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7ayasurin218のレビュー・評価・感想

ポセイドン・アドベンチャー
9

留まるな、上へ上へ登れ。

楽しい船旅は、転覆と共に地獄へと変わった。
「タイタニック」より遡ること25年。こんな昔に完成したディザスタームービー(災害映画)があったのか。
アテネ行き客船「ポセイドン号」は、最終航海に出ていた。しかし、天候が悪い中オーナーの無理な指示で航海を続けた為、津波を受け転覆してしまう。乗客たちは上下逆転した船から無事に脱出できるのか?
主人公の牧師、フランク・スコット(演:ジーン・ハックマン)は「神はただ拝んでいる人ではなく、努力したものを助ける」をいう独自の宗教観を持っている。
彼は、その宗教観を自ら体現する様に乗客にその場で救助を待つのではなく、船の上へ上へ(転覆しているので船腹だが)と登ることを求める。彼と彼に賛同した人達以外はホールに残り、水に飲まれてしまう。この様はノアの箱舟の様でもあり、「現状維持は停滞である」といった現在の日常にも通じるメッセージを与える。
この後もスコット一行は数々の困難に遭遇、ときに衝突し仲間を失いながらも、救助隊が来るであろうスクリュー室へと登って行く…
1972年の映画作品であるが、悪い意味の古さは不思議と感じない。CGを使わずともセット、画作りの工夫やドラマの充実で現在の作品に対して見劣りを感じさせないのだ。また、単にパニックものとして楽しむだけでなく、船からの脱出を自分の人生に当てはめると勇気が湧いてくる作品でもある。

BLUE GIANT / ブルージャイアント
10

ジャズって熱い

僕は高校生の時からロックンロールが大好きでバンドをやっています。70、80年代のバンドが特に好きだったので当時からローリングストーンズやレッドツェッペリン等々、王道のロックバンドばかり聴いていました。
当然の如くジャズというものは街で流れている曲が耳に入る程度で興味もなかったが、「BLUE GIANT」を読んでからジャズばかり聴くようになりました。
昨今、僕のようにジャズに興味はない人が大半の世の中で、主人公の宮本大がサックス片手に単身東京に乗り込みジャズミュージシャンになることをブレることなく目指す物語です。
そんな中で、同じくジャズミュージシャンを幼い時から目指す天才ピアニストと出会い、主人公の同級生で人生で初めて楽器に触れるドラマーとトリオのバンドを組むことになりますが、ピアニストはプロになることへの焦りを、ドラマーは初心者の自分が早く2人に追いつかなければならないという焦りもち毎日のようにステージで演奏します。
主人公達3人の成長とそれぞれが向かう道、清々しいまでに主人公達の演奏を聴いた人を次々と感動させる描写はとてもワクワクさせられます。

戦国小町苦労譚
8

「もしも戦国時代に現代農業の知識がもたらされたら」を気軽に楽しめる一作

同名のライトノベルのコミカライズ作品との事で、WEBで当作品を知ったので読んでみました。
「農業高校に通うごく普通の(?)女子高校生が、ひょんな事から戦国時代の尾張(愛知県)にタイムスリップしてしまい、戦国時代の情勢や作法に戸惑いつつも、農業を始めとした現代の知識や経験を元に、織田信長の元で富国に励んでいく。」
…という、よくあるタイムスリップ物ですが、同じ趣旨のコミックで「JIN−仁ー」が個人的に好きだったので、割とすんなり読んでいく事が出来ました。
一部、どうしてもご都合主義的展開になってしまう(たまたま現代の植物の種を持っていた!等)のは仕方ないのですが、
農業だけにとどまらず、住民票を元にした情報伝達システム、道路舗装、長弓・鉄砲に代わるクロスボウの開発、天下統一された後の人々の暮らしや身の振り方など、様々な分野で当時の常識を覆し、人々を驚かせていきます。
歴史に少しでも興味があったら、誰もが一度は思い浮かべる「もし、あの時〇〇だったら…」の一つとして、歴史考察など考えずに気軽に読める作品です。
こちらのコミック版を読んでみて、もしも気に入った場合は、ノベル版も読んでみるといいかもしれません。