孤独だった勇者に集う仲間の物語は、一人の大人だから面白い。
ドラクエシリーズの中でストーリーが一番気に入ってるのが『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』。本作は、主人公目線が基本の他作品と違い、仲間全員が一度は主人公扱いになります。そして物語中盤に全員が合流して一つの目的に向かっていく。
ある意味、青春を謳歌しているドラクエだと思います。孤独だった主人公は、なんでも一人でやろうとしていた自分。仕事でも肩肘はって一人で戦おうとしていた時のようです。そこに、同じ目的を持った仲間が現れて、楽しいことも辛いことも分けあっていく。自分の仕事を手伝ってくれたりする仲間のよう。
ただ前に歩を進めていくだけで同じ方向を向いていた人たちと出会える。こんな幸せなことはないと思います。私ふくめ、この世の中孤独な人がたくさんいるのではないでしょうか。でも、きっと似たような志を持った人がこの世の中のどこかにいて、人生の歩みを止めない限りは、その人と出会えるのだと思います。
そんな仲間たちとの、一つの人生の時代を、青春と呼んでいるのではないかと私は考えています。だからこそ冒険に飢えた子供だけでなく、教室に行けば勝手に友達が居た学生時代と違い、街を離れて一人で戦っている大人にこそ刺さる作品なのではと私は思います。