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4lurotanshiのレビュー・評価・感想

平家物語
10

結末は知っての通りだが“盛者必衰の理”について考えさせられるアニメ

ほとんどの人が「平家物語」の名前と何となくの内容を知っていると思います。
特に冒頭の「祇園精舎の鐘の声」は学校の授業で暗記した人も多いのではないでしょうか。しかし、この冒頭と何となくの結末を知っているだけで、内容まで知っている人はあまりいないのでは。

この物語はアニメオリジナルキャラクターの視点で物語を追っていくのですが、そのキャラクターは少し先の未来を見ることができるだけで、その未来である平家や源氏の起こす戦いに影響を与えることが一切できないという特徴を持つキャラクターです。
まさに“なんとなく平家物語の結末を知っている人”と同様の立場なので、物語を一緒に見ていくことができ、このキャラクターのお陰でアニメの世界観に入りやすくなっています。

多くの物語では、主人公は大きな目標を掲げそれに向かって努力したり友情を深め合い、最後に最大の目標をクリアすることで物語が終結する大団円が基本ですが、これは知っての通り“盛者必衰の理”を表した物語。成功から失墜していく物語の主人公“平家”の行く末を見た今の私達がどうしていくべきなのか、なぜ約8世紀も前の昔話が現代に伝えられているのかを考えさせられます。

何となく知ってる物語のアニメ版と思って見たら、最後には歴史を尊ぶことになっているかもしれません。

輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum
8

10年ぶりの再会で追いついた。劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM」

TVで毎週たのしく鑑賞していたつもりだったが、実は本当に伝えたいこと、深い思いに届いていなかったことが劇場版を鑑賞して痛感した。総集編の形であり、記憶力の優れた人には物足りなかったかもしれないが、それは読書でもそうだが、2回目の反芻が違う発見を生むことがあるのだから。そういう意味では、このブランクが新しい感動の必要条件だったのかもしれない。
有名著作がベースにあり、様々な社会問題を埋め込むダークなアニメーションを、コミカルなキャラクターや不可思議な無駄とも思われるシーンで薄めながら物語が展開してゆく。
改めて感動したのは自身が成長して深く読み取ることができたからなのか、知らないうちに誰かの発信を読んで頭の中に入っていたからなのか、今回の映像がダイジェストといいながらも説明表現になったいたからなのか。それはわからない。
しかし、10年前の表現が決して古臭くなく、訴える力は落ちていないと断言できる。ただし、込められた社会問題に無知なひとには単なるダークファンタジーにしか映らないのだろう。
本当に感動できるのは、次回作の後編なのだろう。エンディングテーマのなつかしさがいつまでも脳裏にかすむ。原作を改変してほしくないが、悲しいだけの終わりにならないことを祈る。

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
9

60年代の伝説の詐欺師!

16歳から21歳までの間に、世界26か国で役400万ドルを稼いだ実話の詐欺師の話です。

レオナルド・ディカプリオ演じる高校生のフランク・W・アバグネイルは両親とともに裕福な日々を送っていましたが、父の事業が失敗し、それが原因で両親は離婚話を聞き、ショックで家出をし、生活費を稼ぐために偽造小切手の詐欺を始めていきますが、最初は失敗の連続であったが、徐々に成功していき大手航空会社のパイロットに成りまし有名な詐欺師になります。

ですが、FBI捜査官のカールに鬼ごっこを演じているような逃走劇があったもののフランスで身を隠していたフランクを見つけて逮捕します。

お金のあったときの生活を取り戻したくて、親を苦しい生活から解放してあげたいという気持ちを胸に、フランクが詐欺だと分かっていても必死にお金を集めていく姿には複雑な気持ちと応援したくなる気持ちの二つが存在するでしょう。

フランクとカールの共通点として2人とも友達がおらず、孤独な日々を送っていて、話し相手が欲しくなったフランクがクリスマスにカールで電話をかけたシーンで人間は孤独には勝てないのだと痛感させられるものやその後二人がFBI捜査官として犯人を逮捕していくのは感動します。

スリルある作品なので是非ご覧ください。

アラジン 新たなる冒険
8

パロディーでも楽しいアラジン

アラジンのストーリー、フランス版でパロディー、コメディー映画に仕上げた作品。
主演のケブアダムスとヒロインのポールルーヴがイケメン&美女で吸い込まれるような美しさと顔立ちに惚れ惚れしました。
私自身は本家ディズニーのアラジンがあんまり好みではありません。
あの突然ミュージカル調になるところが苦手。
一方こちらは突然ヒップホップラップ調になるところがあり、本家同様に受け入れられないかな?と思いきやすんなりと楽しむことができて自分でもびっくりしています。
多分なのですが所々で笑えるところがあるので、あまり構えず親しみがあるような雰囲気が良いのだと思います。
なぜか「こんなのもアリかな」と思わせるような映画でした。
最初から最後まで主人公が子供たちに話を聞かせていて、その話がアラジンの物語の設定なのですが、所々でアラジンの話から現実に引き戻されます。
その都度、本筋のアラジンの話が気になってしまうので夢中になって見ていたんだなとも後々感じます。
ラストシーンは話を聞かせていた現実での子供達と過ごし、そして現実での恋人と結婚する運びとなります。
こうなると、ストーリーの中でたまにしか出てこなかった子供達にも「子供達に話聞かせていた優しい男性」という意味合いが強まり、ほんのり心が温かくなります。
がっちりとした本格派映画では無いけれど、素晴らしいと思います。