あたしンち / 新あたしンち

あたしンち / 新あたしンち

『あたしンち』とは1995年6月からけらえいこ原作で朝日新聞より連載が開始された日常コメディ漫画。その後メディアファクトリーよりコミック化される。母、父、長女のみかん、弟のユズヒコの4人家族「タチバナ家」の日常が繰り広げられる。みかん・ユズヒコの学校生活や友達とのやりとり、母の友好関係、父の仕事などからリアルな描写が描かれている。他にも個性的なキャラクターが多く登場。アニメ化や映画化もされており長年根強いファンを獲得している。

あたしンち / 新あたしンちのレビュー・評価・感想

あたしンち / 新あたしンち
10

『あたしンち』について

子供が見始めて母である私も見だした。始め「あまりにもくだらなさそうなアニメだなぁ」と思い、また『あたしンち』にでてくるお母さんは、魚のような風貌でなかなかの傍若無人ぶり。世のお母さんを馬鹿にしてると、全く見ないで忌み嫌っていました。

それが何気なく見ていたら、本当に平凡な家族の話、平凡な家族あるあるをずっとやっているような、「ここまでお母さんは手を抜いてもいいんだ」と妙な安心感と共感を感じながら見始めました。
夕飯のおかずがちくわのみであったり、それを文句をいいながら受け入れる家族。

20年前のアニメなのでまだお母さんがそこまで社会進出していない時代。お母さんのコミュニケーション能力の高さに驚きました。お母さんはお父さんに養ってもらっているので、そこまでお父さんに対しては強く出ないところにも強く共感。娘のみかんや息子のゆずひこ、お母さんにしてはとても良い子に育っています。

娘のみかんは長女らしく、少しどんくさくてどうしようもないところもあるけれど、友達のしみちゃんにも呆れられながらかわいがられる。
息子のゆずひこは弟らしい要領の良さ、タチバナ家の中で類を見ない常識人。このアンバランス感が中毒となりずっと見続けてしまう本当に平凡なホッとするアニメです。

すこし『ちびまる子ちゃん』と雰囲気はかぶりますが、タチバナ家の1人ひとりが主人公になるところがまた飽きずに楽しめるところです。

あたしンち / 新あたしンち
10

クスっと笑える面白いマンガ

おかあさんのキャラがとても強く、独特の世界観を持っているのがとても面白くて、一話一話「あはは」と声を出して笑いながら読んでしまいます。私生活で落ち込むこと、嫌なことがあってもこのマンガを読めば「大したことなかったな」と気持ちを切り替えられる良書です。マンガとアニメで少しストーリー展開などが変わりますが、どちらと面白いことには変わりありません。笑いあり、時に涙ありの「あたしンち」。時間を忘れた読んでしまうのが難点でもありますが、日々の生活の中に、ちょっとした笑いを取り入れるのにおすすめです。家族それぞれのキャラクターも特徴があり、家族の生活、趣味なども描かれていますので、毎回飽きることがなく読み進められます。それぞれの立場に沿って描かれているので、年代ごとに共感しながら楽しめると思います。気づいたら、マンガの世界にドップリハマること間違いありません。繰り返し読んでいるのでストーリーは知っていますが、毎回同じ場面で笑ってしまいます。嫌味のないキャラクター設定も、共感を生む理由なのではないかなと思っています。新刊が出たら思わず買ってしまいます。

あたしンち / 新あたしンち
8

家族と親友の優しさが沁みます

大人気国民的アニメ・あたしンちの劇場版1作目です。
この頃はテレビシリーズもゴールデンタイムに放送されており、劇場版仕様のエンディングがよく流れていたのを思い出します。この作品のテーマソングがまたいい曲なのです。
ゆるい日常を描くテレビシリーズが、劇場版でどうなるのかというと、主人公・タチバナみかんとそのお母さんの中身が入れ替わってしまう!という、いわゆる「入れ替わりネタ」を描いたストーリーです。いつもお母さんに、あーだこーだと文句を行っていたみかんが、いざその立場になってみると苦労するシーン。女子高生のみかんと入れ替わったお母さんが高校へ通い、なんだかんだ高校生活をエンジョイしている姿は、この作品でしか見られません。
泣けるシーンも多数あり、なんとなくお互いの気持ちが分かり始めるみかんとお母さんの裏では、どうにか2人を元に戻そうとあらゆる方法を調べる弟ユズヒコと、お父さんの姿に家族の大切さを教えてもらった気がします。
とはいえ、今作一番の感動ポイントは、修学旅行の前にみかんからお母さんと入れ替わってしまったのを打ち明けられ、それを受け入れてくれた親友・しみちゃんです。本当の意味での親友なんだな、と映画館で泣きました…!

