ホタルノヒカリ(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ホタルノヒカリ』とは、ひうらさとるによって2004年から2009年まで『Kiss』に掲載された漫画作品。2007年に綾瀬はるか主演にてテレビドラマ化され、2010年に『ホタルノヒカリ2』、2012年には『映画 ホタルノヒカリ』と続いた。恋愛するより家で寝ていたいと思っている27歳の干物女雨宮蛍が、枯れ果て忘れていた恋心を取り戻す物語。

雨宮 蛍(あめみや ほたる)

SW社インテリア事業部所属。27歳。恋愛するより家でゴロゴロ寝ていたいという女性だった。同居することになる上司の高野から、枯れている干物女、と称された。
3歳年下の家具デザイナー・手嶋マコトにキスをされたことにより、5年ぶりの恋愛を頑張ってみることにしたが、長年恋愛から遠ざかっていたため、とにかく臆病でなかなか前に進まない。高野から助言を受けなんとかごまかし続けてみたものの、高野との同居を告白し振られた。
のちに、自分に安らぎの空間を与えてくれていた高野に恋をし、一時期結婚話まで出るが、自分の未熟さを理由に破断。5年間離れ、自立した女性になって高野と再会。
お互いの思いが変わっていないことが分かり、結ばれた。

高野 誠一(たかの せいいち)

SW社インテリア事業部部長。蛍の上司。41歳。1月11日生まれ。クールでプライベートを見せない、かっこいい、いい感じの上司だと思っていたが、蛍が一緒に暮らしてみると、キレイ好きの口うるさい小姑のようだが、たまに少年のような瞳を見せる人だと分かった。鉄道や盆栽が趣味。妻が出て行き、蛍が住む家にやってきた。だらだらした干物女の蛍が精いっぱい頑張っている姿を見て、励ましたり助言をしたり、見守ってきた。妻が出て行き、やりきれない気持ちになった時、蛍に救われたことが何度もあった。蛍が手嶋マコトに振られた時、側で支えた。沖縄に移住した父親のケガから妻の居所が分かり、話し合い、決着がついた。
蛍に告白された時、同情だと切り捨てるが蛍の本気を知り、一気に結婚まで話を進めようとしたが、蛍の気持ちが追い付かず破断。蛍を待つことに。その間、新会社を立ち上げ、代表取締役に就任。
蛍が大阪から東京に戻り、お互いの気持ちを確かめ合った後は、蛍が購入した家に一緒に住むことになった。

手嶋 マコト(てしま まこと)

画像左が手嶋マコト

ロンドン帰りの新進家具デザイナー。24歳。若く才能あふれるデザイナーだが、少々マイペースで周りに迷惑をかけることもある。シャイで天然。高校の先輩に似ていることから蛍に興味を持ち、屋上でビールを口にする蛍に恋をした。職場での蛍は優しくて大人な女性を演じているので、蛍の干物姿は知らない。一時期蛍との結婚を前向きに考えようとしていたが、その矢先に蛍から高野との同居を打ち明けられ動揺。一度は蛍を許し、信じようとしたが、リラックスした蛍の干物姿を高野が自然に受け入れているのを見て、自分には蛍と付き合うことは無理だと別れを告げた。反省した蛍が湘南の仕事場を訪ねたが、会うこともせず追い返した。その後、自身の作品展で、蛍と結婚するという誤解を解くために、スピーチの場で蛍と別れたことを宣言。その後は、各地のアーチスト村を全国行脚して、実力を高めていた。
沖縄のアーチスト村にいた時、偶然蛍と再会。振った当時のことを謝罪し、蛍と和解。今度は高野と蛍を応援することにした。
のちにLAに渡り、現地のアーティストと結婚。

三枝 優華(さえぐさ ゆうか)

LD社のインテリアプランナー。24歳。蛍や誰もが憧れるステキ女子。何事にも計画的に取り組み完ぺきにこなす。しかし、予定が狂ったり予定になかった事柄が起きるとパニックになったりする。天然なところがあり空気が読めないこともある。手嶋マコトに思いを寄せていた。蛍という彼女がいることは知っていたが、彼女がいても好きな気持ちは止められないと、貪欲にアピール。蛍から皆の前で「この人は譲れない」と言われ、今度こそ諦める決心をする。
同じ社の神宮司要は学校の先輩だが、学生時代から思いを寄せられていたが、全く気付かなかった。要から告白され、そこから要を異性として意識するようになった。

