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9fkazuya2004

9fkazuya2004のレビュー・評価・感想

エスター / Orphan (2009 film)
10

結局こういうホラーが1番怖い

かわいい女の子のポスターを見て、「この子が怖い目にあっちゃうのかな?」なんて純粋な気持ちで鑑賞をはじめましたが、実際は真逆。おとなしく見えて強暴で、なおかつ聡明。保育園で気に入らない子がいれば排除、カウンセラーも気に入らなければ排除。そして母すらも排除母から握られた腕をあとから自分で万力で押し潰し、大きな怪我へと見せかけたところは1番覚悟を感じました。
しかし、映画といえど人間はなにかつらい過去がないとここまでのことはしないはず。過去に何があったのか想像しながら見ていると、だんだんとエスターの気持ちによりそうような気持ちになってしまうのがまた怖いポイントでした。
大人になってもなお父性愛を求める方は一定数いらっしゃると思います。ただ、エスターは違います。手段は明らかに間違っていますが、同年代の異性と結ばれたいだけなのです。
色んな意味で心を動かされる映画でした。家の外に大きくてこわーい怪物がいるよりもずっと、家の中に正体を隠した小さな怪物がいるほうがずっと怖い。みなさんも怖い思いをしたとき、ついつい家の中に入って落ち着いてしまっていませんか。本当の恐怖は家の中にあるのかもしれません。

星のカービィ スターアライズ / Kirby Star Allies / スタアラ
8

久々に星のカービィをプレイしてみての感想

ウルトラスーパーデラックス以来久々にやった感想として、まずステージはお馴染みの横スクロールアクションだが、ステージの罠としてのギミックとコピー能力によるギミックも多様で特に水中ステージでは結構苦戦した。
コピー能力は数も増え、特に今作のヘルパーは通常の敵モブだけでなく、デデデやメタナイトなどのお馴染みのキャラからグーイ・アドレーヌ&リボンなど懐かしのキャラやマホロア・スージーなどこれまで出てきたキャラをヘルパーとして使える。フレンズ能力は属性によってエフェクトが変わったりヘルパーにも付けられるので、戦闘面の幅が広がりサクサク進められ楽であり楽しい。ただ特定のヘルパーにフレンズ能力を付ける時に、ヘルパー別のヘルパーに付いたり全員に付いたりという事故が多々あり、そこが残念。
やりこみ要素は、ミニゲームやイラストピース集め、隠しステージなど充実していて、特にスターフレンズとアルティメットチョイスがやりこみ要素高いと感じた。スターフレンズでGOはヘルパーを操作するという同シリーズのウルトラスーパーデラックスのヘルパーマスターへの道みたいな感じで多くのキャラを操作できるので、カービィとは違った感覚で遊べてかなり楽しい。しかし操作するヘルパーによってステージは多少変わるが、基本同じなので単調になりがち。ヘルパー数半分ぐらいクリアしたあたりで飽きてきた。アルティメットチョイスは格闘王への道のような感じでスターフレンズと同様に様々なヘルパーが使え、難易度を上げられたり編成を考えるなど、ただボスを倒すだけじゃないというのが面白い。多数のコピー能力やフレンズ能力・協力プレイができたり、やりこみ要素も多く、全体的に自由度が高い作品だなと感じた。次回作であるディスカバリーもやってみたい。

呪術廻戦 / Jujutsu Kaisen
9

呪術廻戦の原点ともいえる人気コミックを映画化。本編へと繋がる物語。「劇場版 呪術廻戦0」

2021年12月24日公開、芥見下々(あくたみげげ)作のマンガ「呪術廻戦0東京都立呪術高等専門学校」、通称「0巻」が映画化されました。本編の「呪術廻戦」に繋がるこのマンガはまさに原点ともいえる物語となっています。

