結末は知っての通りだが“盛者必衰の理”について考えさせられるアニメ
ほとんどの人が「平家物語」の名前と何となくの内容を知っていると思います。
特に冒頭の「祇園精舎の鐘の声」は学校の授業で暗記した人も多いのではないでしょうか。しかし、この冒頭と何となくの結末を知っているだけで、内容まで知っている人はあまりいないのでは。
この物語はアニメオリジナルキャラクターの視点で物語を追っていくのですが、そのキャラクターは少し先の未来を見ることができるだけで、その未来である平家や源氏の起こす戦いに影響を与えることが一切できないという特徴を持つキャラクターです。
まさに“なんとなく平家物語の結末を知っている人”と同様の立場なので、物語を一緒に見ていくことができ、このキャラクターのお陰でアニメの世界観に入りやすくなっています。
多くの物語では、主人公は大きな目標を掲げそれに向かって努力したり友情を深め合い、最後に最大の目標をクリアすることで物語が終結する大団円が基本ですが、これは知っての通り“盛者必衰の理”を表した物語。成功から失墜していく物語の主人公“平家”の行く末を見た今の私達がどうしていくべきなのか、なぜ約8世紀も前の昔話が現代に伝えられているのかを考えさせられます。
何となく知ってる物語のアニメ版と思って見たら、最後には歴史を尊ぶことになっているかもしれません。