神宮司 要(じんぐうじ かなめ)

画像右が神宮司要

LD社勤務。27歳。三枝優華の大学時代の先輩。仕事のできる隙のない殿様男。強気で強引。女性にもてる。少し身長が低い。広島弁を話す。学生時代から優華を想っていたが、告白できないでいた。蛍に背中を押され、一度告白をするが玉砕。しかし、優華に意識してもらうことには成功し、その後、紆余曲折を経て交際することになった。蛍とは、全く合わない敵だと思っていたが、話してみると、思っていることを何でもポンポンと話せる自然体でいられる友人であることが判明。時代劇や忍者が好きなど趣味も合う。仲が良すぎて、優華が嫉妬することもある。

『ホタルノヒカリ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

蛍が高野部長の誕生日をお祝いするシーン

年末、実家に戻っていた蛍は古い社報を読み、元旦が高野の誕生日だと知った。たったひとりで過ごす高野を不憫に思った蛍は予定を変更して急遽帰宅。高野の誕生日を祝う用意を始めた。
高野はひとり楽しく過ごしていたが、蛍に年寄り扱いされたことを思い出し、少し若く見える服を購入するため行きつけの店へ。ところが店員から少し前に妻が若い男用の服を購入していたことを知らされ、やりきれない気持ちを持て余しながら帰宅すると、そこには自分の誕生日を祝う飾りつけと、その近くで飲んだくれている蛍を見つけた。
社報は誤植で実際は1月11日が誕生日なのだが、蛍の気持ちが嬉しい。しかも、実家に戻る前は父親以上祖父未満だと言っていた蛍の「部長は足が長いですね、父親とも祖父とも違いました」というセリフを聞き、「それ、今日聞けてけっこううれしいプレゼントなんだけど」と笑った。
妻の行動に落ち込んでいた高野が、蛍によって救われたシーン。

引用:ホタルノヒカリ 2巻

マコトのために頑張ってみたものの、優華には敵わず、卑屈になっていた蛍を高野が励ますシーン

仕事で無理をしすぎたマコトが倒れてしまった。たいしたことはなく、プロジェクトも無事に終了。蛍はマコトの彼女として、マコトの快気祝いとプロジェクトの打ち上げを企画し、高いおしゃれな所を予約しようとしたのだが、コネがないとなかなか予約が取れない。居酒屋しか予約できなかったが、プロジェクトメンバーに告知しようとした瞬間、三枝優華から全く同じ提案をされてしまった。しかも、蛍が予約しようとしてもできなかったおしゃれなお店が会場。蛍は優華に誘われるが、その日は別の用事があるからと断ってしまった。行く気のなかった同窓会に参加することにした蛍に高野は自分だって企画したんだと言えばいいのに、と言う。卑屈になっている蛍は、みじめすぎて言えない、と卑屈な態度をとる。
同窓会で、当時好きだった彼に彼女がいると勘違いし、勝手に恋を諦めていたことが判明した。そして、高野から言われた「言わなきゃ伝わんないことなんて、いくつになってもかわらないよ」という言葉を思い出す。ヘタレだけどヘタレなりにずっと頑張ってきたのをオレは知ってる、という高野の言葉に勇気をもらって、優華企画のパーティーに乗り込む。
卑屈な蛍が高野言葉で前向きになっていくシーン。

引用:ホタルノヒカリ 3巻

大事なことはお互いの違うところを許しあえて認め合えてそれでも愛しいと思えるかどうかなんじゃないの?

高野と蛍がいつものように縁側でビールを飲んでいた時にしていた会話の中の一言。

「人はどうして近しい人にほどしょうもないウソをついてしまうんでしょう」と発言した蛍に高野は詳細を聞いた。
蛍とマコトは趣味が意外と同じだった。すごくうれしくなった蛍は実は嫌いな味だったビールをマコトに合わせて好きだと言ってしまった。「ただがっかりした顔見たくないからついた小さなウソが、少しずつ少しずついつかふたりの大きなズレになったり…しないのかなあ…なんて」それに対して高野が言った一言。「…そりゃ一卵性双生児じゃないんだからなんもかんも同じというわけにはいくまい。自分を偽るかさらけ出すかなんて本当はたいした問題じゃないよ。大事なのはお互いの違うところを許しあえて認めあえて、それでも愛しいと思えるかどうかなんじゃないの?」
自然でいいんだよ、という高野の言葉。

引用:ホタルノヒカリ 3巻

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