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osamporadion9のレビュー・評価・感想

サガ フロンティア / サガフロ / SaGa Frontier
9

平成の傑作が令和に再登場。魅力はそのままに遊びやすさが飛躍的に向上!(リマスター版レビュー)

1997年に発売された「サガ フロンティア」がおよそ25年の時を経て、満を持してリマスター版として帰ってきた。
ヒューマン、モンスター、メカ、妖魔などの異なる種族が共存するごった煮の世界観が特徴的。
フリーシナリオで自由度の高い冒険が楽しめ、サガシリーズ伝統の「ひらめきシステム」を使った技の習得、モンスターの変身システム、メカのプログラム習得、妖魔のモンスター憑依システムなど、独自のシステムがバトルを大いに盛り上げてくれる。
リマスター版ではグラフィックが一新されてキャラクターやマップの細部まで表現されており、オリジナル版ではわかりにくかったキャラクターの顔もしっかりと見ることができる。
オリジナル版に入っていなかったイベントの追加、何より8人目の主人公であるヒューズ編が追加されているのがストーリー上の見所。
遊びやすさも工夫がなされ、オートセーブや倍速モード、引き継ぎシステムなどで周回も負担が少なくなっているのが嬉しい。
やりこみ要素として、ヒューズ編では全てのラストボスと戦うことができるほか、強化ラストボスにも挑戦できる。
ただし、全キャラクターをクリアした後に行けるボーナスステージにいる最強の敵は強すぎる。
本ゲームを知り尽くしたプレイヤーが運を天に任せてやっと勝てる程度、というのはややバランス感に欠けるのでは?と感じるのでそこはマイナス評価。
素直にとても面白いと感じることができるゲーム。

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 / Kaguya-sama: Love is War
10

ギャグありシリアスありのラブコメ漫画

ラブコメ漫画はだいたいのものが最初はお互いに他人だったり、どっちかが片思いしていたりといった内容が多いですが、この作品は最初からお互いが相手への好感度MAXの状態で始まります。
自分から告白しようとせず、相手に告白させようと必死に戦略を練ったり作戦を考えたりと頭脳戦を行っているのですが、読者視点から見ると頭脳戦というより子供の意地の張り合いにしか見えず、おもわず笑ってしまいます。
また主人公である二人以外のキャラクターもそれぞれ個性が強く、レギュラーキャラはもちろん、「その話にしか出ないだろ」というようなキャラもしっかり存在感が出るようになっています。
こんな感じでギャグの印象が強い作品ですが、シリアスなストーリーも中々の面白さです。
ギャグはギャグで思いっきりふざける、シリアスはシリアスで思いっきり話を重くするという感じなので、温度差で風邪をひきそうになります。
ですがこのギャグパートがあるからこそシリアスパートがより一層面白く感じられます。
漫画だけでなく、アニメも非常に出来が良くて制作会社に恵まれているんだなと感じさせられました。
とてもいい作品なのでまだ手を出したことのない人は是非読んでみてください。

ドラゴンクエストIV 導かれし者たち / DQ4 / ドラクエ4 / Dragon Quest IV: Chapters of the Chosen / Dragon Warrior IV
9

孤独だった勇者に集う仲間の物語は、一人の大人だから面白い。

ドラクエシリーズの中でストーリーが一番気に入ってるのが『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』。本作は、主人公目線が基本の他作品と違い、仲間全員が一度は主人公扱いになります。そして物語中盤に全員が合流して一つの目的に向かっていく。
ある意味、青春を謳歌しているドラクエだと思います。孤独だった主人公は、なんでも一人でやろうとしていた自分。仕事でも肩肘はって一人で戦おうとしていた時のようです。そこに、同じ目的を持った仲間が現れて、楽しいことも辛いことも分けあっていく。自分の仕事を手伝ってくれたりする仲間のよう。
ただ前に歩を進めていくだけで同じ方向を向いていた人たちと出会える。こんな幸せなことはないと思います。私ふくめ、この世の中孤独な人がたくさんいるのではないでしょうか。でも、きっと似たような志を持った人がこの世の中のどこかにいて、人生の歩みを止めない限りは、その人と出会えるのだと思います。
そんな仲間たちとの、一つの人生の時代を、青春と呼んでいるのではないかと私は考えています。だからこそ冒険に飢えた子供だけでなく、教室に行けば勝手に友達が居た学生時代と違い、街を離れて一人で戦っている大人にこそ刺さる作品なのではと私は思います。

キル・ユア・ダーリン / Kill Your Darlings
9

重たいけれど美しい映画

この映画は実際に存在したビートニク作家であるアレン・ギンズバーグが大学時代に経験した体験を映画化した作品です。
実際の出来事を映画化したからといって、ドキュメンタリー調ということも全くありません。
主人公であるアレン役を「ハリー・ポッター」で有名なダニエル・ラドクリフが演じているのですが、ゲイの詩人役という役柄もあって今までのイメージを良い意味で裏切ってくれました。
ここまで身体を張るのか、と驚くほどのシーンもあって彼の俳優としての新しい面を見れた気がしました。
アレンは大学に入学してすぐにルシアン・カーという男性に出会い、彼に惹かれていき彼と過ごすうちにアレン自身の才能も開花していくのですが、その過程の描写が抽象的で美しいのが印象的でした。
ストーリー自体は全体を通して明るいものではありませんし、むしろラストに進むにつれてルシアンの犯してしまった罪にアレンが向きあっていく構図にもなっていくので、予想以上に重たい作品だと思いました。
ですが導入にはそんな雰囲気はなく、徐々に重たくなっていくのでシリアス一色の映画に比べると全然見やすいと思いますし、見終えた後の満足感は中々のものでした。
ただ実話なのでどうしようもないとは思うのですが、ハッピーエンドではなかったのが個人的に少し悲しかったです。