1時間35分に詰め込まれたあたしンちの世界、是非一度見ていただきたい作品です。

あたしンち / 新あたしンち
8

家族の絆を感じる映画

大人気国民的アニメ・あたしンちの劇場版2作目です。
1作目の映画の設定にもかなり驚きましたが、この作品はそのさらに上を行く、設定とストーリーです。タチバナ家を守るお母さんが、ある日突然超能力を手に入れてしまった!という、映画クレヨンしんちゃん的展開からストーリーがはじまります。掃除も洗濯も料理も、日々のあれこれなにもかもを超能力でやってしまうお母さんでしたが、しだいに人助けにも超能力を使い始め、家のことがおそろかになっていき、家族と気持ちが行き違いに…。作中で主人公・みかんの放つ「家族のことなんかどうでもいいんでしょう!」というセリフには驚きました。まさかあたしンちでそんなセリフを聴くことになるとは…という思いでした。
超能力が原因で、タチバナ家の住むマンションがめちゃくちゃになり、崩れそうになるシーンがあるのですが、あたしンちの世界観であのレベルの破壊描写となると、ストーリーの盛り上がりに必要な描写とはいえ、見ている側の気持ちが痛みます。ほわほわとした雰囲気の日常、が売りの作品だったのになぁ…と、そこだけ個人的に少し残念でした。
最後には、丸く収まる40分ほどの短編映画ですが、家族の大切さを教えてくれる素敵な映画だと思います。

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9

満を持しての2期!

1期からかなり時間が経ちましたが、また新たにタチバナ家の日常が見られるのは本当に嬉しかったです。1期はパステル調だった絵も、イマドキなビビッドな色合いになり、ますますお母さんのパワフル度が増したような気がします。前作がいわゆる、「じわじわくる」タイプの笑いならば、今作は「一気にドッカーン!」と笑いが爆発するような作品なのかなと思います。タチバナ家を中心に巻き起こる「そういうのあるある!」の嵐だった前作とはちょっと経路が違っており、「いや、そんなこと起きないだろう!」と共感というより、ツッコミを入れながら見てしまう作品に変わった感じがあります。1期を見ていた人と2期から見始めた人でもしかすると評価が割れる作品かもしれないな、と思いましたが、私は「これもまたタチバナ家のあたしンちの形だな」と感じております。賑やかを通り越してやかましい!でもそれがあたしンちの醍醐味なのかもしれません。とはいえ、どこかゆっくりゆったりとしたとてもいい雰囲気は失われていないので、あたしンちを好きな人ならきっと誰でも楽しんで鑑賞出来ると思います。
ネット上では色々と厳しい意見の多い作品ですが、1期は1期、2期は2期で私個人としてはどちらの作品も指示しております。

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10

ごくごく普通のタチバナ家のすべてが詰まったアニメ

新聞の連載からアニメ化し、今や誰もが知っている、豪快な専業主婦・お母さんを始めとした、4人家族の日常物語です。日常のちょっとしたことの「あるある!」に始まり、「そんなことある!?」と言いたくなるような突飛なストーリー等、国民的日常アニメといえばこの作品だと思います。
放送当時、私は自分が家族の長女というのもあり、タチバナ家の長女・みかんに感情移入していました。「きょうだいの上の子あるある」が凝縮されたみかんは、まさに当時の私にとって鏡のような存在で、みかんの一挙手一投足に「わかる!」と頷きながら見ていたものです。
しかし、結婚して子供を持った今は完全にお母さんに感情移入するようになりました。多数の失言に加え、すべてを効率よく回そうとして大失敗してしまったり、そんな大雑把な性格ながらも、上の子であるみかんと下の子の・ユズヒコのタイプが全然違うことをしっかりとわかっていたり、子育てのヒントをくれるのはいつもこのタチバナ家のお母さんです。とはいえ、あまりにも豪快すぎるお母さんのようにはなかなかなれませんが。
どんなに世の中が大荒れになっていても、この作品を見ている間はゆったりとした時間が流れ、まるで実家に帰ったかのような安心感のあるそんな素敵な作品です。

