異国迷路のクロワーゼ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

「異国迷路のクロワーゼ」とは、武田日向の漫画、及び2010年にサテライトで製作されたアニメーション作品。物語の舞台は19世紀のパリ。日本人の少女「湯音」は、アーケード商店街「ロアの歩廊(ギャルリ・ド・ロア)」の中にある「ロアの看板店(アンセーニュ・ド・ロア)」で働き、店主クロードと文化の違いを感じながらも絆を深めていく物語。19世紀のフランスの世界観や、湯音の着物などの装飾品が細かく描かれている。

CV:矢作紗友里

ブランシュ家の娘。アリスの姉。
穏やかでいつもニコニコしていて、アリスからは憧れられている。
しかしアリスからの気持ちを窮屈にも思っており、時折冷たい表情を見せる。
親からの期待を1人で背負い、アリスのように好きな物に没頭したり好きな相手と交流するというような自由が無い。
幼い頃からクロードに好意を持っていた。
しかし身分に差があるクロードに好意を抱くのは自分の立場としては良くない事だと自覚していたため、クロードに対して自分が他の誰かと結婚しても遊びに来てと言った。
そして悪気はなく、「自由な存在」という意味を込めてクロードを「野良猫」と呼ぶが、クロードにとっては非常に勝手な人間に見えたため、それ以降嫌われている。
カミーユは大人になってからもクロードに好意を持っているようで、何にも縛られずにクロードの側にいる湯音に対しては冷たく値踏みするような態度を取った。

浮浪児

CV:儀武ゆう子

商店街にいる浮浪児の少年。名前は不明。
湯音の店番中にロアの看板店の職台を盗んだ。
湯音は少年に居場所を探している自分と重ね優しく接し、少年も湯音の優しさに触れて態度を改める。
湯音が熱を出して倒れた時は玄関先に自分で摘んで来た花を置いていった。
クロードからはあまり良く思われて居ないが、少年が湯音に花を持ってきた際は花を湯音まで届けてあげた。

汐音(しおね)

CV:能登麻美子

日本にいる湯音の姉。
碧眼の持ち主で、そのせいで周りから忌み嫌われている。
湯音の前以外では目を閉じて目が見えないフリをしていたが、いつしか本当に失明してしまう。
湯音は失明の原因が自分にあるのではないかと気に病んでいる。

『異国迷路のクロワーゼ』の用語

ロアの歩廊(ギャルリ・ド・ロア)

パリの下町アーケード商店街。
クロードの店や、クロードの顔馴染みのお店が揃っている。
商店街の土地はブランシュ家の所有物で、近い将来アリスに所有権が渡る予定。
商店街自体は経営難のためあと1年で閉鎖する。

ロアの看板店(アンセーニュ・ド・ロア)

クロードはこういった看板の製作や修理をしている。

クロードが経営する鉄工芸店。
元々はクロードの父ジャン・クローデルが経営していたが、クロードが小さい頃に亡くなり、クロードが後を継いだ。
看板やシャンデリアなどの製作・修復をしている。
商店街にある看板や装飾品の数々は、殆どが「ロアの看板店」が作ってきたもの。
それ故にクロードは商店街を愛している。

百貨店(グラン・マガザン)

商店街の近くに出来た大型の百貨店。商店街の敵になる存在でもある。
ブランシュ家が所有している。
原作ではクロードと湯音が百貨店へ行く話があるが、アニメでは描かれなかった。
クロードにとってはブランシュ家が所有している事や、商店街の敵であることや、父親がそこで死んだことなど、良い印象がない場所。

フランスと日本の文化の違い

本作では日本とフランスでの文化の差が感じられるシーンが沢山ある。
単純な文化の差以外にも、価値観の差、基本的な考え方の差も見受けられる。
良い意味でお互いに影響し合うこともあれば、理解し合おうとはしているが納得しては居なさそうな場面もある。

ジャパニーズ土下座

湯音はクロードの家に着いた時に、地面に座り深々とお辞儀(土下座ポーズ)をする。
この土下座は今後とも宜しくお願いしますという挨拶の意味であったが、そういった文化のないフランスに住むクロードは土下座に驚く。
オスカーが湯音に仕込んだのだと勘違いし、奴隷にやらせるようなポーズだと彼を怒った。
最初は土下座に驚いていたクロードであったが、湯音に対して謝る際には自分も土下座をして誠意を見せた。
日本の下へ下へ行く態度は、フランス人で特に堅物のクロードにとっては良くない物に見えるため、土下座はしないように湯音に言った。
日本は畳の上に住んでいることもあり、湯音はあまり床に座ったり寝転ぶ事に抵抗は無さそうであるが、クロードは湯音が用意したベッドではなく床で寝ているのを見て驚いた。
そう言った意味でも、フランスでは地面に手や頭をつけるという行為は特異なものに映るようである。
ちなみに、クロードは畳がどんな物か知らないため草で編んだ絨毯のような物と聞いて、湯音はウサギ小屋のようなところに住んでいるのだと想像した。

体のサイズ

クロードの歳は明らかでは無いが、言動から20歳前後。体格の差がかなりある。

湯音は満13歳(数え年で15歳)であるが、クロードには10歳前後の小さな女の子に見えていた。
湯音自体の体つきが小さいのも原因であるが、日本人は童顔で背が小さく、現在でも海外へ行くと大人でも子供だと勘違いされ易い。
オスカーも日本へ行った際は日本人の体や家や家具などの全体的な小ささ驚き、自分が巨人になったように思えたと語った。
クロードは日本の食器(お猪口など)も小さく感じた。
湯音がアリスに連れられてブランシュ家で行われていたお茶会に出向いた際も、会に来ていたマダム達に華奢だと驚かれた。
商店街でも序盤では湯音は奇異な存在で、立っているだけで体型や服装が目立ち視線を浴びている。

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@n1kameyama

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