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kyon1719180のレビュー・評価・感想

ファーストラヴ
8

タイトルからは思いがけない重く深いテーマ

「ファーストラヴ」は北川景子さん主演で映画化された作品ですが、内容としてはタイトルからは少し想像し得ない重く深いものでした。一人の女性が父親殺しとして起訴されるのですが、北川景子さん演じる公認心理士の真壁由紀と中村倫也さん演じる弁護士の庵野迦葉とともに事件を追っていくごとに見えてくる真相はとても苦しく、痛々しかったです。女性を消費物として見て、父親にも母親にも、誰にも1人間として見てもらえず助けてくれない、そんな聖山環奈を演じた芳根京子さんの演技は圧巻でした。また、それに呼応するかのような由紀の過去も衝撃的であり、2人の過去にただ辛いと思うことしかできませんでした。更には性暴力を受け自傷行為をしていた環奈、私が一番怖かったのは、見て見ぬふりをした環奈の母親の手にも自傷行為の後が見られたということです。
最後に事件の全容が見え、結果有罪となった環奈ですが、由紀と出会ったことで自分が悪いのではないことを知り涙する場面は素晴らしかったです。
性、というモチーフを扱いながら下品なものではなく真正面から性問題と向き合い、観る人の心に残る映画になっていたのではないかと思います。臭い、目に入れたくないものに蓋をするのではなく、顕してくれた良い作品だと感じます。

米津玄師 / Kenshi Yonezu / ハチ
10

時代の寵児・米津玄師

「CDが売れない時代」と言われますが、自分が作りたいものと売れるものが必ずしも一致するとは限りません。そんな中で米津玄師は、心に響くサウンド、心に届く歌詞で多くのファンを獲得し、音楽のサブスクリプションサービスでも常に上位をキープしています。多くのミュージシャンは、音楽の方向性が決まっていることもあり曲調は自然と似通うものですが、米津玄師は曲ごとにガラリとテイストを変えてくるので、聴いていて飽きることがありません。また、『Lemon』、『感電』のようにドラマのタイアップ曲に至っても作品の核心を突くものばかり。「このような特長を持つミュージシャンは宇多田ヒカル以来」という記事を見たこともあり、時代の寵児のひとりと考えています。ミュージックビデオもYouTubeの再生回数が億を超えますので、「もしCDが売れる時代に米津玄師がタイムスリップしたら…」とすら思うことがあります。
また自分の曲だけでなく、菅田将暉の『まちがいさがし』、Foorinの『パプリカ』に代表されるように楽曲提供も行い、クリエイターとしての腕も一級品であることを証明しています。他者に合う曲を作れるということは、俯瞰が出来ているということ。それ故に、自分を見つめるということは造作もないのでしょう。これからの活躍も楽しみでなりません。

グレイテスト・ショーマン / The Greatest Showman
9

最高のエンターテイメント

最初はヒュー・ジャックマン目当てで鑑賞したのですが、完全に脇役のキャスト陣の演技力に心を持っていかれました。キャスト全員が個性の強いキャラクター設定を持っていて、それぞれコミカルなシーンからシリアスなシーンまで見事に演じています。口ずさみたくなるようなメロディーの歌もいくつか作中で披露されていて、特にキアラ・セトルが劇中で歌う「This Is Me」は映画のストーリーを考えながら聴くと魂が震えます。ちょうど自分自身も仕事やプライベートで悩み事を沢山抱えていたのですが、“でもこれがありのままの私なんだ”、というこの歌のメッセージ性に共感してずっと涙が止まりませんでした。もうひとつ劇中歌の「Never Enough」も、圧倒的な歌唱力と女優さんの表情に引き込まれる印象的な歌に仕上がっています。誰でも人生つらいことや上手くいかないことがあると思いますが、そういう時、この映画を観るときっと前向きな気持ちにさせてくれると思います。ラストも後味の悪い展開ではなく、すっきりとしたハッピーエンドで、絶対にもう一度観たくなる中毒性のある作品です。ミュージカル映画が好きな人だけでなく、苦労を経験した大人にはどこかしら刺さる部分があるので、是非とも観てほしいです。