7earasuka123456@7earasuka123456

7earasuka123456
7earasuka123456
@7earasuka123456
1 Articles
3 Reviews
0 Contributions
0 Likes
7earasuka123456

7earasuka123456のレビュー・評価・感想

神童
8

やる気を失っていたピアノの天才少女が、音大志望の浪人生と交流することで音楽に生きる意味を見出してゆく

主人公は神童と呼ばれた13歳の少女である。譜面も楽々読みこなし、演奏するピアノには人を引き付ける力がある。でもどんなに才能に恵まれていてもまだ中学1年生の女の子、多感だし、傷つきやすい脆い繊細な面も持っている。浪人生が気にかけ守りたいと思う気持ちがよくわかる。著名なドイツ人ピアニストの代演という大役を引き受けて、私は音楽だから大丈夫、やり遂げてみせると言ってオーケストラの待つステージへ向かううたに、そこはかとない魅力を感じてしまった。うたにとって音楽とは、ピアノとは何なのか映画が終わってもその答えははっきりとは描かれない。うたのいうピアノの墓場で、父親の弾いていたピアノを見つけ浪人生と楽しそうに一緒に連弾を弾くラストシーンに、登山家ではないけれどそこにピアノがあって弾きたい気持ちになったから弾いたのではないか、若くして亡くなってしまった名ピアニストの父親と時間を共有したいから音楽と関わり自分が音楽になろうとしたのではないか、そんなことを考えてしまった。うたの高校生、大学生になった活躍も映画の続編で続神童、続々神童で見たいところである。音楽で非凡な才能を持っているがゆえに凡人には気づかない人との交流やヒューマンドラマを生きていくのではないだろうか。

鹿楓堂よついろ日和 / Rokuhoudou Yotsuiro Biyori
10

疲れた時にどうぞ!心温まる作品です。

鹿楓堂は、イケメン4人が働く和風喫茶の人気店。店主でお茶担当のスイ、料理担当のときたか、スイーツ担当の椿、珈琲担当のぐれ、そしてなんとも可愛い看板娘の猫、きなこがいるお店。
ここに来れば、仕事や人間関係で疲れた人も、美味しい料理やお茶で癒されるのです。お料理はとても美味しそうに描かれていて、実際に作れるようにレシピも書いてありますよ!
登場人物が、みんな個性的なキャラでありながら悪人はいません!ですので、ドロドロした展開は皆無です。どのストーリーも、笑えたり心温まるお話ばかりなので、心が疲れた時に読むと、元気になれます。
私的には、メンバーの珈琲担当ぐれが大好きです。というのも彼、イタリアマフィアと繋がりがあったり、アヒルボート部などというものを結成して不良どもからアニキと慕われたり、過去に謎があるけどイカした人なのです。彼が描くラテアートは、超絶技巧すぎて爆笑です。
ぐれの他もみんな、謎の過去を持っていますが、お話が進むにつれて過去エピソードや、これからのお話に繋がるようで、これからの展開も楽しみです。
最新刊13巻では、最後に新キャラが登場します。スイが懐かしく感じる、この人は一体誰なんだろう?と、続きが早く読みたくなる13巻ラストでした。

窮鼠はチーズの夢を見る
7

誰かを強く想うことの切なさに美しさを感じる作品

水城せとな原作の漫画を映画化した、行定勲監督による二人の男性の恋愛を描いた作品です。
大倉忠義演じる主人公大伴恭一と、大伴を一途に思い続ける成田凌演じる今ヶ瀬渉を中心に物語は進んでいきます。
大伴は優柔不断でかなり流されやすい性格で、不倫を重ね続けているような男性です。同性は恋愛対象ではなかったものの、その性格からか成り行きで今ヶ瀬と身体の関係を持ってしまいます。大伴は見た目と人当たりの良さから思いを寄せられることが多いです。優しい人間ではあるのでしょうが、何よりも移り気な所があるため周りの人を傷つけてしまうという感じで、クズな男という印象です。
今ヶ瀬はそんな大伴を七年間一途に思っています。大伴のどういう所にそこまで惹かれるのだろうかとも思いましたが、人を好きになるのは理屈ではないのだろうと感じました。成田凌の演技は、強く思い続ける今ヶ瀬のいじらしさやかわいらしさをうまく表現していたと思います。
最終的には大伴にとって、同性という抵抗を超え、ずっと一途に大切にしたいと初めて強く自分から思える相手が今ヶ瀬であったのではないかと感じました。
二人の心理描写と映像に切なさを感じ、それが美しい作品でした。