自身の死を望む高校生、乙骨 憂太。彼は今は亡き幼馴染である折本 里香に呪われていました。そんな乙骨の前に現れたのは、呪術高専の教師であり最強の呪術師である五条 悟でした。
五条に導かれ、乙骨は里香の呪いを解くべく呪術高専に入学します。

強大な力を秘めた折本 里香の呪霊は特急過呪怨霊として、「呪いの女王」とまで言われるようなります。そしてその力を手に入れようと動き出した夏油 傑。彼は五条のかつてのクラスメートであり親友でした。
そして運命の12月24日、夏油は折本 里香を手に入れるべく「百鬼夜行」を決行します。

主題歌はKing Gnuさんが担当されています。曲のタイトルは「一途」で、「呪術廻戦0」の為に書き下ろされた楽曲です。里香の乙骨に対する一途な愛を表現しており、疾走感のある曲調でパンチの聴いた一曲となっています。

King Gnuさんは「逆夢」という曲でエンディングも担当しています。映画の公開日である2021年12月24日にサプライズ解禁されると同時に、先行配信がスタート。「一途」とは打って変わって切なげなメロディーで、乙骨と里香、そして五条と夏油、この2組の関係と思いを汲み取ったような歌詞が胸を打つ一曲です。

そして今作の主人公乙骨 憂太を演じるのは、新世紀エヴァンゲリオンで碇シンジ役で知られる緒方 恵美さんです。
普段は優しく温厚な性格、しかしひとたび敵とみなした相手、特に友人を傷つける相手に対しては容赦がなく、普段とは別人のような殺気を見せる乙骨。感情の振れ幅が激しいこの難しい役どころを、見事に演じられています。

映画の内容以外にも注目が集まったこの「劇場版 呪術廻戦0」、本編をご存じの方には絶対に見ていただきたいおススメの映画です。

オッドタクシー / ODDTAXI
8

魅力的なキャラクター達と蜘蛛の巣のように張り巡らされた伏線に目が離せません。

この作品の魅力は3つに集約されます。

1つ目は魅力的なキャラクターによる軽妙な掛け合いです。
作品に出てくるキャラクター達は動物の姿をしていてそれぞれキャラが立っており、惹かれる魅力を持っています。
中にはお笑い芸人が声優を担当しているキャラも複数出てきているのもあって、キャラ同士のやりとりが軽妙で非常に面白いです。
作中で芸人役のキャラがラジオ放送しているシーンがあるのですが、そこで必ずお手紙のコーナーで読まれるリスナーからの手紙に対するツッコミが本格的にお笑いを取り入れているのだと感じさせられます。

2つ目はそれぞれの日常が複雑に絡み合っていくストーリーです。
作中では主人公であるタクシー運転手の他に多様なキャラが出てきますが、どのキャラも余すことなくメインストーリーに繋がっていきます。
その様子は伊坂幸太郎小説のようですが、登場人物の数で言えば本作の方が多いためより複雑です。
上記においてラジオ放送のシーンを例に取りましたが、この何の変哲もないリスナーからのお手紙のコーナーでさえ後々ストーリーに取り込まれていきます。
それぞれのサブストーリーが1本の流れに収束していく気持ちよさもこの作品の魅力と言えるでしょう。

3つ目は作品を通じて存在する主人公の謎です。
本作品は動物たちが二足歩行で人の言葉を話していてまるで人間のように生活しています。
そんな中で主人公はトドの姿をしているのですが、他のキャラ達にはないある能力を持っています。
それは、通常では誰なのか分からないような状況でも主人公は誰であるか見分けられる、というものです。
分かりづらいかもしれませんが、例えば、逆光で後ろ姿を撮られた写真を見せられても即座に誰なのか判別できるのです。
ストーリーはこの謎をメインとして進んでいきますが、謎が解かれる最終話では心が晴れやかな気持ちになります。

魅力的なキャラ達と、次々と巻き起こる事件に深まる謎とエンターテインメント要素がぎゅっと詰まった作品です。
ぜひ1話だけでもこの世界を覗いてみてください。