時代の寵児・米津玄師
「CDが売れない時代」と言われますが、自分が作りたいものと売れるものが必ずしも一致するとは限りません。そんな中で米津玄師は、心に響くサウンド、心に届く歌詞で多くのファンを獲得し、音楽のサブスクリプションサービスでも常に上位をキープしています。多くのミュージシャンは、音楽の方向性が決まっていることもあり曲調は自然と似通うものですが、米津玄師は曲ごとにガラリとテイストを変えてくるので、聴いていて飽きることがありません。また、『Lemon』、『感電』のようにドラマのタイアップ曲に至っても作品の核心を突くものばかり。「このような特長を持つミュージシャンは宇多田ヒカル以来」という記事を見たこともあり、時代の寵児のひとりと考えています。ミュージックビデオもYouTubeの再生回数が億を超えますので、「もしCDが売れる時代に米津玄師がタイムスリップしたら…」とすら思うことがあります。
また自分の曲だけでなく、菅田将暉の『まちがいさがし』、Foorinの『パプリカ』に代表されるように楽曲提供も行い、クリエイターとしての腕も一級品であることを証明しています。他者に合う曲を作れるということは、俯瞰が出来ているということ。それ故に、自分を見つめるということは造作もないのでしょう。これからの活躍も楽しみでなりません。