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8oNemukachのレビュー・評価・感想

すずめの戸締まり / Suzume
8

コロナ禍だからこそ観る意味、明日を生きると言うこと

3.11被災者である主人公の女子高生・岩戸鈴芽がある日壮麗な青年・宗像草太と出会い、バディを組んで日本各地にある「扉」を戸締まりしていく話。
不思議な猫のダイジンを追いかけて、時に導かれる様に、舞台は九州・宮崎から、愛媛、兵庫、東京、そして鈴芽の生まれ故郷である東北へ。夏も残暑が過ぎた頃、一週間にも満たないだろうその時間の中で、忘れられていく場所を想い、人と土地の記憶と向き合っていく鈴芽と草太の姿に、つい忘れていってしまう大切だった筈のことを思い出させてくれます。

新海誠監督の描く圧倒的な、美しい映像に、RAD WIMPS野田洋次郎さんの音楽が合わさることで産まれる無類の世界を表現してくれます。
登場する人物の心象表現も丁寧で、鈴芽や草太がお互いに真っ直ぐに正直に向き合う姿には、コロナ禍で忘れてしまわれた様に感じる人同士の付き合いの温かさを必ずや思い出させてくれます。
私たちには忘れてはいけない過去があり、私たちが未来へ続く明日を生きていくのだと言うことの意味を感じさせる作品です。
新海監督の集大成と言う言葉通りの作品だと思いました。ただ、一度見ただけでは全ての意味や伏線が理解できないと思いうけれど、この作品は何度でも見ることにもとても価値があるのではないでしょうか。

結界師 / Kekkaishi
8

少年の成長物語

中学生である「よしのり」が主人公。彼は妖が見え、結界師と呼ばれている。
結界師というのは簡単に言うと、妖を倒す仕事をしている者で、妖を倒すときに術式を使う。
そしてよしのりの隣に住んでいる「時音」は、高校生の女の子である。
彼女もよしのり同様に結界師であり、先祖代々妖と戦ってきた人物。
この二人が協力しながら妖を倒していくのだが、時音は強く逞しく頭のいい高校生で、よしのりの事をいつも馬鹿にしている。
よしのりはバカにされているが時音のことが大好きで、二人が少しずつ惹かれていく様も見どころのひとつです。
また、よしのりは稀に持った才能があり、みるみる妖を倒していくよしのりを見て時音も負けてられないと努力する成長ストーリー。
そしてよしのりの趣味はケーキ作ること。昔時音にケーキのお城を作ると言う約束をしてから日々時音にケーキを作ってきている。
そんな二人だが、妖はいつも二人が通っている中高一貫校に出るので、結界を張って戦っている。
その学校は妖にとっていい場所であり、何しろその土地に行くと妖の妖力が増すのだ。
二人はその妖を倒すのが指名!
倒しながらも、同級生に妖が見えるものがいたり、よしのりのお兄さんが妖を倒すのを助けてくれたりと沢山の登場人物も面白いので、是非みてください!

美女と野獣 / Beauty and the Beast
8

フランス版の実写『美女と野獣』

童話の『美女と野獣』はディズニー映画でお馴染みですが、フランス版の実写映画として作られたこの作品は、新しい解釈を試みていて、従来の物語とは一味違ったストーリーが楽しめます。

今回スポットライトが当たるのは野獣の過去です。なぜ野獣が今のような恐ろしい姿になってしまったのか?そこにはどういった経緯があったのか?その辺りがドラマチックに語られています。この切なくも悲しいストーリーを映画の中に入れることによって、単なるお伽話ではない、大人が観ても楽しめる洗練された物語になっています。

そして、その秘密を暴いていくのは美女であるベル。知的で芯の強いベルをレア・セドゥが演じているのですが、自ら積極的にストーリーを動かしていく現代的な女性像が、クールでスタイリッシュな雰囲気の彼女の魅力とマッチしていました。まさにこの古くからある物語に新しい風を吹き込むことに成功しています。

また、映像面ではディズニーのアニメーションの印象が強い『美女と野獣』ですが、このフランスの実写版は重厚で濃密な雰囲気です。そういった点でも、大人が観ても面白い映画だと思います。ラストもちょっと意外性があり、よく知られている物語を上手いこと現代風にアレンジしています。