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yukakoのレビュー・評価・感想

Nissy / 西島隆弘
10

魔法のようなエンターテイメントに恋してしまおう!

Nissyはダンスボーカルグループ「AAA」の西島隆弘さんのソロ名義です。デビュー5周年の記念として2019年に4大ドームでライブを行ったことで話題になりました。Nissyさんの最大の魅力は透明感のある声です。女性ボーカリストと変わらない高音域までとても綺麗に響きます。ドームの広い空間で聴くと、澄んだ声が高い天井まで一気に届くようで圧巻でした。楽曲は、そんな甘いヴォイスを生かすロマンチックな曲が盛りだくさんです。アイスクリームとのタイアップだった「17th Kiss」、青春恋愛映画の主題歌になった「トリコ」などハッピーなラブソングから、セクシーな曲、しっとりした大人っぽい曲、ドライブで聴きたい曲、クリスマスの曲、などなど。もちろんせつないバラードも名曲ぞろいで、彼の情感豊かなヴォーカルが涙を誘います。
最大の魅力は声、と言いましたが、CDなどで興味を持たれた方にはライブDVDも強くオススメします!Nissyさんのライブは「Nissy Entertainment」と銘打たれていて、そのステージはまさにテーマパークのようなエンターテイメントなのです!ライブ演出に火柱や水柱は当たり前、2回目のツアーである「Entertainment 2nd」では照明をランタンに見立てた幻想的な演出があったり、USJのキャラクターのスヌーピーやエルモたちを連れてダンサー数百人でのパレードが繰り広げられたりします!さらにアンコールではNissyさんが気球に乗って2階席の高さに登場します。やっていることもすごいですがライブDVDは超こだわりのカット割りですので、映像作品としてとても臨場感があり素晴らしいです。
Nissyさんのロマンチックな世界観は恋したい人にも恋している人にも、恋した気分だけ味わいたい、なんて人にもオススメです。

ダンジョン飯 / Delicious in Dungeon
9

真面目で面白い、ダンジョン図鑑

「このマンガがすごい!」「全国書店員が選んだおすすめコミック」など各賞で1位を獲得しているので既にご存じの方も多いであろう本作は、九井諒子による初の長編作品。現在もハルタにて連載中。
主人公ライオス一行はダンジョン内に残された妹を救出するため深部へと向かっていく。その道中で古典的ファンタジー作品に登場する様々なモンスターを、現実に存在する調理方法によって料理しながらダンジョンを踏破していくという、ファンタジー×グルメ漫画といった内容。

「ダンジョン」「モンスター」「冒険者」など、多くの人が想像しやすい王道テンプレートを使って展開され、見慣れない設定や入り込みにくい世界観は存在しない。だが、すべてのダンジョンにいるモンスター、トラップなどへのファンタジー内での合理的回答を用意しており、図鑑や資料集のようなある種の知識欲をも満たしてくれる堅実な設定は見事と言う他ない。
また、ハルタ作品らしい緻密でかつ抑揚に富んだ線で描かれる上、漫画として教科書にして良いような原稿の美しさ、構図のわかりやすさ、空白の使い方の巧みさは普段漫画を読まない層こそ驚くのではないか。

各種賞を獲得するにはそれ相応の理由が、人気の裏には面白さがあるということがわかる良書である。

BLAME! / ブラム
8

こちらが元祖「マトリックス」

弐瓶 勉の原作漫画を映画にした作品。
簡単に言うと、遥か未来に、進化したネットワークが暴走し、極端な機械化による無作為な都市化が進み、どんどん建物だけが建てられ、街が人の手によらずに進化していく世界。人は機械に駆除される対象とされており、そんななか、不思議な主人公、霧亥(キリイ - Killy)が、人の味方となり、ネットワークにアクセスできる権利を持つ人間、『ネット端末遺伝子』を探す戦いを挑むという話。
その人間がいれば、ネットワークにアクセスし、機械化に干渉できるという理論。映画では詳細に語られてはいないが、主人公キリイは、ほぼサイボーグであり、ほぼ不老不死とのこと。
映画はこれからキリイが戦いを続けていく、というところで終わる。バトルや物語も、機械系や荒廃した世界観が好きな人にはたまらない作品となっている。見ている途中で、「あれ?マトリックスのパクリ?」と思うが、実はこちらの漫画作品の方が世に出た時期は早く、マトリックスの方がこの作品の影響を受けていると思われる。
この映画を見終わったとき、熱狂的なファンであろう一部の人が、拍手喝さいをしていたのは大変に珍しい光景であった。尚、個人的に私がファンである、声優「花澤香菜」が機械音声的な無機質な声で出演していたのはとても新鮮であった。