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animelovingのレビュー・評価・感想

隣の家の少女
6

見ていられない

見ていられない作品でした。虐待、リンチっていうのはこうもエスカレートしていくのかと思うととても怖いです。なぜ、彼女だけをおばさんがいじめたのか。若く可愛い少女が憎かったのか、よくわからないけど、ひどいです。
近所の子どものたまり場になっても平気みたいな、子ども相手にボス気取る大人って、子どもでしかないというか、精神的に成長していないんだろうなと思いました。他の子たちは最初、メグと友達だったはずなのに一緒に傷つけて、なんなんでしょうか、この心理は。デイヴィッドも自分は参加してないにしろ、見ているだけでしたし、映画を見てると、いや助けろよとか、警察に言えよとか思っちゃいますが、その場ではそれができない、それほど、デイヴィッドはまだ子どもだったということなのかなと思います。彼はこれからずっとそのことを抱えていくだろうし、トラウマになるのも当然です。どうしてこんな悲しいことが起きるのかと思うと辛いです。
映画版は、小説版よりマイルドだと聞きます。でも、やっぱり映像で見るのと、字で読むのでは、映像で見る方がいろいろ残っちゃいます。こちらが病んでる時に見ると落ちてしまいそうな映画でした。すごく考えさせられる、いい映画だとは思いますが、もう見たくないなと思ってしまいました。

【推しの子】 / Oshi no Ko
8

芸能界×転生の話題作

主人公の産婦人科医「ゴロー」は、アイドルグループ「B小町」のエースで不動のセンターである「星野アイ」の熱烈なファン。そんなゴローの前に、突然星野アイが患者として現れます。そう、アイは16歳ですが子供を身籠ってしまい、事務所スタッフと一緒に診察に来たのです。ここまではよくあるストーリーですが、アイの出産予定日にゴローは何者かに襲われて死んでしまいます。アイは同時に双子を出産するのですが、ゴローはアイの子供として転生するのです!こんなストーリーがこれまでにあったでしょうか。彼は前世の記憶を保ちながら、アイのアイドルとしての活躍を見守っていくのですが、その後も怒涛の展開が押し寄せます。多くの謎を少しずつ解明していくストーリーが読者の心を奪います。今後も波乱の展開が待ち受けていると思われます。原作者の赤坂アカさんは、映画化され話題となった『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦』の作者でもある実力者です。こじらせた恋愛ストーリーを主軸としつつコメディも織り交ぜていくスタイルですが、本作でもその絶妙なバランスがふんだんに盛り込まれています。芸能界×転生という変わったテーマですが、今後の展開に要注目なイチオシ作品だと思います。

アフタースクール
10

映画の見どころはどんでん返し!

この映画は簡単に言ってしまうと、探偵の北沢(佐々木蔵之介)が、突然、失踪した木村(堺雅人)を、木村の友人である神野(大泉洋)と一緒に探し回る映画です。
この北沢は裏の世界に足を突っ込んでいる、いわゆるちょい悪な探偵で、人との信頼よりもお金を優先に動く探偵です。人を信頼しない性格が災いして部下にも裏切られたりもするのですが、それでも全く反省もせずに人脈を駆使しながら木村を探し出します。腕は確かな探偵ですが、人間性で損をする事が多い。そんな印象の北沢を佐々木蔵之介が見事に演じており、時折見せる他人を小馬鹿にするような笑みが凄い気に入っています。そしてその北沢と対比して、神野は人を信じる良い人間を演じています。この2人の対比を見ているのも面白いのですが、この映画の一番の見どころは、何と言っても「どんでん返し」でしょう。
なぜ木村は失踪したのか、そして友人である神野は何を考えていたのか、はたまた途中で何度も出てくるあの女性は誰でどういう関係なのか、こういった謎がラスト1時間でなし崩し的に判明していきます。
「あ~、あの時の電話の相手はこの人だったのか~」、「あの人は父親でもなく○○(あえて伏せておきます)の人だったのか~」など、見終わったらこう思う事は間違いありません。
そしてこの後、北沢はどうなるのか、変わっていくのか、それともこのままなのか…
非常に続編が気になる(続編はないですが)、とても面白い映画です。
ぜひ、観賞してみて下さい!

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
10

こんな青春を送りたかった!

とにかくアツい!そして泣ける作品です。中学で不良少年だった主人公が、高校で部活に熱中し、仲間と支え合いながら全国制覇を目指すという、言ってみればよくある青春マンガのストーリーなのですが、このマンガはまず高校筝曲部を舞台にしている点が新しいと思います。筝を題材にしたマンガというとお堅く感じるかもしれませんが、主人公や部員はほとんど筝の初心者ということで、登場人物たちと一緒に筝のいろはを学んでいけます。作者は筝の経験者なので、楽器の書き込みは当然リアルですし、演奏時の迫力も画から伝わってきます。筝の音色ってどんなものなんだろうと興味がわくような画力です。
そして、登場人物の心理描写が丁寧なのもこの作品の特徴です。登場人物一人一人にしっかりとストーリーがあり、台詞の一つ一つが素敵だなぁと思えるものばかりです。少しずつ成長していく彼らの姿を追っていると、自然と感情移入してしまい、泣けてきます。親との関係、友人との関係、部活内での立ち位置など、高校生というのは様々な周囲との関係で悩む時期だと思いますが、このマンガはそうした高校生が抱える悩みにも触れ、読者がヤキモキするような甘酸っぱい恋愛の要素も含んでおり、まさにこういう青春を送りたかったという要素が満載の作品になっています。

世界で一番、俺が○○
9

一番不幸になれたら、あなたは何を願う?

天涯孤独で高額納税者の柊吾、愛されキャラで万年ニートのアッシュ、何かとパッとしないいわゆるイイヤツなたろちゃん。全くタイプは違うが、長年つるんできた幼馴染み3人組の前に不思議な女の子が現れた。「セカイ」という組織のエージェントを名乗る彼女に突然持ちかけられた「この中で一番不幸になった人の願いを何でも叶えます」というゲームによって、3人の関係性が大きく歪んでいく。各キャラクターの感情の動きが丁寧に描かれ、信頼し合っていた友人達への猜疑心、嫉妬心が露になっていく様は生々しい。
また柊吾が天涯孤独となるきっかけとなった凄惨な事件の裏側で、過去に行われていたとあるゲームが深く関わっていたことが明らかになる。ストーリーが進むにつれて徐々に伏線が回収され、息を呑むような展開が続くので次々と読み進めたくなる作品である。
職業柄、過去の事件が原因で人間不信である柊吾だが、いつしかナナミという存在に癒され、好意を抱くようになり始める。ナナミの方も柊吾に惹かれているようではあるが、住む世界の違う二人の恋の行方も見所だ。
幸不幸の価値基準は人によって違いはあり、人の感情もまた不確かでその時々によって大きく左右されるものなんだということをまざまざと感じさせられるが、この3人の深い絶望の先に待ち受けるのが、どうか「幸せ」であってほしいと願わずにいられない。