎を模して作られていると考えられている。現在は相馬秋乃に取り憑いている状態である。

生成り

鬼、竜、兎などの霊的存在を身体に憑依させている人のことを言う。霊的存在を宿しているため、生成りが原因によって霊災が起こってしまうケースもある。そのため、世間から生成りは、忌み恐れられている。身体に憑いている霊的存在を制御できなくなってしまうと、暴走し、フェーズ3以上の霊災を引き起こしてしまうが、冬児や鏡など自分に憑いている霊的存在の力だけを引き出し利用しようとする術者を稀に存在するが、力を使うたびに霊的存在に近づく行為であり、暴走してしまう可能性を常に秘めている、諸刃の剣である。

霊災

霊的災害。大戦中に土御門夜光が執り行った大儀式の失敗により、現在の東京に頻発するようになった霊的異常現象のこと。自然界に満ちる「霊気」のバランスが崩れて、「障気」に変わり、自然界が持つ自浄作用の限界を超えることで発生する。陰陽庁によって、霊災の段階が定められている。
フェーズ1、自然に回復を見込めない霊気の偏向、災害に発展する直前の段階。
フェーズ2、さらに進行し強まった障気が周囲への物理的被害を与えるほどになる。
フェーズ3、この段階になると大量の障気は実体化し、鵺、野槌、牛鬼など様々な異形の存在となって周囲に障気を撒き散らす、移動型、動的な霊災を引き起こす。
フェーズ4、1つの巨大な霊災を中心として無数の霊災が連鎖的に発生し、実体化して暴れ回る百鬼夜行となる。
なお、一説ではさらにその先、進行した霊災が世界に受け入れられ遍在化する、フェーズ5(ファイナルフェーズ)が存在すると言われている。

泰山府君祭

土御門家が代々執り行ってきた儀式であり、土御門夜光が死亡した原因とされている。死者復活などの魂を操作する呪術とされているが、その全貌は未だに解明されていない。

天曺地府祭(てんちゅうちふさい)

土御門の祭儀で秘儀中の秘儀。道満いわく「泰山府君祭」の上位版。泰山府君を含む冥道12神を祭る祭儀。夜光は相馬の要望を受け、親皇平将門専用の帝式天曺地府祭を編み直し儀式を執り行いそれに失敗して大霊災が発生したと道満は語った。

上巳の大祓

大連寺至道が起こした霊災。至道が自らにとある鬼を下ろしたことから発生した。
冬児が、生成りになった霊災でもある。

上巳の再祓

陰陽塾2年生の進級試験の当日に六人部千尋が起こした霊災テロ。数体のフェーズ3鵺が発生した大規模霊災で、修祓のために夏目たちも手伝うこととなる。この霊災テロによって夏目たちは、鏡、道満などと初めて出会うこととなるである。

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