すずめの戸締まり / Suzume

すずめの戸締まり / Suzume

『すずめの戸締まり』は、2022年に公開された日本のアニメーション映画で、脚本と監督は新海誠が務めた。この映画は、日本各地に点在する扉と呼ばれる出口を閉じる「閉じ師」として旅する少女・鈴芽の成長と冒険を描いたロードムービーである。
本作品の主人公で、岩戸鈴芽(いわとすずめ)という少女である。17歳の女子高校生であり、母親を早くに亡くし、母の形見である一本欠けた椅子を大切にしてる。そのほか「閉じ師」として扉を閉じる旅をしている青年、宗像草太(むなかたそうた)や白い猫の姿をした神獣ダイジンが登場する。
映画の音楽は、RADWIMPSと陣内一真によるアルバム『すずめの戸締まり』に収録されており、劇伴や主題歌を含む25曲が収録されている。
日本での公開では、観客動員数133万1081人、興行収入18億8421万5620円を記録し、新海誠監督作品史上最高の成績となった。
作品の舞台は、九州、四国、中国地方、東京都をモデルとしており、モデルとなった場所が各所に実在している。その場所を巡る聖地巡礼が話題となった。

8oNemukachのレビュー・評価・感想

すずめの戸締まり / Suzume
8

コロナ禍だからこそ観る意味、明日を生きると言うこと

3.11被災者である主人公の女子高生・岩戸鈴芽がある日壮麗な青年・宗像草太と出会い、バディを組んで日本各地にある「扉」を戸締まりしていく話。
不思議な猫のダイジンを追いかけて、時に導かれる様に、舞台は九州・宮崎から、愛媛、兵庫、東京、そして鈴芽の生まれ故郷である東北へ。夏も残暑が過ぎた頃、一週間にも満たないだろうその時間の中で、忘れられていく場所を想い、人と土地の記憶と向き合っていく鈴芽と草太の姿に、つい忘れていってしまう大切だった筈のことを思い出させてくれます。

新海誠監督の描く圧倒的な、美しい映像に、RAD WIMPS野田洋次郎さんの音楽が合わさることで産まれる無類の世界を表現してくれます。
登場する人物の心象表現も丁寧で、鈴芽や草太がお互いに真っ直ぐに正直に向き合う姿には、コロナ禍で忘れてしまわれた様に感じる人同士の付き合いの温かさを必ずや思い出させてくれます。
私たちには忘れてはいけない過去があり、私たちが未来へ続く明日を生きていくのだと言うことの意味を感じさせる作品です。
新海監督の集大成と言う言葉通りの作品だと思いました。ただ、一度見ただけでは全ての意味や伏線が理解できないと思いうけれど、この作品は何度でも見ることにもとても価値があるのではないでしょうか。