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0xweda0910のレビュー・評価・感想

シン・ゴジラ / Shin Godzilla
9

リアルな臨場感と政治的な深みを持つ『シン・ゴジラ』

『ゴジラ』シリーズのひとつであり、新たなアプローチで怪獣映画の可能性を広げた作品です。監督である庵野秀明と樋口真嗣のコンビが手がけた本作は、リアルで重厚な描写や政治的な要素を取り入れ、緊迫感あふれるストーリーを展開します。

この映画の最大の魅力は、そのリアリティとスケールの大きさです。ゴジラが東京に現れた際のパニックや混乱、政府や専門家たちの対応を描いたシーンは、まるで本当に起きているかのような臨場感を味わえます。特にゴジラの巨大さや破壊力が圧倒的であり、その存在感に度肝を抜かれます。
また本作は日本社会や政治をテーマにしており、災害時の対応や官僚主義の問題、国際連携の難しさなど現実の社会問題を巧みに取り入れています。政府の対応策の遅さや意思決定の難しさが描かれ、官僚たちの苦悩や奮闘がリアルに描かれています。

また映像美も素晴らしく、ゴジラの迫力溢れる姿や破壊される都市の様子は、圧倒的な映像技術によって見事に表現されています。音楽も劇中の緊迫感を高め、観客を一層引き込んでくれます。

しかしながら、本作にはいくつかの批判もあります。特に登場人物の多さや政治的な話題の複雑さから、一部の観客にとっては理解しにくい部分があるかもしれません。また、ゴジラ自体の描写や出番が少ないと感じる人もいます。

総じて映画『シン・ゴジラ』は、圧倒的なリアリティとスケール、政治的な要素を含んだストーリー展開が特徴的な作品です。『ゴジラ』シリーズの新たな一面を見せてくれるだけでなく、日本社会や政治に対する問いかけもなされています。そのため、怪獣映画だけでなく、政治ドラマや社会派映画が好きな人にもおすすめの作品です。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ / 鉄オル / Mobile Suit Gundam: Iron-Blooded Orphans
6

ファンの間でも評価の分かれる作品

鉄血のオルフェンズは、アナザーガンダムヒストリーという枠組みに入る、機動戦士ガンダムの派生作品です。
大筋としては、火星移民の孤児である主人公たちが、地球生まれが特権階級として君臨する世界で自分たちの居場所を求めて戦うというストーリーです。この話の中では、物語の300年前に厄災戦という人間対機械の戦いがあり、その戦いを勝利に導いたのがガンダムと呼ばれるモビルスーツだという設定になっています。
人間模様なども大変に作り込まれた作品であったのですが、何故評価が定まらないかというと、結末の救われなさに尽きると思います。製作陣によると日本のとある抗争をストーリーの参考にしたとのことで、凄惨な描写は決して少なくありません。それはまだしも、終わり方とそこに至る過程であまりにも主人公サイドのキャラクターが悲惨な形で途中退場させられたので、ファンですらその扱いに怒る、失望するという始末でした。
最終回付近で描かれたシーンはネットミームになっているものもあり、私は好きな作品であるため、大変複雑な気分です。ただ、骨太のストーリーや細部まで作り込まれた設定、シナリオは間違いなく一見の価値あり。ぜひ、多くの人に観てほしい作品です。

北北西に曇と往け / Go with the clouds, North by Northwest
10

美しい背景描写と魅力的なキャラクター

なんといっても作者である入江亜季先生のその背景描写力に注目していただきたいです!アイスランドが舞台であるということと、少し変わった能力を持つキャラクターが出てくる点が特徴的です。その特殊な設定を、アイスランドの雄大な自然と登場人物の生活感のある描写で読者をぐいぐい引っ張っていきます。主人公の慧は、アイスランド人の祖父であるジャックとともに生活していますが、その日々の生活の中に、自然に対する畏敬と感謝の念を表している描写も魅力的です。まだ17歳ながら、探偵の仕事をしながらサングラスをかけて車を運転する慧は、日本では見られないような圧倒的かっこよさです。しかし、日本在住の友人との再会や、探偵業の収入が得られず好物の肉が食べられずにうなだれる姿は、思春期の年相応の反応でほほえましくも感じられます。また、この話の注目人物がひょんなことから知り合うこととなった美少女・リリヤと慧の弟・三知嵩です。三知嵩と別々に暮らす慧ですが、離れていても彼を大事に思う様子が垣間見られます。しかし、三知嵩の再会を見ていたリリヤから思いもよらぬ言葉が…。慧と離れていた間、三知嵩にいったい何があったのか?そして、三知嵩が持つ特殊能力とは?単なる特殊設定漫画ではなく、ミステリー要素もたっぷり詰まっています。次巻が待ちきれなくなるおすすめの漫画です。

劇場版 マジンガーZ / INFINITY / Mazinger Z: Infinity
7

ロボットアニメ映画感想

2018年に公開された東映アニメーション制作のアニメ映画で、ロボットアニメの金字塔といわれる「マジンガーZ」のその後を描いた正当な続編として話題を集めました。
物語はグレートマジンガー最終回から10年、科学者となった主人公・「兜甲 児」達の前にインフィニティと呼ばれる巨大魔神と倒したはずの宿敵・「Drヘル」らが現れ、世界の終焉「ゴラーゴン」が引き起こされようとする中、甲児はマジンガーZで最後の戦いに臨むというものです。
劇中では10年後の甲児達のその後が描かれていますが、現実世界では45年もの時間が経過しているので多少のジェネレーションギャップを感じてしまいますが。
敵であるDrヘルが世界征服を狙う悪党から一転して、現代的な価値観を持った敵として登場しています。
メカ描写はガンダム等マジンガー以降に生まれたロボットアニメの影響も見受けられたり、多次元宇宙など、昨今のライダーやプリキュアなど近年の東映作品の要素も結構見られたりはしましたが、リファインされたZやグレートのデザインは現代的になりながらイメージを忠実に再現しています。
またフルCGで描かれた機械獣軍団との戦闘シーンはスピィーディーかつ見ごたえある映像になっていて、劇中でも作り手のマジンガーシリーズへのリスペクトにあふれた空気が漂う作品になっています。