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monddayのレビュー・評価・感想

H2 / エイチツー
10

タッチと並ぶ、あだち充の名作高校野球漫画

あだち充の代表作といえば「タッチ」を思い浮かべる人も多いと思います。
しかし、「H2」も「タッチ」に負けない名作です。

この物語は、二人の主人公と二人のヒロインの三角関係を超えた四角関係を描いています。
幼馴染、親友、選手とマネージャー、それぞれの立場が絡み合いながら進んでいく青春高校野球漫画の不朽の名作!!
山田孝之、石原さとみ、田中幸太朗、市川由衣の四人が、それぞれ主人公、ヒロイン役を務めてドラマ化もされています。
中尾明慶、石垣佑磨、的場浩司など脇を固める役者も実力派ぞろいです。

主人公は、中学時代地区大会優勝を果たした天才投手国見比呂。
しかし彼は、中学時代ヒジを痛めてしまい千川高校入学と同時に野球を辞め、これからの時代はサッカーだと言ってサッカー部に入部します。
古賀春華は、比呂の父が務める会社の社長令嬢。ドジっ娘でほっとけない存在の可愛らしい女の子。
ある日、ひょんなことからサッカー部と野球愛好会が野球の試合をすることになってしまいます。
そこで、比呂の活躍を目にした春華は、どうにかして野球愛好会を野球部に昇格させようと奔走します。

もう一人の主人公である橘英雄は、国見比呂と中学時代のチームメイトで名門明和一高で一年生ながら4番を打つ天才バッター。
その橘英雄と中学時代から付き合っている雨宮ひかりは比呂の幼馴染で、まさに美男美女のベストカップル。

春華は比呂に恋をし、比呂は幼馴染であり親友の彼女であるひかりのことを気にかけ、ひかりは英雄と付き合いながらも比呂のことを幼馴染として気にかけ、英雄はそんな比呂とひかりの関係が気になる。
こうしてそれぞれの立場と関係が複雑に絡まりながらも、それぞれが素直になれない。
春華と比呂の関係性はどうなるのか?英雄とひかりは?
最後まで目が離せない四角関係。

ぜひ、読んでみてください。

天気の子
6

美しい映像と音楽のオンパレード

RADWIMPSの繊細な音楽と、美しい風景がマッチした壮大なミュージックビデオのような映画でした。
晴れ女のヒロインは、どんな雨や曇り空の日でも青空に変えてしまう力があります。その力を使って、主人公とともにビジネスを開始。「特定の日を晴れにしてほしい」という依頼を受け、それをヒロインが叶えるというものです。
天気によって人々の心も晴れたり曇ったり。このビジネスは大成功します。しかし、力を使えば使うほどヒロインの体には負担が掛かっていたのです。有り得ない設定なんだけれども、登場するSNSやニュース番組などからリアルさを感じられました。
主人公は未熟な家出少年で、ヒロインは弟と二人暮らしをしている面倒見の良いお姉さん。またヒロインの弟は小学生ですが妙に大人びており、女子からのモテっぷりは、高校1年生である主人公に「センパイ」と呼ばれるほど。この主人公と「センパイ」のやり取りが、たびたび観客の笑いを誘います。
ストーリーは「スッキリしない終わり方だなぁ」と感じました。すごく幸せな終わり方でもなければ、すごく悲しい終わり方でもなく。そこがとても繊細で良いところでもあるのですが、個人的にはちょっと物足りない感じがしてしまいました。
ちなみに「君の名は。」を観た人はちょっとテンションが上がるシーンもあります。

ネコノヒー
10

カワイイカワイソウ

ぽてぽて太ったネコのネコノヒー。彼はやる事なす事全て失敗する。
卵かけご飯を食べようとすると、生卵がご飯の山から『トゥルー』と落ちてしまう。
半分齧った餃子をタレに浸すと、中身がタレ皿に出てしまう。
カレーを作ろうと、『飴色玉ねぎ』を炒める時は、『飴色』が分からず、カラフルなキャンディーと見比べながら困惑していた。
そんな彼でも、失敗をしながらもそれを生かし、『SUCCESS』と笑顔になるシーンもある。
その時の彼の笑顔が何とも言えず可愛らしいのだ。
彼には『テテーンウサギ』というウサギの友人がいる。
ネコノヒーの危機に『テテーン』と現れるテテーンウサギは、お金持ちで、知的で気品に溢れるウサギだ。
実はネコノヒーとテテーンウサギはコンビでマジックをやっている。
ネコノヒーがシルクハットからテテーンウサギを『テテーン』と出すのだ。
このシーンの可愛さは何とも言いようがない程に、本当に可愛らしい。
愛らしいネコノヒーは、テテーンウサギだけではなく、周りのネコ好きな人間からのフォローも多く、その人たちのおかげで笑顔の『SUCCESS』を迎えている。

FAIRY TAIL / フェアリーテイル
5

パターンがあんまり

話のバランスはとれていると思います。日常とバトルをバランス良く構成していて中盤までは飽きずに見れますが、中盤からは人によっては飽きてくる構成…というのも、200話近く日常→バトル→日常の繰り返しかつ決着の付け方や闘いの持ち込み方がずっと変わらずな気がする。
最後は主人公がなんだかんだと覚醒して敵を倒すというものです。これに関しては唐突にキャラが死んだりしないという安心感がある反面で、同じ展開の多さも目立ちました。
キャラクターは前作のRAVEと同じでキャラの濃さが際立ったキャラが多いですね。悪役にピッタリなキャラクターが味方だったりするから面白い。
音楽に関しては挿入曲はカッコイイです、バトルや描写に上手くマッチした曲が多いからそれも魅力の1つかと。OP、EDに関しては良し悪しがあるからなんとも言えないですが、1つ言えるのはDaisy×Daisyの曲にハズレはないと思います。
作画は気になる作画崩壊はなかったですが、RAVE×FairyTailのコラボOVAのRAVE側のキャラクターデザインが昔のデザインと違っていたのが残念。
結論、話の内容は面白いですが、話の長さ的にはRAVEくらいで十分だったと思います。長編作品の序盤から中盤なので、そこまで急展開もなく、非常に落ち着いた作品です。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない / A Lollypop or A Bullet
7

思春期の多感さを悲しくも切なく表現された作品

主人公はとある田舎に住む少し現実主義気味の中学生の少女「山田なぎさ」。ある日彼女の通う中学校に有名人を親に持つ少女「海野藻屑」が転入してくる。彼女は自身を「人魚」であると主張し周囲をどよめかせ、更には初対面であるなぎさに対し「死んじゃえ」と暴言を吐きつつも何故かなぎさに懐いていく。なぎさは藻屑の奇妙な行動や不可解な言動、比喩表現に振り回され戸惑いながらも「彼女」を知り、また「彼女」の秘密を知って行き親交は深まっていくが、その親交が深まると同時に2人に残酷な最後が近付いて行く悲しく切ない物語。

もともとライトノベル作品であったものが漫画本になったものであり、表紙のイラストの少女達は可愛らしく一見GL物と勘違いされがちな作品ですが、内容は全くそういった物ではなく、とても深くて切なくて悲しいものです。最初は謎めいた比喩での表現が多く意味や意図が理解しづらく感じますが、思春期特有の多感さ、残酷さの表現はリアリティがあり、物語には残酷で切なく悲しみが押し寄せるようなラストが待っています。しかし読み終えた後にどこか美しさを感じられ、また序盤でわからなかった表現の意味を知りはっとなるような、何とも不思議な作品です。作品タイトルである「砂糖菓子の弾丸」は、読み手の感じ方によって様々な意味になると私は思います。