21世紀の理科学少年
ペンギンは好きですか?特にフンボルトペンギンはお好きですか?フンボルトペンギンが好きならば、絶対に見たほうがいい映画です。
海のない学研奈良登美ヶ丘に大量のペンギンが発生。登美ヶ丘にすむ理科学少年がその謎に挑むのが本筋なのですが、本当にいい理科学少年で所謂造成地のエモさと合間って形容の仕様がないほど心がときめきます。何より、少年たちが生駒の山を越えられないのがドラマチックです。あの山は大人には低く子供には高い山だったな、と思い出させてくれます。まぁ、生駒の周囲で育った人間にしかない思い出なのですが。
ただ、関西の話なのにみんな標準語なのは気持ち悪い人には気持ち悪いかも知れません。言葉にストレスを感じない方のほうがおすすめかな。
こまっしゃくれた理科学少年の淡い恋の行方がまた切なくてたまらないのです。
原作は「夜は短し歩けよ乙女」の森見登美彦氏なので、きっと「ペンギンハイウェイ」の少年もいつか京都大学へ進学するんだろうな、そしてこのひと夏の不思議な経験を一生涯をかけて研究しちゃうんだろうなと思うと画面がにじんで何も見えなくなります。
作中に出てくる文房具類が普通の文具店でも入手可能というのもいいですね。
理科学少年とペンギンが好きな方はぜひご覧になってみてはいかがでしょうか?