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nade02

nade02のレビュー・評価・感想

ばらかもん / Barakamon
9

自分に立ち返ることのできるハートフルコメディーマンガ。

自分の成長に疑問や行き詰まりを感じている書道家が、離島での移住生活をしていくストーリー。
都会暮らししかしたことのないシティーボーイの主人公が、島への移住によって田舎ならではの出来事や事件を経験していくほっこりコメディー漫画。
どこか抜けているところのある主人公をはじめ、無邪気な小学生や、スポーツや趣味に夢中な中学生、進路に悩む高校生など、子供を中心とした登場人物に加えて、
元気なおじいちゃんや、知恵の塊な長老まで、一人一人のキャラクターが個性豊かでくすくす笑いながら読んでしまう作品です。
また、島の自然や住人たちとの触れ合いの中で、たくさんのことを感じていく主人公が書道家として、人間として、どう成長していけるのかも大きな見どころ。
情報化社会の、慌ただしく流れていく日常の中で、忘れてしまっている大切なことや自分自身の感情に思わず立ち返ることができる内容に、笑いながらも胸が熱くなること間違いなしです。
島ならではの魅力に、自分でも旅行や移住を計画してしまいたくなるほど、価値観に訴えかける漫画といえると思います。
笑いたい、感動したい、悩んでいる、日常と離れた気持ちを味わいたいなど、あらゆる人に立ち止まって手にしてほしい作品です。

I”s / アイズ
9

青春を感じる

少年ジャンプに連載されていた青春ラブストーリーです。ちょうど、自分も当時同じくらいの学生だったので、感情がよくわかりました。
まず作者の桂正和さんの絵はとても上手で、女性キャラクターもとても可愛く描いてくれてあり、それだけでも楽しめます。
ストーリーとして、主人公の瀬戸一貴が同級生の葦月伊織の事が好きですが、なかなか告白する勇気がなく、それどころかツンケンした態度を取ってしまったりしてうまくいきません。その後、色々あり付き合う事が出来たのですが、今度は葦月伊織が芸能人としてデビューして、事務所側が別れさせようとしてきたりして一筋縄にはいかないって感じです。この主人公の瀬戸一貴の気持ちが当時学生だった自分にはよくわかり、共感していました。
そして、この作品の最大のポイントは途中途中で描かれる少しエッチなシーンです。キャラクターの下着姿やベッドシーン寸前のところまで、少年誌としてはかなり攻めているシーンが多く、思春期だった自分にはたまらないシーンでした。しかもそのシーンがイヤらしくなく、恋愛の延長として描かれているので、「エロ」を目的としてでなく、ストーリーの一環として見れるので良かったです。

アムネシア / AMNESIA
9

ミステリアスな乙女ゲーム

ミステリーのゲームは一度プレイしてしまうと登場人物の人間関係や犯人もわかってしまい周回プレイ要素が充実していないと繰り返しのプレイは苦痛になってしまいます。
乙女ゲームも同じで攻略対象を変えてもう一度同じストーリーをなぞるのはあまり楽しい作業ではありません。
AMNESIAはその難点をクリアした作品です。
攻略対象は5名(最初に選べるのは4名)ですが途中で分岐するのではなく、始めに誰の世界を選ぶのか選択肢が与えられます。そして攻略対象ごとにストーリーは全く異なります。攻略対象とだけでなく、周囲の人のキャラクターや関係性も異なります。したがって計5回違ったストーリーを楽しめますし、それぞれエンディングも複数あります。特にBAD ENDの種類は豊富です。
主人公は記憶喪失の状態で始まります。他の乙女ゲーム同様選択肢でストーリーは分岐しますが、他のゲームでは主人公が発するセリフや心情を選ぶ事が多いですが、AMNESIAは主人公のセリフを選ぶ事はほぼありません。相手の名前をどう呼ぶか(さん付けか呼び捨てかなど)はありますが基本的にはどう言うか、どうするかといった行動を選びます。また、主人公のセリフがなく「○○をした」などの説明の文章も一切ありません。場面転換と主人公以外の登場人物のセリフだけでストーリーが進みます。主人公の気持ちや状況説明については冒頭に登場する「オリオン」と言う精霊が担ってくれています。ファミコンゲームの探偵物ではよくあった行動を選ぶと「助手が代わりに話したり調べたりしてくれる」といった感じです。この精霊がずっと主人公のそばについていてくれるのですが、誰を信じればいいのかわからない世界で唯一の味方なのでとても心強いです。オリオンとの会話(主人公のセリフはありませんが)シーンだけでも楽しく癒されます。
精霊が出てくるファンタジーでもありますが、このミステリアスな世界はぜひおすすめしたいです。

