夏に見たいSF映画
「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」など、アニメ化された作品を多く手掛けている森見登美彦氏の作品を原作とした映画。
京都を舞台として、悶々とした大学生活を送る主人公が登場することが多い森見氏の作品において、今作は異色である。舞台は新興住宅地、主人公は日々の発見や、疑問について研究する小学生・アオヤマ君。彼の日常に突然起こった出来事が街に登場したペンギンであった。
このペンギンはどこからやってきたのか?どうしてこの街に現れたのか?この謎を解き明かすため、アオヤマ君の研究が始まった。そうしているうちに、彼の憧れる歯科助手のお姉さんがこのペンギンの登場に関わっていると気が付く。お姉さんは一体何者なのだろうか?なぜペンギンなのか?鑑賞しながら私たちはアオヤマ君と共にその謎を考えていく。
一見、日常のちょっとした冒険が描かれているようだが、物語の途中からふんだんに盛り込まれていくSFの要素が興味深い。アニメーションならではのファンタジックな場面、臨場感のある場面が美しいタッチで表現されている。
アオヤマ君が最終的に導き出す、お姉さんとペンギン、そして彼の街に起こった不可思議なことの答えは衝撃的なものとなる。
爽やかに感動出来る、夏になると見たい映画の一つになった。