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9

母が好き。

母、父、みかん、ゆずの4人家族を中心とする日常の話です。母は、すごくアグレッシブな人でこんな人いないだろうとか思うけど、どこかあるあるなところがあって、母ってこういうもんよねと思います。みかんも抜けてておもしろいし、ゆずはクールなようで繊細なところが面白いし、父は無口だけど、母のすることで笑ったり、基本仲の良い家族です。みかんの友達の話とかゆずの学校の話とかとありますが、私は家族の話と母と母の友達の話が好きです。あの母のキャラクターが一番好きなのです。漫画の第1作目は、みかんが母のお弁当に文句を言う話でした。お弁当をすごく凝って作ってくれる母といると思うけど、あたしンチはどっちかって言うと茶色いおかずが多い家だったのでみかんの気持ちがわかります。でも文句言われても困る母の気持ちもわかるし、面白いです。母の手抜き料理で恥をかく話は他にもあるけど総じて面白いです。それに、母のちくわ料理は節約術として役に立つ面もあります。あたしンちを読んで、肉の代わりにちくわでもいいんだと思えるようになりました。1話完結ですし、読みやすいので、ちょっとした合間に読んでしまいます。

あたしンち / 新あたしンち
7

日常の中にあるかもしれない緩さ

自分がこの作品に出会ったのは2000年代の初め、丁度この作品が新聞に掲載され、普段4コマ等しか見る事の無かった頃に、この23コマで構成された漫画は新鮮に映り、自然と読むようになっていた。

・アニメ化の後でも
その後、テレビアニメでも放送されるようになり、テレビの向こう側でもその世界は程よい緩さのまま夢中にさせてくれた。
この物語の主要人物は母、父、長女、長男の4人で、その4人を中心に物語が展開されている。家庭内での話や個人ごとに描かれ、そこから別の人物達へも枝分かれし、様々なストーリーが生み出されている。

・良き緩さ
何より自分がこの作品の好きな所、先程から書いている「緩さ」だ。その頃自分は普段非現実的な物語を好んで見ていて、「この作品は逆に新しい」、そう感じてしまっていた。
ただ何気ない日常にもクスッと笑う事が出来る、そんな「日常」ですら「非日常」と感じていたのかもしれない。
どの時代にも非現実的な作品は幾つも生み出され名作となって来た。だからという訳では無いが、いつしか目の前にある日常にも刺激を求めてしまっていたのかもしれない。
そんな離れた心を取り戻す、大げさかもしれないが、この作品が連載開始から25年以上、長く愛されている理由なのかもしれない。

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8

どこにでもある、普通の毎日

どこにでもある普通が良いって思える作品です。
主人公のみかんの家は、ごくごく通の家庭で、特に大きな揉め事があるという訳じゃないんですよね。
それなのに、その何でもない毎日こそが実は重要なんだって気がつかせてくれる作品です。
みかんのお母さんは、かなり外見的にはインパクトがあるのですが、中身は本当に普通のお母さんで、見ているとついつい、みかんの気持ちが分かったりします。
例えば、みかんが学校にお弁当を持っていくんですけど、蓋を開けたらミックスベジタブルがおかずだったりして、思わず自分の学生時代のお弁当を思い出してしまったり、お父さんがかなりせっかちで、信号機のボタンを激しく連打する姿に、自分の父親の姿を重ねたりして、いつの間にかご近所さんのような親しみを感じるんですよね。
どこにでもいる普通って、こんなに楽しかったっけ?と、ほのぼのとした気持ちになります。
派手なアクションも、胸キュンするようなシーンもないけれど、見ていると、分かるなぁと共感したり、そんな事ってあるの?と思ったりして、とても身近なアニメでした。
時には、のんびりゆったりしたいという時には、やはりほのぼのとしたアニメが一番だと思います。