サマーウォーズ / Summer Wars
10

日本最高峰のアニメ映画。「絆」を描く物語

後に「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」を制作する、実力派アニメ映画監督の細田守さんのオリジナル作品。

小磯健二と篠原夏希、後輩と先輩という弱い繋がりから物語が始まり、篠原の親族、祖母の知人、そして世界へ広がっていく展開に感動しました。

社会全体がインターネットへの依存性をより強くした世界で、夏希の親戚である侘助の作ったAI「ラブマシーン」が世界を混乱に陥れていきます。そんな中、陣内栄が知人たちへ連絡を取り助力を願うのは黒電話からというところが、「昔ながらの人と人とのつながり」の象徴のように感じます。
祖母の電話相手と会話している時のセリフは、相手が政治など広い分野で活躍している大物ばかりで、相手の態度から若い頃栄に物凄く世話になったこと、恩を感じているのを感じさせられました。
「あんたならできる」という、女優富司純子さんが担当した栄のセリフから受ける安心感は、昔の彼らもこの言葉に励まされたのでは、と想像されます。

格闘ゲーム世界一の池沢佳主馬が得意ジャンルでラブマシーンに敗北。
自分たちの生活全てを握るアカウントを賭けて、花札勝負を挑んだ夏希はラブマシーンを追い詰め、しかし反撃を受け、絶望したところで世界中の人々が夏希にアカウントを預けるシーンでは涙が流れました。

最後にはラブマシーンが陣内家に人工衛星を落とそうとするのですが、その軌道をずらすべく、国際数学オリンピックの日本代表の座も狙えたとされる健二が、脳を酷使し過ぎて鼻血が出るほどに自身の数学能力を発揮。見事に暗号を突破してわずかながらに軌道を変えることに成功し、さすが主人公!と唸りました。

ラブマシーンの送ってきた暗号をとき、世に放ってしまったと思ってしまっていた自分の解答に計算ミスが発覚、結果的に自分のせいではなかったということが判明するのも「計算ミスにより2位になった」という伏線を回収していて気持ちのいいラスト。

無駄なシーンが一切見当たらず、ここまで完成された映画を見ることはあまりありません。

ファイナルファンタジーXIII / FINAL FANTASY XIII / FFXIII / FF13
10

これほど誤解されてるゲームも珍しい、これこそ間違いなくFFシリーズ史上最高傑作

FF13ほど誤解されてるゲームも珍しいと思います。このゲームは間違いなくFFシリーズ史上最高傑作に値します。ビジュアルの精細さ、キャラクターの出来、ストーリー、ゲーム内バトルシステム、どれをとっても独創的で完成度が高い。それが証拠にFF13は、その後「FF13-2」、「ライトニング リターンズ」といった続編が発売されています。FF13の主人公であるライトニングの人気が、FF史上最高レベルに人気が高かったからに他なりません。

FF13に低評価を付けている人たちの殆どは、11章に出てくるアルカキルティ大平原までの、俗に言う「1本道」ストーリーに不満を持ち、途中でゲームを投げ出してしまった人たちです。アルカキルティ大平原まで来ると途端にこのゲームのスケールの大きさに気付かされます。それまでのゲームでは考えられなかった巨大なサイズのモンスターが動き回り、ここからFFでおなじみのチョコボにも乗れるようになって、いろいろなサブクエストが用意されています。そしてそれを一つ一つこなしていくことでレベルが上がり、その先のクライマックスポイントである12章、13章へと突入していくことが出来るのです。

特に12章、13章の世界観は息をのむほどに素晴らしく、最後のエンディングには感動すること間違いなし。このエンディングに到達した時、あなたのFF13に対する評価は最高レベルへと変化することでしょう。一度投げ出してしまった人も、ぜひ最後までプレイしてみてください。必ずこのFF13の面白さが分かるはずです。FFシリーズは数多くプレイしてきましたが、間違いなくFF13はシリーズ史上最高傑作だと思っています。